ビジネスシーンでよく見かける「追ってご連絡」というフレーズ。社会人であれば高い頻度で使う言い回しですが、なんとなくで使用している方も少なくないはずです。

本記事では「追ってご連絡」の意味や例文、追加連絡は何日以内にすればいいかなど、使い方のポイントを解説します。

「後日」などの類語やより丁寧な敬語表現、英語表現の他、返信や催促の仕方もまとめました。

「追ってご連絡」の意味や使い方、敬語表現などを解説します

「追ってご連絡」の意味とは?

「追ってご連絡」の意味は「近いうち、後ほど、後日に連絡する」です。

ビジネスシーンで使用されることが多いため、尊敬の意を表す接頭語「ご」が「連絡」に付け加えられています。敬うべき相手に対する自分の行為に「ご」を付けることで、相手への敬意を表します。

「追ってご連絡」の後には、「します」「いたします」「差し上げます」などを付けて使用されることが多いです。

「追ってご連絡」と相手に伝えた後、追加連絡をするまでの期間に厳密な決まりはありませんが、一般的には3日(3営業日)程度が目安とされています。

なお「折り返し連絡します」と混同して「追って」を「折って」と書いてしまう人がいますが、正しくは「追って」です。「追って」には、近いうちに、後ほど、後日といった意味があります。メールでの使用の際は、誤用や変換ミスがないよう気を付けましょう。

「追ってご連絡」の使い方のポイント・注意点

「追ってご連絡」を使うときのポイントをチェックしておきましょう

「追ってご連絡」は、先に交わした話題に対して、後から情報を補足する際に使用します。簡単に言うと、その場では決まらないこと、その時点では分からないことについて、分かり次第連絡をする旨を伝えたいときに使用するということです。

次回の会議の日程や、案件に対する上司の承認など、調整や決定に時間がかかる際、このフレーズは大変便利です。

○その場ですぐ回答できない場合に使う

例えば、取引先とのミーティング中に次回の日時を決める場面。日にちは決められましたが、当日の細かいスケジュールの確認が難しく、この場で時間まで決めることはできませんでした。

その際に「時間については追ってご連絡します」と付け足すことで、この後スケジュールを確認し連絡する旨を伝えられます。

「追ってご連絡」を使った後の追加連絡はいつまでにする?

先ほども少し触れたように、相手に「追ってご連絡します」と伝えた際、追加連絡に要する日数に関する厳密な規則はありません。しかし、当日から3日(3営業日)程度以内の返信が望ましいという考え方が一般的です。

また、採用面接に関する返事の場合は、1週間以上かかることも多いようです。

「追って」がどのくらいの日数を指すのか、人によって感覚はさまざまです。「○日中にご連絡します」「今週中にご連絡します」など、可能な限り、返答できる日にちの具体的な目安を伝えておくと親切でしょう。

○重要性・緊急性の高い案件の場合は使用しない

「追ってご連絡」を使用できるのは、回答に数日要しても問題ない場合のみです。急を要する場合には適切ではありません。

できるだけ早く回答しなくてはいけない際は「追って」ではなく「本日中に」など、具体的な日付を述べましょう。そうすることで、返答を待つ相手もその日程までに回答を得られることを見越して動けます。

また緊急性が高い場合は、「本日15時までに」「明日の正午までに」など、連絡予定の時間帯も含め、より具体的に述べるといいでしょう。

「追ってご連絡」の例文

「追ってご連絡」の例文を確認しましょう

「追ってご連絡」は、ざっくりとまとめると「今この場で回答できないことに対して後ほど回答する」際に使用できるフレーズです。

ここからはより具体的なシチュエーションとともに、例文をご紹介いたします。

○取引先へ使用する際の例文

「上司からの承認が下り次第、追ってご連絡いたします。」

取引先とのミーティングにて挙がった事項に対し、上司の承認が必要ですが、上司がこの場にいない場面での使用例です。また、メールでのやり取りなどにおいて、上司の承認に時間がかかる場面でも使用できます。

○日程調整に使用する際の例文

「次回の開催日程が決まり次第、追ってご連絡いたします。」

ミーティングやコンベンションなど、複数の人が関わるイベントは、その場で次回開催の日時を決めることは難しいものです。この例文を使用することで、次回の日程は後日連絡することを伝えられます。

○面接相手に使用する際の例文

「面接結果については、追ってご連絡いたします。」

質問が全て終わった、面接の締めくくりの場面における使用例です。社会人の多くがこのフレーズを言われた経験があることでしょう。面接において、その場で結果が伝えられることはまれなケースです。そのため、この例文は頻繁に使われます。

「追ってご連絡」の敬語表現とは

「追ってご連絡」のより丁寧な言い方を紹介します

前述のように、「追ってご連絡」の「ご」は、行為が及ぶ相手への尊敬の意を表す接頭語であり、「追ってご連絡」は既に敬語です。

しかし、「ご連絡」の後に使用する表現によって、さらに丁寧な印象を与えられます。その例をいくつかご紹介します。

追ってご連絡いたします

「いたす(致す)」は補助動詞「する」の謙譲語です。「お(ご)+動詞の連用形+いたします」と組み合わせることで、丁寧語の「ます」より、さらに敬意を示せます。

なお補助動詞の場合、公用文では漢字の「致します」ではなく、ひらがなの「いたします」が使用されるため、ひらがな表記の方がより適切といえるでしょう。

○追ってご連絡を差し上げます

「差し上げる」は「与える」「やる」の謙譲語です。物を両手で持って丁寧に上に移動させるようなイメージです。自分がへりくだることで相手への敬意を示します。

なお「与える」は一般的に目上から目下に対して使用されますが、謙譲語の「差し上げる」になると目下から目上に対してだけ使用されます。方向が逆となるため、混同しないようにしましょう。

○追ってご連絡させていただきます

「させていただく」「させていただきます」は、相手に許しを請い、ある動作を遠慮しながら行うことを意味します。「させてもらう」の謙譲語にあたります。

なお、この場合の「いただきます」も補助動詞となるので、「頂きます」と漢字にするのではなく、「いただきます」とひらがなで書く方が一般的です。

「追って」の類語・言い換え表現と違い

次に、「追って」の部分の類語を見ていきましょう。

○後ほど

「後ほど」は「しばらく時間のたったのち、近いうちに、そう遠くないうちに」の意です。

「追って」には「近いうちに、後ほど」以外にも「後日」といった意味があるため、「追って」より「後ほど」の方が、早めに追加連絡ができるようなニュアンスを持ちます。

相手によっては当日中の返答を期待する場合もあるため、注意しましょう。

○後日

「後日」は「翌日以降」の意味を持ちます。一方「追って」には、「後日」の意味もありますが、「近いうちに、後ほど」という意味もあるため、期間の捉え方は人によります。

本日中の回答は難しく、返答できるのは明日以降になる場合は「後日」を使用することで、本日中の回答はできないことを伝えられます。

「追ってご連絡」と相手から言われたときはどうする?

「追ってご連絡」と言われたらどうすればいいのでしょうか?

ここまで「追ってご連絡」を言う立場から解説しました。では「追ってご連絡します」と言われた場合はどのように対応すべきなのでしょうか。

「追ってご連絡」のメールに対する返信方法

メールに「追ってご連絡します」と記載があった場合、その事項の確認が終わり次第、向こうから連絡がきます。そのため、「追ってご連絡します」とあるメールへの返信は必須ではありません。

しかし、取引先や目上の相手には「かしこまりました。お待ちしております」や「承知いたしました。よろしくお願いいたします」のように、承知した旨の連絡をすると丁寧な印象を与えられます。

追って連絡がこない場合の催促の仕方

「追ってご連絡します」と記載がある際、連絡の催促をするのは最低3営業日程度たってからにしましょう。それ以前に連絡してしまうと、返答をせかしているように捉えられ、相手を不快にさせてしまう可能性があります。

しかし、業務上結論を急ぐ必要がある場合はその限りではありません。こちらの状況を説明した上で、早めに連絡をもらえないかメールや電話で確認してみましょう。

「追ってご連絡」の英語表現

「追ってご連絡」の英語表現も押さえておきましょう

グローバル化が目覚ましい今日、ビジネスにおいても海外とやり取りをする機会は増えています。高頻出のビジネスフレーズを英語で覚えておくことは近い将来大きなメリットになるでしょう。どれも難しい表現ではないため、ぜひ覚えておくことをおすすめします。

Let me get back to you on that.

「get back to you」は、後で連絡するという意味です。「on that」は、その件についてということを表しています。

I will contact you later on that.

こちらは、連絡するという意味の単語「contact」を使った表現です。「later」は後で、という意味です。

I will follow up with you.

「follow up」は追及する、追い打ちをかけるという意味もありますが、この場合は追って連絡するという意味になります。

○「追ってご連絡」を適切に活用しよう

社会人であればよく見聞きする「追ってご連絡」と言う表現について解説しました。

頻出のフレーズですが、意味や使い方をきちんと理解していないまま使用している人もいるはずです。本記事で学んだことを明日からの仕事に生かしていきましょう。