エプソンが産業用スカラロボットのラインアップを一新 「GXシリーズ」全モデルが「GYROPLUS」に対応!産業用6軸ロボットのラインアップも拡充

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エプソン販売株式会社は、産業用スカラロボット「GXシリーズ」のラインアップを一新し、7月3日より受注を開始した。また、コントローラー内蔵の産業用6軸ロボット「VT6L」のラインアップ拡充も発表した。
同社の水平多関節(スカラ)ロボットは、12年連続世界シェアNo.1(産業用スカラロボットの2011〜2022年の数量ベース出荷実績において/株式会社富士経済「2012〜2023年版ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望」調べ)の実績を保持し、ユーザーのさまざまな自動化ニーズに対応している。
新商品の『GX4/GX8/GX10/GX20』は、「GYROPLUS Technology(ジャイロプラステクノロジー)」に対応。ロボットアームに超小型ジャイロセンサーを搭載し、動作中に生じるアームの振動を抑え、高速移動でも指定ポイントでピタッと止まる正確な制動能力を兼ね備えたモデルだ。力覚センサーシステムにも対応し、高速性が求められる搬送作業だけでなく、今まで人手に頼っていた、ねじ締めや、押し圧検査などの精度が求められる難作業にも対応する。
また、ロボットの安全規格である「ISO10218-1」に適合し、第三者認証機関から「NRTL認証」を取得。これにより、ロボットをより安全・安心に利用できるようになったとともに、エンドユーザーによるロボット装置としての安全認証取得が容易になる。


また、コントローラー内蔵の6軸(垂直多関節型)ロボット「VT6L」に、DC仕様モデルを追加した『VT6-A901S-DC』も「GXシリーズ」の新商品と同日に受注開始となっている。
●GXシリーズ新商品の主な特長
GXシリーズ新商品の主な特長は以下の3点となる。
●GXシリーズ全モデル「GYROPLUS Technology」対応
『GX10/GX20』は、従来機「G10/G20」に「GYROPLUS Technology」が対応したモデルだ。すでに対応済みの『GX4/GX8』に加え、今回新たに『GX10/GX20』が対応したことで、GXシリーズ全モデルが対応となった。「GYROPLUS Technology」は、エプソンのコア技術である水晶素材とMEMS技術の組み合わせにより生まれたジャイロセンサーと、ロボットアーム先端の振動をリアルタイムでコントローラーにフィードバックするロボット制御技術により実現している。

・速く動かし正確に止めることを可能にし、精密部品や電機電子部品に対して高精度で正確なアプローチを実現。・ロボットの動力を効率的に使えることで、ロボット筐体もコンパクトに設計。・今まで人手に頼っていた超精密部品へのアプローチが可能、生産性向上と工数削減に貢献。・シミュレーション通りの装置設計で設計時の手戻りをなくし、工数とコストを大幅に削減。■【動画】GYROPLUS Technology 紹介動画:

●安全規格「ISO10218-1」の第三者認証取得
NRTL認証の第三者認証機関である「TUV SUD」により安全規格「ISO10218-1」の適合認証を取得。産業用ロボットが組み込まれた装置を運用するエンドユーザーへ安全・安心を提供することが可能となった。

●ロボットコントローラーを刷新し、安全機能を強化
安全規格「ISO10218-1」に対応した安全機能を装備したロボットコントローラー「RC-700E」を新規投入し、GXシリーズに対応。また、統合ソフトウェア「EPSON RC+7.0」の有償オプションを使用することで、あらかじめ設定した安全領域内でエリアセンサーなどと連携し、ロボットを停止することなく安全に運用することが可能だ。なお、装置の安全性やリスク判断に関しては、エンドユーザーによるリスクアセスメントが必要となる。
●同商品の用途例
「EPSON RC+7.0」の有償オプションである安全速度監視機能(Safety-Limited Speed:SL)と安全位置監視機能(Safety-Limited Position:SLP)を併用することで、より安全でダウンタイムの少ない装置を実現する。例えば、人と同じスペースで協働作業を行う際に身体の一部が制限エリアに侵入したとき、ロボットが安全速度以下で運転するため、制限エリア内であればロボットを止めることなく作業が可能。加工機などでロボットを稼働させながら、作業員がワークピースを給除材する用途で活用できる。

【安全速度監視機能】Safety-Limited Speed(SLS):ロボットまたはロボットツールの速度が、あらかじめ設定した制限速度を超えていないことを監視する機能
製造業では、人材不足、事業継承などの課題が深刻化しています。また、ロボット導入には、費用やスペースなどの課題もあるが、同社のロボットは、省スペース・コンパクトなロボットのため、導入のための新たなスペース確保やレイアウト変更の必要がなく、現在の環境でも導入が可能だ。作業者の安全を守りながらロボットと一緒に作業することができるため、同社は、ユーザーの生産現場に合わせた省スペース・コンパクトなロボットで自動化を支援し、人手不足への対応、労働生産性向上実現を通して、社会課題解決に貢献していくと述べている。
▼【モデル名:GX4】:
最大可搬質量(負荷) 4kg アーム長250/300/350mm 標準価格(税別) 1,125,000円〜受注開始日2023年7月3日▼【モデル名:GX8】:
最大可搬質量(負荷) 8kgアーム長450/550/650mm 標準価格(税別) 1,565,000円〜 受注開始日2023年7月3日▼【モデル名:GX10】:
最大可搬質量(負荷) 10kgアーム長650/850mm 標準価格(税別) 1,715,000円〜 受注開始日2023年7月3日▼【モデル名:GX20】:
最大可搬質量(負荷)20kgアーム長850/1000mm 標準価格(税別) 1,915,000円〜 受注開始日2023年7月3日
●産業用6軸ロボット「VT6L」のラインアップ拡充
コントローラー内蔵の産業用6軸ロボット「VT6L」のラインアップも拡充する。「VT6L」は、可搬重量が6kg、アーム長は920mmで、電子・電気部品や自動車部品の人手による単純な搬送、組み立て作業などを自動化することに適した6軸ロボットのエントリーモデルだ。本体とコントローラーの一体化により、スペースが限られた場所でも設置可能。DC電源(定格48V)で動作する、新商品の「DC仕様モデル」は、バッテリー駆動が可能なため、AGV(Automatic Guided Vehicle:無人搬送車)などの移動プラットフォームへの搭載や、変種変量生産における工程変化に対応し、装置レイアウトを柔軟に変更することが可能。また、カーボンオフセットを実現するために自家発電装置を用いて蓄電している工場では、DC電源をそのまま利用することができるため、効率的に電力供給・運用ができ、環境負荷低減の生産現場の実現に寄与する。

●用途例


▼「VT6L」DC仕様モデルの概要:
主な特長・本体とコントローラーを一体化し設置性を向上・バッテリー駆動が可能(DC43〜60V/定格48V) モデル名VT6-A901S-DC最大可搬重量(負荷)6kgアーム長920mm 標準価格(税別) 1,480,000円受注開始日2023年7月3日
エプソンロボット詳細::
https://www.epson.jp/products/robots/