共働き夫婦の家づくりで悩ましいのが、洗濯家事のためのプランニング。4年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、バルコニーをつくらず、洗濯物はすべて室内干しできる家にしました。延床面積30坪の小さな家ですが、廊下や脱衣所など5か所に室内干しスペースをつくることに成功。時間や天候を気にせず、快適に家事をこなしています。換気システムや片づけの動線など、採用してよかったことも紹介。

洗濯物はすべて室内干しでOKの家を建てたい!

筆者は妻と子ども2人(7歳、3歳)の4人家族。2019年にハウスメーカーで、2階建ての延床面積30坪ほどの注文住宅を建てました。

マイホームを建てる前は、賃貸アパートで暮らしていました。借りていた部屋は西向きだったこともあり、西日の影響大。とくに夏の西日は厳しく、干していた洗濯物の色あせが気になっていました。仕方なく洗濯物は室内干しするように。

しかし、古いアパートゆえ、除湿機をフル稼働させても、なかなか洗濯物が乾かず、とても苦労しました。ですから、新しい家では、天候や日差しの影響を受けず、室内干しでもしっかり乾く家を、建てたいと考えたのです。

 

バルコニーはつくらない方向で家づくりを開始

ハウスメーカー数社に話を聞いてみると、どのメーカーも洗濯物をすべて室内干しできる家を建てるのは可能のとこと。そして、室内干しできる家を建てると、家事が軽減できると言われました。

かくして、ハウスメーカーを決める前から、洗濯物はすべて室内干しにすることは決定事項に。外干しするバルコニーは、最初からつくらない方向で家づくりをスタートしました。

バルコニーをつけるのをやめようと思った理由は、もうひとつあります。じつは実家に大きなバルコニーがあるのですが、まったく使われていないのをずっと見てきたのです。

洗濯物は庭に外干し。間取りの関係でアウトドアリビングとしても使いにくいからなのですが、それでも汚れてしまうため、定期的に掃除は必要となります。

こんな経験から、マイホームではバルコニーをなくすことで、掃除の手間を減らしたいとも思ったのです。

室内干しスペースが全部で5か所ある間取りに

これができあがったわが家の間取りです。バルコニーをつくらない代わりに、室内干しができるスペースを1階と2階に、合わせて5か所に設けました。

 

上は5か所の室内干しスペースの使用頻度、干すものを一覧表にしたものです

洗濯物をすべて室内干しにすることで、時間や天候に関係なく、自分たちのタイミングで洗濯ができています。

夫婦共働きで、育児真っ最中のわが家にとって、夜でも雨の日でも、時間や天候を気にせず洗濯ができるため、とても助かっています。

快適な室内干しを実現するため気をつけた3つのこと

洗濯物をすべて室内干しするにあたって、わが家は次の3つのことを意識しました。

 

●除湿機能のある換気システム

わが家はオプションで除湿機能のある換気システムを採用しています。このおかげで、雨など湿度が高い日でも、室内の湿度は50%前後をキープ。ですから、からっと洗濯物が乾き、においも残りません。

写真は1階脱衣室での室内干しの様子。わりと密集しているように見えますが、夜に干したものが翌朝にはたいてい乾きます。

室内干しを考える際には、除湿機能のある換気システムを採用したり、エアコンや除湿機などで対応したり、なにかしらの除湿対策をあらかじめ考えておくといいと思います。

 

●充分な干すスペース確保

全5か所に室内干しスペースを設けたことで、普段の洗濯はもちろん、シーツなどの大物を洗濯しても対応できます。

室内干しスペースは「ちょっと多すぎるかな?」と感じるくらいに、確保しておいて正解でした。

 

●片づけの動線

ファミリークローゼットは設置していませんが、なるべく干す場所と片づける場所が近くなるように考えました。

ちなみにわが家が普段よく使う室内干しスペースは2か所。

まず、1階の脱衣室に干した洗濯物は、乾いたら脱衣室と隣にある洗面室に片づけます。そして、2階の廊下に干した洗濯物は、廊下から出入りできるウォークインクローゼットに片づけています。

写真は2階の廊下。この場所は、ウォークインクローゼットに近いだけでなく、子ども部屋の目の前という場所でもあります。ですから、子どもたちの服もここに干しておけば、子どもたちはすぐに自分の部屋に片づけることができる間取りになっています。

いずれも干す場所から数歩で片づける場所にアクセスできるため、とてもラクです。

洗濯物を室内干しにするデメリットは?

繰り返しになりますが、メリットはたくさんあります。時間も天気も関係なく洗濯ができること。梅雨の時期でも洗濯物がたまることがなくなりました。

洗濯物が多い日には、写真のようにダイニングに取りつけた物干しワイヤーも活用。保育園の布団やシーツなどの大物もばっちり干せます。

そして、子どもの様子に目を配りながら洗濯ができるのも、メリットとして実感しています。これはわが家のような子育て世帯には、魅力ではないでしょうか。

外で洗濯物を干していて、間違って子どもが内側からドアや窓の鍵を閉めちゃった、なんてトラブルの心配もありません。

強いてデメリットをあげるなら、生活感が出がちなこと。専用のランドリールームがあればよいのですが、わが家のように広さに制約がある場合、どうしても脱衣室や廊下を室内干しスペースと兼用することになります。

わが家の場合、ダイニングの物干しスペースがリビングから丸見えに。この場所は干す頻度が低いので、あまり気にしていませんが、人によっては考慮しておく必要があると思います。

もしまた家づくりができる機会があるとしても、迷わず洗濯物はすべて室内干しにすると思います。そのくらい、すべて室内干しを前提とした家づくりに満足しています。