2023年春に完結した朝ドラ『舞いあがれ!』で主演も務めた、女優・福原 遥さんをお連れして、六本木の薪焼きフレンチへ。

そこで語られた、25歳の彼女の人間観・仕事観とは?


国民的女優へと成長を遂げた福原 遥に聞く、モチベーションの源

六本木はミッドタウン側に行くことが多い福原さん。交差点を挟んだ反対側は少々怖かったというが、同店を訪れ「このような品のあるお店を開拓したい」と意識が変わった


六本木の路地裏がまるで映画のロケ地のように見えた。全身黒のシックな装いを、その美貌で格別に華やかにする福原 遥さんが立っていたからだ。

清純な印象のある彼女に港区特集は意外かもしれないが、現事務所は港区。8年前からなじみ深いエリアとなった。

「5年前までは事務所でレッスンがあったので、その帰りにマネージャーさんと六本木で食事することが多かったです。

いまでも、ミッドタウンに入っているお店や、事務所の方にオススメしてもらった焼肉店に行きますよ」

美味しい肉に目がなく、仲の良い広瀬すずさんと会う時も肉系が多いとか。

「いつも私に合わせてくれてお肉。大好物の焼肉はもちろん、馬刺しを一緒に食べたことも。個室じゃない時もあります」

この日のようなフレンチは初訪問。

「クリスマスにこういう場所へ来れたらいいですね」と話したあと「いつかは、結婚記念日で来るのも素敵ですよね。めっちゃ先の話(笑)」と自分にツッコミを入れていた。その笑顔のなんと可愛いことか。

10歳でデビューし、11歳で子ども向け料理番組『クッキングアイドル アイ!マイ!まいん!』の主人公として早くも知名度を全国に広げた福原さん。10代後半からはドラマや映画の主演も増えた。

さらに連続テレビ小説『舞いあがれ!』のヒロインに抜擢されたことも記憶に新しい。

いまや押しも押されぬ実力派にして、笑顔が絶えず健やか。真っ直ぐな人柄を築いたのは、環境の影響もあったのだろうか?

「まいんちゃんが初めての大きなお仕事だったんですけど、スタッフさんとは家族みたいな温かい関係で、優しい現場が自分を育ててくれたと思っています。愛をいっぱいいただいて。

朝ドラの現場もそうでした。それがあって、いまを楽しく過ごせています」


「心の温かさは常に大事にしていたい」


好きな言葉の答えは“愛”。心の豊かさに必要なものを聞いた時の答えも、「愛です。あと食(笑)」。

福原さんの会話には、“愛”がよく出てくる。




「お互いを大切に思う関係性が好きです。人には愛情という気持ちがあるから、心が動いたり、ときめいたり、切なくなったり、いろんな感情が出てくるはずで、心の温かさは常に大事にしていたい。

現場での楽しい会話なども含め、人との距離が近い方が幸せを感じます。主演作でも気負わず、誰もが安心できる優しい空間になればいいなと思っています」

25歳で精神の安定は思慮深い大人のレベル。しかし、自身では大人になりきれていないとよく思うらしい。

「19歳ぐらいから止まっている感じです。でも、まだ大人になれないんだと開き直っています。無理に背伸びせず、もう少しこのまま楽しんでいこうって」

19歳で止まっているのはなぜか?

「大人の世界をいろいろ見させてもらって、吸収してからは一緒な感覚があります。

高校を卒業して、このお仕事一本でいく覚悟や、どういう風にこのお仕事をしていきたいかをすごく考え、話し合った時期。いろんな方とお話しさせてもらったあの頃、視野が広くなった気がします」

実は、学生時代はこの道一本で行くかはっきりしていなかったとか。

「高校2年ぐらいまで、この業界に残る選択肢があまり見えていなくて、ヘアメイクさんとかも憧れましたし、何の道へ進もうかずっと考えていました。

その頃にいまの事務所の方に出会って、“一緒にお仕事したい”と思ってから、覚悟がつきました。

このチームだから頑張りたいと常に思って、朝ドラの主演が決まった時も、私は号泣して、みんなでハグして喜び合いました。事務所に入った時、そこを目指して頑張ろうと、みんなで目標を立てていたので」


「いまは賞をとれるお芝居ができるように頑張りたいです」


常に同じ方向を向くチームと同様、福原さんのパワーになっているのはファンの存在。

「ファンの方にいただいた手紙もモチベーション。お手紙を入れる箱があってたまに読み返しています」と感謝を忘れない。

コロナ禍にYouTubeを始めたのも、ファンと会う機会が減ったことがきっかけ。そんな風に新鮮な心をもち続けられる秘訣は?




「私はお仕事が楽しくて始めたので、その感情や初心を忘れないように、たまに昔の出演作を見返しています」

過去を糧に、目指す未来を明確にもつ。

「いまは賞をとれるお芝居ができるように頑張りたいです。このお仕事をこれからも続けていきたいので、印象に残る作品で賞をとれたら嬉しいです。

賞がすべてではないですけど、いままで頑張ってきてよかったと思える瞬間だとは思います。チームでも、“次はそこを目指したいね”と話しています」

自身の愛情深さは、次の目標への強みとなるはず。感受性豊かな彼女が、再び嬉し泣きする日を願ってやまない。


■プロフィール
福原 遥 1998年生まれ、埼玉県出身。2009年に芸能界デビュー。12月8日(金)に全国で公開される映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』では、水上恒司さんとW主演。現代から第二次世界大戦中の日本へとタイムスリップし、特攻隊員に恋する女子高生を演じている。

■衣装
トップス 89,100円、スカート 97,900円〈ともにパトゥ/IZA TEL:0120-135-015〉、ネックレス 77,000円、バングル 895,400円、リング(右手)82,500円、リング(左手)158,400円、パールイヤカフ 77,000円、イヤカフ 108,900円〈すべてヒロタカ/ヒロタカ 表参道ヒルズ TEL:03-3478-1830〉

▶このほか:「一番大事なのは、魂を込めること」櫻坂46・森田ひかるが語った、センターとしての覚悟




東京カレンダー最新号では、福原 遥さんのインタビュー全文をお読みいただけます。
東カレに語ってくれた、最近の“大人になったと思う瞬間”とは?

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