手順を踏んでスキンケアしているのに肌荒れ…その解決策は

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 化粧水、美容液、乳液、オイル、パック…美肌に近づくための様々な基礎化粧品があふれているが、それらで何層にもわたって保湿ケアをしていても、”肌荒れ”する場合がある。それは、肌を守ってくれる角質層のバリアが保湿のしすぎによって破壊されてしまうから。「重ねすぎるスキンケアよりも、肌の力を引き出すようなシンプルなスキンケアです」と株式会社アイ・ドット・クオリティの内田智子さんは解説する。

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■実は賢い? 肌の「バリア機能」とは

 健康な肌には本来「バリア機能」が備わっています。乾燥や外的刺激による肌荒れから肌を守ってくれているもので、その役割を果たしているのが、肌の表面にある「角質層」と、その上をヴェールのように覆っている「皮脂膜」です。

 角質層は約0.02 mm という食品保存用ラップほどの厚さしかありません。でもその中には、保湿成分を含んだ細胞が重なり、細胞の間にはセラミドやコレステロールから成る脂質が満たしています。この角質層はとても優秀で、環境から判断して、乾燥している地域では肌を乾燥から守るために厚くなります。反対に湿度の高い地域では、そこまで乾燥から守る必要がないと判断し、角質層は薄くなっていくという調節の機能が備わっています。

 皮脂膜を作っている皮脂も同様に、肌が乾燥した状態だと増え、潤っていると抑えられるという賢い機能を持っています。

■スキンケアを重ねすぎている人が陥りやすい、肌荒れトラブル

 化粧水、乳液、美容液にオイルにパックなど、念入りにスキンケアをしているのに乾燥しているのは、”保湿のしすぎ”が原因であると考えられます。

 手厚いスキンケアを続けた場合、肌は「乾燥の危険がない」と判断し「バリア機能」をサボるようになります。角質層が薄くなり、皮脂も少なく、スキンケア成分で一時的に潤ったとしても「バリア機能」が弱っているので時間が経つと乾燥し、肌荒れしやすくなります。

 そのような状況になったときの対策として有効なのは「シンプルなスキンケアに切り替えてみる」ということです。

「肌が本当に必要としているのは、過剰な保湿よりも適度な保湿です。重ねすぎるスキンケアよりも、肌の力を引き出すようなシンプルなスキンケアです。肌の生まれ変わりであるターンオーバーが整い、「バリア機能」が正常に動き出したら、乾燥や肌荒れも気にならなくなります」

■「バリア機能」を守る、おすすめのスキンケア方法

・クレンジングを手早く行う

肌に摩擦を与えずにメイクを落とし、しっかりメイクの日はポイントリムーバーを使用します。

・洗顔は、泡で洗ってしっかりすすぐ

摩擦による刺激や黒ずみのリスクを減らすために、しっかり泡立てた弾力のある泡で、肌をこすらず洗い、泡が残らないようにしっかりすすぎます。

・定期的な角質ケア

ターンオーバーが乱れると、本来は自然にはがれ落ちるべき老化角質が表面に残り、くすみや黒ずみの原因になります。適度な角質ケアはスキンケア成分の浸透が促進され、明るく透明感のある肌を保つのに役立ちます。

・保湿アイテムは「セラミド」入りのものを選ぶ

セラミドは角質層の主要成分であり、角質層のバリア機能が強化され、水分を保持し、外的刺激から肌を守り乾燥を防ぐことができます。

・日焼け止めを塗る

紫外線は一年中、降りそそいでいるのでSPF30SPF30以下の日焼け止めを日常的に塗ることで紫外線による刺激から肌を守ります。

監修者/内田智子

敏感肌用スキンケア「肌〇(はだまる)」を製造・販売する株式会社アイ・ドット・クオリティにて、EC事業部/広報部を兼任

〈所有資格〉

日本化粧品検定1級

日本化粧品検定特級コスメコンシェルジュ