土地を購入して予算内で満足できる家を建てたい。それなら、割安な旗竿地を検討してみましょう。1年前にハウスメーカーで注文住宅を建てた日刊住まいライターは、旗竿敷地の南側に横長のLDKを配置し、北側にも光を届ける室内窓を設置するなど、4つの間取りの工夫で、明るくて開放的な家を建てることに成功しました。詳しく紹介します。

予算内で条件がクリアできる旗竿地を購入

わが家は筆者と夫、息子(8歳)、実母の4人家族。1年前にハウスメーカーで延床面積約38坪の2階建ての家を建てました。

予算を考えると、わが家の理想とする土地での建築は絶望的。半年間の土地探しに疲れてきた頃「旗竿地を受け入れれば、ほかの条件(利便性など)はクリアする」土地(上図)が現れたのです。

筆者は、「旗竿地=安いけど日当たりが悪い」というマイナスイメージがありました。しかし、ハウスメーカーの担当者に相談すると、間取りとちょっとの工夫で日当たり問題を解消できるとのこと。

そのひと言で、購入を決意。そして無事、予算内で日当たり抜群の明るい家を建てることができました。さっそく旗竿地でも光を取り入れ明るい家にできた、4つの工夫をご紹介します。

 

工夫1.LDKは吹き抜け+南側横長で窓を多く

わが家の敷地は、いちばん日当たりのいい南側に、家が2軒立ちはだかっています。ですから、通常の窓の大きさでは、明るさを感じることができません。そこで、太陽の光を最大限に取り入れるために、窓を幅いっぱいにとった横長のLDKにしました。

横長LDKにしたことで、リビングには縦長の引違いテラス戸、ダイニングには引違い窓の2つを設置することが可能に。これにより縦長LDKより、光を多く取り入れることができました。

 

さらに、ダイニングには吹き抜けをつくりました。この吹き抜けの上部には、FIX窓を3つ設置。この窓からも、2階部分から1階に光が降り注ぎます。この効果は絶大。天気のよい昼間は、ダイニングにいても、照明をつけているかのような明るさを保てています。

この2つの種類の異なる窓のおかげで、開放的な明るさを手に入れることに成功しました。

工夫2.白い壁紙で太陽の光を部屋に拡散

わが家の壁紙は、白がメイン。アクセントクロスも採用していますが、各部屋ネコの額ほどの狭さに抑えています。自然光や照明の光が白い壁紙に反射し、より部屋を明るく照らす効果を期待して、このようにしました。

結果、あまりにも明るすぎて、もう少しアクセントクロスを広範囲にしてもよかったかなと感じるほど明るいです。

 

工夫3.デッキに庇はなし。パラソルで明るさ調節

わが家はデッキに庇(ひさし)をつけていません。もし、庇をつけると、天気の悪い日はますます部屋に日が入らなくなり、暗くなってしまうはず。逆に庇がなければ、視界が開けて明るく感じるはずだと思ったのです。

そこで庇の代わりにパラソルを導入。まぶししい日のみ広げて、それ以外の日は閉じることで家の中の明るさを調節できる方法に。

結果、日が落ちるギリギリまでLDKから空を視界に入れることができ、明るさをキープできています。庇をつけていたら、まだ明るさを感じることができる午後4、5時でも、もう暗く感じることになっていたでしょう。

 

さらに庇をなしにしたことで、わが家は旗竿地なのに2階のバルコニーではなく、1階ウッドデッキで洗濯物が干せています。

工夫4.室内窓で2階北側まで光を届ける

1階北側には、光の影響を受けない水回りを配置しました。そして、2階北側には主寝室を設けました。この主寝室の窓の外には、北側から東側にかけて家が3軒立ちはだかっています。

朝日は東側からなんとか入るのですが、日中その明るさが持続するかが不安要素でした。そこで、ダイニングの吹き抜けしあるFIX窓からの太陽光を北側主寝室に入れるため、室内窓を導入しました。

 

上の写真は、寝室と吹き抜けの間につけた室内窓です。これで東から上る朝日をしっかり受けることができ、目覚めも快適!

日中も吹き抜け上部につけたFIX窓から室内窓を介して主寝室に、太陽の光をしっかり届けてくれます。

 

寝室側から室内窓を見ると、こんな感じ。明るいです!

わが家のように旗竿地は、ほかの土地に比べて日当たりはよくないケースが多いと思います。しかし間取りやちょっとした工夫で、周辺の土地と変わらないぐらい日当たりを確保することができました。

旗竿地は、一般的な方形の敷地と比べると安いケースが多いです。土地探しに行き詰ったら、旗竿地を候補に加えて選択の幅を広げてみるのも、ひとつの手かもしれません。