Yogiboヴェルサイユリゾートファーム(@Versailles_Farm)の投稿より

写真拡大

人気スマホゲーム「ウマ娘 プリティーダービー」が2023年5月19日、育成できるキャラクターとして「タニノギムレット」を実装した。

実装に際して、実在の同馬が暮らす引退馬牧場が「本馬の近くでガチャを引く、ゲーム画面と並べて撮影する等の行為は絶対にお止めくださいませ」などとツイッターで注意喚起している。投稿に至った背景を牧場に聞いた。

「ご来場予定の皆様にお願いがございます」

タニノギムレットは、2002年に開催された「第69回東京優駿(日本ダービー)」の優勝で知られる名馬だ。ウマ娘においては、23年5月19日に新たな育成ウマ娘として登場し、ファンの間で話題となっている。

登場が告知された18日、引退した同馬が暮らす牧場「Yogiboヴェルサイユリゾートファーム」(北海道沙流郡日高町)は、「トレンド2位になるなど話題にもなり、皆様からの喜びの声も聞くことができ、大変嬉しく思います」とツイッターで報告。一方で来場者に向けて次のように注意喚起した。

「ご来場予定の皆様にお願いがございます。タニノギムレット本馬の近くでガチャを引く、ゲーム画面と並べて撮影する等の行為は絶対にお止めくださいませ」

投稿では、キャラクターのパネルが場内に設置されている様子を写真で披露し、「ゲームに関係することはウマ娘パネルの前であれば可能でございます」とも述べ、下記のように配慮を求めている。

「馬たちがいつも通り穏やかに過ごすことができ、皆様も楽しめる環境作りへのご協力をよろしくお願い致します」

牧場のゼネラルマネージャー・白井健一氏は19日、同牧場で在籍中の馬がキャラとして実装されるのはタニノギムレットが初めてだとJ-CASTニュースの取材に話す。

一般にソーシャルゲームをめぐっては、作品のモデルとなった人物や関連施設など「聖地」とされる場所で、願掛けのようにガチャを引かれることがある。投稿に至った背景としては、ウマ娘について、ほかの牧場において馬の前でゲームをして騒ぐ事案が生じた、と耳にしたため、事前に注意喚起したものだという。

ルール守れば「大歓迎」、「ぜひ実馬を見てください」

馬は「怖がりな生き物」と白井氏は述べる。投稿で示したような行動をとった場合、ゲーム音が急に鳴ったり、人が大声を出したり、一時的に馬から目を離したりといった影響で馬の様子が変わり、「危険なことになってしまう可能性がある」。「人も馬も危ない」と訴える。

また、牧柵をたびたび蹴り壊す様子から「破壊神」の愛称を持つタニノギムレット。柵蹴りは習性のようなもので、馬としては人に危害を加えるつもりはないが、ゲーム画面に気を取られていると万が一ということもありうる。

ゲーム画面と並べて撮影する行為に関しては、SNSでバズり目的の動画などが拡散する可能性も懸念しているという。即座に、必ず、問題が生じるとは限らないが、「許してしまうとやりたい人がさらに来てしまう」と禁じた。

ウマ娘ユーザーや来場者の全員が馬に詳しいわけではないとし、「悪気なくやっても、実は馬には良くないこと」もある。牧場ごとのルールには「必ず従ってほしい」とする一方、下記のように来場を呼びかけた。

「こういうのはごく一部の方なのでウマ娘ユーザーを拒否してるわけではないです。来ていただけるのは大歓迎なんですよ、ぜひ実馬を見てください。凄く嬉しいことですし。ルールの中でやってもらう分には全然、見学は自由なので」