70代の今も多くの映画やドラマで活躍しつつ、プライベートでは大好きな中国茶の産地を巡る旅に出たり、登山にチャレンジしたり…と、好奇心のおもむくままアクティブに過ごしている女優の風吹ジュンさん。

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趣味を楽しめるようになったのも、子育てがひと段落し、時間と心に余裕が生まれたから。「じつは4人の孫をもつおばあちゃんなんです」と、すでに家庭をもった子どもたちとも、よい関係性を築いているそう。今回は風吹さんに、祖父母世代が悩みがちな孫の世話、孫育てに「どこまで介入すべきか?」についてヒントをもらいました。

風吹ジュンさんに教わる、子や孫とよい関係を保つコツ

「息子と娘、それぞれ2人の子どもがいるんです。今は離れた場所で暮らしていても、スマホで顔を見ながらおしゃべりできるのがいいですよね。コロナ禍でなかなか行き来できない時期もあったけど、リモート通話で顔が見られるので寂しさはありませんでした。同世代のなかにはパソコンやスマホを敬遠する人もいるけど、私は便利なツールはどんどん試したいタイプなんです」

●息子夫婦の代わりに、お迎えに行くことも

子どもが独立した今も、「なにかあったときには助けになる存在でいたい」と風吹さん。それと同時に、ほどよい距離感を保つことも大切にしていると話します。

「みなさんそうだと思いますが、やっぱり息子の家庭と、娘の家庭では違いますよね。娘のサポートは遠慮なくできたとしても、息子の場合、姑である私のほうから一方的に踏み込むのは難しい。『ちゃんとあなたが間に入ってくれないと、いい関係にはなれないのよ』と息子に伝える必要がありますよね。そこは息子側の意識改革も必要だと思います。うちは幸い、息子が孫やお嫁さんを連れてひんぱんに遊びに来てくれたので、自然と距離を縮めることができました。息子夫婦が忙しくて保育所や学童のお迎えに間に合わない! というときは、私が代わりに行くこともありますよ(笑)」

●昔と今は時代が違う。価値観の押しつけはしない

とはいえ、昔と今では子育てに関する価値観も異なるもの。自分の考え方を押しつけることはしないと決めているそう。

「育児中の大変さはよく分かっているから、頼まれるのを待つだけじゃなく、私の方から積極的に手助けしたい。ただ、私たちの世代とは環境が違うということは忘れないでおきたいですよね。『私はこうやってきたから』と言いたくなっても、余計な口出しはしない。『これはどうしたらいいの?』とひとつひとつ相手に確認しながら、ていねいに積み重ねていくことが大事ですよね」

●未熟だからこそ、「教えてもらう」という姿勢で

困ったときは支えになりつつも、しっかりと相手の考えを尊重する。まさに理想的な親子関係といえそうです。

「それができるのはきっと、私が常に『自分は未熟だから』と考えているから。だからこそ、子どもや孫世代からも『教えてもらう』という姿勢でいられるんです。大切なのは、年を重ねても昔のやり方にこだわらず、自分の価値観を新しくつくり直していくこと。そうじゃないと、今の新しい時代をクリアできないと思っています」

『これからの暮らし by ESSE vol.06』(扶桑社刊)は風吹ジュンさんが表紙に登場! インタビューも掲載しています。