年齢を重ねたら、住まいや人間関係など、暮らしや生き方をシンプルにして自分らしく生きていきたい、と考えている人が増えています。ここでは、60代で埼玉と神奈川県・茅ヶ崎で2拠点生活を始め、自分らしい暮らしを送るデザイナーの山中とみこさん(69歳)に、「ものを買わない」コツを伺いました。

ものはなるべく買わず多目的に使えるものを

期間限定の2拠点生活のため、家具や器は極力手持ちのものを活用。この家に住むときに買ったのは、海辺でも使えるキャンピングチェアと冷蔵庫や洗濯機などの家電類だけだそう。

以前と比べてものを買う量は減りましたが、「『欲しい』という気持ちは大事にしたい」と山中さん。一方で、今後は器を中心に積極的に手放して、身軽にしていきたいと言います。

●器は用途を問わないものが便利

調理道具も器も、ほぼ家から持ってきたもの。「器はどんな料理にも合うシンプルなものを選ぶと、少ない数でも十分。見た目がいい鍋は、そのまま食卓に出せるので、おもてなしのときなどに喜ばれます」

●調理台は使わなくなったミシン台を再利用

キッチンにあるキャスターつきの台はミシンがけのときに使っていたもの。現在は調理台兼調理器具や器の収納に。「横幅があり、数人で一緒に使うことができます。扉がないので両側からサッと取り出せるのもいい」

●掃除道具は出しっぱなしでも絵になるものを

ホウキとハタキ、羊毛のホコリ取りはつり下げ収納。ハタキは枝と布で手づくりしたもの。「掃除道具も見た目のいいものなら出しっぱなしでもOK。気になったときにサッと手に取って使えます」

●鏡と小だんすを重ねて身じたくスペースに

キッチンの一角に、もともと持っていた古道具で身じたくスペースを設置。「小だんすに鏡をのせたら低かったので、道具箱で高さを調節しました。メイクはこの前に立ってしています」