「全否定するのは筋違い」柔道の韓国女子の反則負けに賛否両論 中国メディアでも波紋「罰を受けるのは当然」

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アブジャキノワとの接戦のなかで、予期せぬアクシデントを起こしたイ・ヘギョン。彼女への批判が集まっている。(C)Getty Images

 国際舞台で起きたアクシデントが波紋を広げている。物議を醸しているのは、24日に行われた杭州アジア大会の柔道女子48キロ級の準決勝、イ・ヘギョン(韓国)とアビバ・アブジャキノワ(カザフスタン)の一戦だ。


 手に汗握る接戦が続いたなか、試合終了まで残り1分30秒だった。組み手争い中にイ・ヘギョンの右手が相手の顎に直撃。顔をしかめて痛がるアブジャキノワに対し、申し訳なさそうに手を挙げて詫びるジェスチャーを見せた27歳の韓国人戦士だったが、ふたたび騒動を起こす。

 ゴールデンスコアに突入して2分が過ぎたところで、イ・ヘギョンの手がまたもアブジャキノワの顔面にヒット。今度はその場にうずくまり、左目の下に出血したような赤く腫れた痕が見られたために審判が試合を中断。再開後に2つの指導をもらっていたイ・ヘギョンには、非スポーツマン行為による3つ目の指導が与えられ、まさかの一本負けとなった。

 コーチ陣を含めてジャッジに納得がいかない様子のイ・ヘギョンは、アブジャキノワが去った後も30秒以上も呆然と立ったまま。最後は審判団に礼を促されて、畳を降りると、悔し涙とともに会場を後にした。

 試合終了直後に当人が見せた悔し気な振る舞いもあって、イ・ヘギョンの接触プレーは海外メディアでもクローズアップされた。

 開催国となっている中国のスポーツメディア『捜狐』は「アジア大会で最も熱い論争は韓国の選手に向けられた」として一連の騒動を紹介。そのうえで「韓国のイ・ヘギョンが相手を平手打ちした行動には異論はある。だがしかし、彼女が犯したひとつのアクシデントで、韓国のスポーツマンシップの全否定するのは筋が通らない」と記した。

 一方で批判的な意見もある。地元紙『紅星新聞』は「プロの選手ならば、こんなにレベルのミスをするわけない」とし、ネット上で噴出したコメントを紹介。SNS上には「かなりひどく叩いていたと思う」「反則したら、罰を受けるのは当然だ」「相手は血を流していた」とイ・ヘギョンの行為を断じる意見が相次いだ。

 賛否両論が相次いだ行動で涙に暮れたイ・ヘギョン。一方で一本勝ちを収めたアブジャキノワは、角田夏実に敗れたものの、銀メダルを手にしている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]