自宅で露天風呂気分を味わいたい。でも、家を建てる場所は、周りを家に囲まれた住宅密集地。1年前にハウスメーカーで36坪の平屋の家を建てた日刊住まいライターは、目隠しフェンスとパーゴラで周囲からの視線をシャットアウトすることに。湯船につかりながら四季折々の坪庭と、空を眺めるバスタイムを満喫しています。浴室が広く感じる工夫も紹介。

露天風呂みたいなお風呂にしたい。でも周りは家だらけ

筆者は、1年前に大手ハウスメーカーで延床面積36坪の平屋を建てました。家族構成は夫と子ども1人(1歳)の3人暮らしです。

マイホームを建てたいと思ったときから、かなえたい夢がありました。それは露天風呂のように、庭を眺めながら湯船につかることのできる浴室。しかし、わが家の配置は、東西南北どの方向を見ても隣家が建っている場所です。

そして、最終的に決まった位置は、上の写真の場所。やはり、お向かいの家、お隣の家、斜め向かいの家、それぞれから丸見えになってしまう位置でした。

 

目隠しフェンスとバーゴラで視線をシャットアウト

ハウスメーカーからの提案もあり、浴室専用の庭を目隠しフェンスで隠す、という手法をとりました。

しかし、目隠しフェンスで囲っただけは不十分。斜め向かいの家の2階からも、わが家の浴室がのぞき込める角度にあったからです。

そこで、バーゴラ屋根と呼ばれる屋根で、上からの視線をさえぎることに。

バーゴラとはイタリア語の『ぶどう棚』が語源。その語源のとおり、一般的には植物などを絡ませて、日影をつくるために使われることが多いそうです。完全な日除けにならず、雨も通すので、庭に設置するのには適しています。

 

写真のように、板を縦に並べたような形状なので、斜め上の角度からは、まったくのぞくことができません。しかし、湯船につかって見上げると、昼は青空、夜は月や星を眺めることができます。

フィックス窓を採用して景色がよりクリアに

写真のように浴室には、縦130×横120cmの複層ガラスの窓を設置。その窓の先には2坪ほどの坪庭があります。日が落ちるとライトアップできるよう、照明もつけました。ですから、夜も坪庭が真っ暗にならず、浴室からの美しく眺めることができます。

坪庭には、ソヨゴ、オトメツバキ、シャラの樹を植えました。ですから、季節の訪れも感じさせてくれます。

そんな坪庭を一枚の絵のように見えるようにしたかったので、浴室の窓は開閉できないフィックス窓を採用しました。

窓をあけられると、外の風などを感じられて、気持ちがよいだろうとも思いました。しかし、ヤブ蚊などの虫が侵入してくるのはイヤ。ということで、ここはフィックス窓一択となりました。

 

フェンスはメンテがラクな木目調のアルミ&ポリカーボネイト製

坪庭を囲む目隠しフェンスは、タカショーのエバースクリーンという商品。木目調のアルミのフレーム(見た目は天然木だと勘違いしてしまうほどの風合い)に、ポリカーボネイトのパネルをはめ込んでいるので、周囲からも日差しを柔らかく取り込んでくれます。

フレームにアルミではなく天然木を採用したとすると、こまめにメンテナンスをしないと腐ってしまう可能性が。アルミ製の木目調のものを選んでよかったと思っています。

見上げるとバーゴラ屋根の隙間から空の表情が垣間見えます。

今後は、このバーゴラ屋根を藤棚のようにしたり、プランターをつり下げたりしても、すてきだろうといろいろな案を計画中しています。

扉は透明ドアに。洗面の鏡に映る坪庭の景色も楽しむ

フィックス窓から見える坪庭の景色を、浴室だけでとどめておくのはもったいないと思ったので、浴室の扉は透明ドアを採用しました。

こうすることによって、坪庭、浴室、洗面の3つの空間につながりが生まれました。結果、とても広い空間にいるような感覚に陥ります。

 

こちらは、浴室から見た洗面室です。横長の三面鏡の裏から漏れる間接照明が美しく、落ち着いた空間を演出します。

 

洗面室の三面鏡には、坪庭の緑が写り込みます。

 

じつはこの坪庭は、キッチンにも面しています。キッチンの壁には横長窓を設けたので、こちらからも植栽を眺めることができます。

実際に使用してみて失敗したなぁと思った点は

お風呂に入ったところまでは問題ないのですが、しばらく時間がたつと「予想外なことに、こんなことになるんだ」と思ったのが、窓が湯気で曇るということです。

とくに冬は、とても曇ります…。せっかくの坪庭でライトアップされた植栽も、ぼんやりとしか見えません。

曇り止めフィルムというものも存在するようです。しかし、曇り止め効果もそんなに長くないようなので、採用していません。なので、今のところ浴室から坪庭を楽しめるのは最初の5分程度といったところでしょうか。

せっかくの坪庭なので、しばらくは現状のまま、曇り止めスプレーを使いながら、入浴タイムを楽しもうと思っています。