掲載:THE FIRST TIMES

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■ユニット史上、最高の熱気と盛り上がりを届けるスペシャルなステージ
7月にリリースされた5thアルバム『SuperBloom』を引っさげて行われていた、約2年ぶり(しかも声出し解禁!)の全国ツアー『LAWSON presents TrySail Live Tour 2023 “SuperBloom”』。そのファイナルを飾ったのは、2023年9月30日~10月1日、千葉・幕張メッセイベントホールで行われた2日間の追加公演だった。タイトルは『TrySail Live Tour 2023 Special Edition “SuperBlooooom”』。始まってみれば、序盤のMCで「体感10分くらい!あっという間に終わります!」と告げられていた通り、ユニット史上、最高の熱気と盛り上がりを届けるスペシャルなステージになった。その10月1日、DAY2の模様を振り返る。

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ユニットデビューから8年。常に完成度の高い歌とパフォーマンスを見せつけてきたTrySailが紡ぐスペシャルなステージは、アルバムでもオープニングを飾っていた華やかな「SuperBloom」から幕を開けた。軽快なスカのリズムにのせて一斉に振られるメンバーカラー=麻倉もものピンク、雨宮天のブルー、夏川椎菜のイエロー、3色のペンライト。同じ色を差し色に、キラキラと輝く衣装の3人が、オーディエンスの大声援に負けじと躍動。麻倉の「はじまりました、スペシャルエディション! 楽しんで行こうねー!」の声が、早くもクライマックスを感じさせる勢いだ。

息を継ぐ間もなく、「Re Bon Voyage」から「adrenaline!!!」まで、キャッチーでアッパーな6曲を立て続けにぶつける。メインステージからセンターステージまでランウェイを走り抜け、飛び跳ね、オーディエンスにマイクを向ける3人は、「みんなの声とクラップ、いっぱいに聞かせてくれー!」と叫び、大声で観客とコール&レスポンス。客席の熱とTrySailの熱が、渦を巻きながら混じり合う。昨日も同じハイテンションでフルライブを終えていることがまるで嘘のように、3人は元気いっぱいに約30分、歌いっぱなしのファーストブロックを駆け回る。

「こっちはもう(汗で)びちゃびちゃでーす!」と雨宮が笑いを誘い、息を切らしながら3人はセンターステージで挨拶。「このライブはノンストップで駆け抜けますので、皆さんの支え合いが大事。ひとつになるために、ここで円陣を組もうかな」と麻倉が告げて、会場全員で円陣コール「幕張ー!」「Sail Out!」の声を合わせる。夏川が「皆さんの全力を見せてください!」と呼びかけ、「昨日のステージで体はボロボロ」だけど「みんなからもらえるパワーで、パワーが湧いてくるから!」と3人が力を込めると、またも客席の熱が高くなる。

■3者3様の個性と音世界があるからこそ、TrySailとしての楽曲では、掛け算の魅力が爆発

ここからはまたノンストップで、今度は小粋なポップゾーンへと舵が切られる。ダンスのアンサブルも楽しいエレクトリカルな「ちゅるちゅわ」、フレッシュな「はなれない距離」、“ずっと ずっと 大好きだよ”というファンへのメッセージを込めた「flower」。ハートウォーミングなポップチューンでの3人は、優しく美しいボーカルワークで魅了する。続くソロパートも見どころたっぷり。雨宮が大人びた「マリアに乾杯」で妖艶なパフォーマンスを見せれば、夏川が「ハレノバテイクオーバー」でお得意のパワフルでパンキッシュなロックを響かせ、麻倉は持ち前のキュートなボイスを「ユメシンデレラ」で投げかける。3者3様の個性と音世界があるからこそ、TrySailとしての楽曲では、掛け算の魅力が爆発することを、改めて実感させてくれる。バラエティに富んだセカンドブロックを締めくくったのは、3人がドレッシーな衣装に着替えて披露された「Mermaid」。ラテンテイストの切ないメロディーと、衣装の裾を翻しながら舞うスタイリッシュなダンスが、エモーショナルな楽曲をビビッドに彩った。

■ハプニングを告白するたびに客席から笑い声が挙がるトークコーナー

ここからは、ツアー恒例となっていたファンから募集したお題に沿って話をするトークコーナーへ。福岡の名物「むっちゃん万十」に夢中だった夏川、名古屋公演の開演直前に衣装が破れて開演時間を遅らせてしまった雨宮、このMC直前の早着替えで衣装のパーツがなくなって大慌てした麻倉と、ハプニングを告白するたびに客席から笑い声が挙がる。そしてスタッフの粋な計らいで、オーディエンスから「ツアー完走、おめでとう!」の大歓声を全身で浴びた3人は、満面の笑みを浮かべて喜んだ。

エレガントなダンスとのびやかな歌声で切ないドラマを紡いだ「Lapis」からスタイリッシュな「Truth.」へとつながった本編ラストブロックでは、またもノンストップで8曲を熱唱。テンポアップし、強いビートの「誰が為に愛は鳴る」、掛け声が弾ける「High Free Spirits」、ハッピーな「Good Luck Darling」と、パワフルなナンバーが襲いかかる。そして華やかでオリエンタルな「Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-」、格闘アクションが楽しい「Sunsetカンフー」。極めて印象的な2曲のエスニックチューンから、アクセルを全開に踏み込んだ「華麗ワンターン」へ。「Hi!Hi!」「それ!それ!」とコールを叫ぶオーディエンスを、2つのステージを行き来しながら「もっと声出せー!」と煽る。8曲を疾走し、メインステージに戻った3人はよろけるようにその場にへたりこみ、肩を支え合いながらステージを降りていった。

ファンのアンコールを求める声に応え、再び3人はステージへ。真ん中で向かい合い、アカペラで歌声を重ねて始まったのは「遥かな航海」。仲間がいるから怖くない、道のない海を信じたルートで、未来に向けてどこまでも漕いでいこうと歌われるこの曲は、TrySailとファンの強い絆を感じさせてくれる。しっとりと感動的なバラードを届けた後は、客席全員がワイパーで一体となった「Etoile」と「ひかるカケラ」でもう一度、熱い風を吹き上げた。

「ステージに(夏川が倒れた時の)手形がつくような、出し切るステージなんて、過去にやったことがなくて。このツアーは今まででいちばんパワフルだったし、1公演1公演があっという間。いちばん短く感じたツアーでした。めちゃくちゃみんなのパワーを感じて、ツアーを完走することができました!」(雨宮)

「最初に言いましたよね? 体感10分でしたよね? 今回のツアーはシンプルに、みんなと“楽しい”を共有したなと思います。後は…みんなで高め合ったライブかな? パワーをもらって返して、また返して。戦いでもあり、支え合いでもあるツアーだったと思います。ほんとに幸せでした」(麻倉)

「皆さんの声が聞こえて、TrySailのライブはこうだったと思えるようになりました。ちょっと前までは、お先真っ暗で、いつ終わるのか分からない状態が続いていましたが、制限がある瞬間でもずっと大切に重ねてきたから、今この場所があるんだなと『遥かな航海』を歌いながら思っていました。海に道はないと言ってましたけど、星みたいな皆さんがいてくれるから、私たちも信じて進めると思っています」(夏川)

■多彩な楽曲で一気に駆け抜けたツアーファイナル

少し声を詰まらせながらファンへの感謝の言葉を伝え、届けた曲は幸せに満ちた「Follow You!」。さらにWアンコールでは、今年8月に『THE FIRST TAKE』にて公開された、もう一つのアレンジの「SuperBloom」で全ての力を注いで、ファンと心を通わせた。アルバム『SuperBloom』の“様々なジュエルが詰まった宝石箱”というコンセプトをしっかりと引き継ぎ、多彩な楽曲で一気に駆け抜けたツアーファイナル。麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜――3つのジュエルはTrySailという大切な宝石箱を、これからもキラキラと輝かせ続けることだろう。

TEXT BY 阿部美香

『LAWSON presents TrySail Live Tour 2023 "SuperBloom"』
2023年10月1日 幕張メッセイベントホール

SET LIST
1.SuperBloom
2.Re Bon Voyage
3.Favorite Days
4.Baby My Step
5.マイハートリバイバル
6.adrenaline!!!
7.ちゅるちゅわ
8.はなれない距離
9.flower
10.マリアに乾杯(雨宮天)
11.ハレノバテイクオーバー(夏川椎菜)
12.ユメシンデレラ(麻倉もも)
13.Mermaid
14.Lapis
15.Truth.
16.誰が為に愛は鳴る
17.High Free Spirits
18.Good Luck Darling
19.Ah! La Vie En Rose!!! -ア!ラ・ビ・アン・ローズ-
20.Sunsetカンフー
21.華麗ワンターン
アンコール
22.遥かな航海
23.Etoile
24.ひかるカケラ
25.Follow You!
Wアンコール
26.SuperBloom