「クリスマスは1人かも…」焦った30歳女が過去の男に連絡してみたら、意外な展開に!?
男と女は全く別の生き物だ。それゆえに、スレ違いは生まれるもの。
出会い、デート、交際、そして夫婦に至るまで…この世に男と女がいる限り、スレ違いはいつだって起こりうるのだ。
-果たして、あの時どうすればよかったのだろうか?
できなかった答えあわせを、今ここで。
今週のテーマは「以前デートをしたことがある女が、久しぶりに連絡をしてきた理由は?」という質問。さて、その答えとは?
12月に入り、街は一気に騒がしくなってきた。そんなライトアップされた街並みを見ていると、30歳の私は泣きたい気持ちになる。
先日、デートをした陸。
彼とは今年の頭に二度ほどデートをしている。でも、なんとなく連絡を取らなくなり、フェードアウトした。
今回も、二度ほどデートをして改めて気がついたことがある。
― やっぱり違う人は違うのかな…。
東京の街が、輝いている。みんな楽しそうにイルミネーションを見上げ、恋人たちは楽しそうに腕を組んで歩いている。
そんな姿を見ていると、私ひとりだけがこの街から取り残されているような気持ちになり、胸がザワザワする。
― クリスマスなんて、大嫌い。
私は大きく白いため息をついた。
A1:イベント事が多い年末年始、誰か見つけたくて過去を遡っていた
11月下旬ごろから、私は焦り出していた。
― あれ?このままいくと、クリスマスも年末年始もひとりじゃない…?
そう思い、慌てて過去のLINEを漁ってみる。
一度食事会で出会ったきりの人や、デートをした人。総ざらいをしてみた中から、今一度チャンスがありそうな人に目星をつけていく。
中でも白羽の矢が立ったのが、陸だった。
陸とは、今年の初めに食事会で出会った。その後二度ほどデートをしたけれど、男女の関係になることもなく「いい人だな」という印象で終わっていた。
― そういえば…この人、スペックとかも良かったしいい人だったし。もう一度掘り下げてみる価値あるかも。
外資系コンサル会社勤務の40歳くらい。バツイチだったけれども、再婚はしていなかったはず。あの時は恋愛対象にならなかったけど、今なら違うかもしれない。
陸に関する記憶を辿りながら、私は彼に連絡をしてみた。すると、トントン拍子で二人で食事へ行くことになった。
「陸くん、久しぶり!」
「お〜莉子ちゃん。久しぶりだね」
『鳥つた』で再会した陸は、何も変わっておらず、私はほっとした。
「最後に会ったのって、今年の1月くらいだよね?」
「そうそう。正確には、2月の頭くらいかな」
「やば、もうそんなに経つんだ。時間過ぎるの、早すぎて焦るわ〜」
「わかる。私も、もう年末なことに驚いてる」
世間話やお互いの近況報告などをしながら、彼がどんな人だったか記憶を取り戻していく。
― 本当に、いい人なんだよね。
今年の頭にデートをした時から、ずっと思っていた。陸に悪い点は見当たらない。
でも逆の言いかたをすれば、特に引っかかりもない。
「陸くんは?元気だった?」
「うん、おかげさまで。莉子ちゃんは?仕事、忙しいの?」
「そうだね〜。特に年末年始は忙しいかも」
そんな話をしながら、私は徐々に核心に迫る。
「最近、陸くんはどうなの?」
「どうって、何が?」
「彼女できたとか…結婚したとか?」
「結婚の気配はまったく(笑)。彼女も今はいないよ」
「そうなの?なんで?」
今日のデートの目的は、陸に現在誰かいるかどうかを探ること。その点、現在彼女もおらず、未婚であることが確認できた。
「じゃあ、今は完全にフリーってこと?」
「そうだよ。莉子ちゃんは?」
「私も今は完全にフリー。実はちょっといいなと思ってしばらくデートを続けていた人がいたんだけど、先月くらいに終わっちゃって…」
「莉子ちゃんなら、すぐに新しい人とか見つかりそうだけど」
「どうかなぁ。でも陸くんに彼女とかができていなくて、よかった♡」
現在、彼女がいないということは可能性がある。しかもクリスマスや年末年始は迫ってきているので、とにかく押してみることにした。
「陸くん、今月はもう忙しい?」
「忘年会が詰まっているけど、来週木曜とかなら空いてるよ」
「本当?またご飯行かない?」
「うん、いいよ」
半ば強引だったかもしれないけれど、陸と私はもう一度デートをすることになった。
A2:やっぱりしっくり来なかった
こうして、私たちは1週間後に会うことになった。
「忙しいなか、時間作ってくれてありがとう♡」
感謝の気持ちを、素直に伝えてみる。忙しい年末に時間を作ってくれたことは純粋に嬉しい。
「こちらこそ。でもさ、どうして僕たち連絡を取らなくなったんだっけ?別に何かがあったわけでもないのに」
「だって、陸くんが私に興味なさそうだったから」
「そうだっけ?」
陸も私も、お互い嫌いだったわけではないと思う。ただあの時は異性として、双方感じられるものがなかったのかもしれない。
そして、ワインが空いた頃、陸から飛んできた質問に、私は一瞬返答に詰まった。
「そういえば、なんで突然連絡くれたの?」
― クリスマスとか年末年始、ひとりだと寂しいと思ったから。
ただそんなこと、本人を前にして口が裂けても言えない。
「なんでって…陸くんに、会いたくなったからだよ」
「そうなんだ。それは嬉しいな」
喜んでくれる陸を見て、私は少し安心した。今は陸も私のことを、多少は可能性があると思ってくれているようだから。
ここで、本題に入ることにした。
「陸くん、クリスマスは何をしているの?」
「特に何も予定はなかったはずだけど…莉子ちゃんは?パーティーとかしてそうだね」
「まったくだよ。みんな結婚したり彼氏がいたりで」
気がつけば周りはみんな結婚し、未婚の女友達も彼氏がいる。私にも誰かがいてくれるだけで、気持ち的にだいぶ違う。
― 今年は、陸といられるかな…?
今は、そんな淡い期待と希望を持っている。
「まったくだよ。みんな結婚したり彼氏がいたりで。でも、もし陸くんが予定ないなら、デートしない?イルミネーションとか見に行きたいし…♡」
これで、今年のクリスマスは安泰だ。そう思っていた。
でも一旦スマホのスケジュールを確認した陸は、「あっ!」と言いながら謝ってきた。
「莉子ちゃんごめん!忘れてたけど、24日は先輩の家でホムパだった…。しかも25日の月曜は、普通に飲みの約束が入ってた…。ごめん」
「そっか、それは残念!陸くん人気者だね」
「普段はそんな忙しくないんだけど…。また別日だね。他の日は?」
「逆に他の日は、私のほうが忘年会とかが入っていてスケジュールが結構いっぱいで…」
この噛み合わない感じは何だろう。
陸は悪い点は特に見当たらない。でも飛び抜けていいとか、飛び抜けて悪いとか、そういう点もないし、そして絶妙にタイミングも合わない。
いい人なんだけど、その先に進まない人…。
私は楽しくて華やかなクリスマスの時期に陸と過ごしたいと思った。でも、彼とはタイミングが合わない。
やっぱり私と陸はどこか“しっくり”こない運命なのかもしれない。
「じゃあ来月かな(笑)」
「そうだね!」
ー 私も、クリスマスや年末年始だからといって、焦って誰かを探そうとしてもダメだよね。
私は反省しながら、一度ダメだった人と時間を置いてからデートをしても、結局何も変わらないということを悟った。
お互いに環境が劇的に変わるとか、もっと時間が経つとかしたら変わるのかもしれないが、結局、陸とは何もなく終わった。
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