早朝、自宅に来た怖い女の正体は…:セックスレス・綾子さんの場合4
日本では6割の夫婦が陥るといわれるセックスレス。「なんとか修復しようと努力をしていた自分がかわいそうだった」と涙を浮かべる綾子さん(仮名・50代)。20年を超えるレスの夫婦生活は苦しい思い出ばかり。なかでも一番屈辱的だったという、夫の二度目の不倫のときを振り返っていただきました。
寝込んだ妻子をほったらかして、夫は愛人の元へ
レスになると浮気をしてしまう夫の女性問題に頭を悩ませる綾子さん。第1子の産後に夫が女子大生と浮気。相手の家へ出向き、両親をも巻き込んで別れてもらいました。しかし、2人目の愛人が家に押しかけてきて…。
●会社にいるはずの夫の行方
夫の二度目の浮気が発覚したのは、またしても綾子さんの産後。育児がいちばん大変な時期でした。
「こっちは上の子を1人で面倒みながら、生まれたばかりの長女のお世話もしてほぼワンオペ。もう必死ですよ。1日、1日を乗り越えていくだけでいっぱいいっぱい。夫の相手をしてないなと思ったときには、もう次の女がいたパターンです」
ある日、子どもが2人とも熱を出してしまい、看病していた綾子さん自身も発熱。どうしようもなくなって夫にSOSを求めたところ、会社にいるはずの夫が出社していないことが判明。
●高熱で意識もうろう。その頃、夫は…
「39度の高熱が出て、夫の携帯に電話したんです。けれど連絡がつかなくて。やむなく職場に電話したところ、今日は代休をとって休んでいると。女だなと思いましたね。『まさか』というより『またか』という気持ちでしたが、もうフラフラで怒る余裕もありません。近所に住んでいる義母に来てもらおうと連絡したんです。そしてら『あ、綾子さん? 今日お天気よくてよかったわね。海はどう?』と言われて…」
なんと夫は自分の実家の倉庫からバナナボートを借りて「家族で海へ行く」と嘘をつき、愛人とデートをしていたのです。
●息を吐くように嘘をつく夫
「私よりも義理の両親のほうが怒ってくれたことに救われました。『お前は、妻子が寝込んでいるときに、なにをしているんだ!』と。しかし夫はまた『本気なんだ。向こうと結婚したいと思っている』と言い出し、私は感情が無になりました。思えば、こうして何度も自分の気持ちを殺していた気がします」
夫の両親は、家が近かったこともあり、なにかと子どもたちのことを気にかけてくれていたそう。とくに義父は、歩けるようになった長男を溺愛。父親が家を不在にしてあまりお出かけができないのを気にして、ちょくちょく遊びに連れ出してくれていました。なのに、肝心の父親である夫は、みんなに嘘をついて愛人との海デートを満喫。
既に夫のなかでは家族よりも愛人への愛情の比重が上回っていたのでしょう。これまでも実家から「家族で使う」といって海の道具を持ち出していたこともわかりました。家族で海にいったことなんて一度もなかったのでショックでした。
夫の愛人に直接言われた怖い言葉
二度目の浮気に絶望しながらも、責任を感じた義理の両親は「なんとしても愛人と別れさせる」と宣言。綾子さんは、とにかく日々の生活を大切にすることだけに集中しました。かわいい盛りの子どもたちに夫婦喧嘩をしてる姿を見せたくないという思いもあったといいます。
そんなある朝、夫が会社へ出かけた直後、インターホンが鳴りました。
●早朝の訪問者の正体
「スーツを着た女性が立っていて、なんかごにょごにょ言っていたんですけれど、早口でうまく聞き取れなくて。てっきり保険屋さんかなにかと勘違いして、出ちゃったんですよ。そしたら『ご主人と同じ会社で、いつもお世話になっているB美です。近くまで来たので、ちょっと奥様にもご挨拶にと思って』って言われて、あぁ、愛人なんだなと思いました。最悪ですよ、向こうはメイクをバッチリしてるけど、こっちはスッピン。不意打ちで押しかけられて、唖然としました」
わざわざ夫がいない時間を見計らってきたと思われるB美は、簡単な挨拶と「奥様のお顔を見てみたかった」という怖いセリフを言い残し去っていったそう。
●「産後にしなかった私が悪いのかな…」
「相手の女の『私の顔を見てみたかった』っていう言葉がとにかく恐ろしくて。手足の震えが止まらなくなったんです」と綾子さん。
「義理の母に電話をしたらすぐに来てくれて、夜、夫が帰宅してから、義理の両親も交えて家族会議をすることに。今度は『浮気をするつもりじゃなかった。B美も綾子もどっちも好き。だから浮気じゃない』と訳の分からないことを言ってました。義理の父に雷を落とされてシュンとする夫はまるで小学生のよう。自分勝手で考えが浅はかなんですよね」
離婚という選択肢は考えなかったのですか? と聞くと「2人の子どもの将来を考えると、目の前が真っ暗になりそうで。そういう先のビジョンを見通す余裕すらない感じ。今はこうして普通に話せますが、このときは涙がボロボロ止まらなくてしんどかったです。産後に行為をしなかった私が悪いのかな…って自分を責める気持ちもありました」と当時の心境を思い返してくれました。
独りよがりな恋愛がやめられない夫。愛人と別れさせるために義理の両親がとった苦肉の策についてはまた次回したいと思います。