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歌手・声優の小林愛香が、12月7日に1st EP「syzygy」をリリース。楽曲・歌声の双方からハッピーさ溢れるパーティチューン「Happy ∞ Birthday」から、凄みのあるボーカルで歌うダークなクラブチューン「Gimme the mic, gimme the light」まで多彩な楽曲を5曲収録している。ライブやそこに足を運ぶファンの姿を意識しながら、新境地とも言える楽曲たちに彼女はどう取り組んだのか。その想いに迫る。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

リード曲「Happy ∞ Birthday」は、とびきりキュートでハッピーに!



――今年の10月から12月にかけては、EPと同じタイトルを冠したツアー<小林愛香 LIVE TOUR 2022“syzygy”>を開催されていました。

小林愛香 今回は「惑星直列」という意味のタイトルに沿って、プラネタリウムみたいなイメージのツアーを目指しまして。ナレーションで“星空お姉さん”みたいな人を登場させることで、宇宙や次の曲に繋がるイメージを膨らませたり、終演後もライブの余韻を楽しめるような、新しい試みも取り入れて構成させていただきました。

――今回は、バンドと一緒ではない形でのツアーだったんですよね。

小林 そうですね。Liand(=小林のファンの総称)のみんなが一緒にいてくれるとはいえ、ステージ上で後ろを支えてくれる方がいないという経験がこれまであまりなかったので、ちょっと不安に思うこともありました。でもツアーを回るなかで、1人だけど1人じゃないことを感じたといいますか……みんなと一緒に作り上げる空間が、すごく楽しくて。しかも、楽しみながら自分の身になっている感じもしたんですよ。だったら、これからもみんなとこういうことを続けていきたい。みんなで“最高”を更新し続けられるライブってすごく楽しいものだから、これからもそんなライブを目標に頑張っていきたいです。

――そのツアーでもEP「syzygy」でも、ダンサブルな曲が増えた印象がありました。

小林 私が「クールなダンスが踊れるような楽曲にも挑戦したいな」と前々から思っていたのもあって、このタイミングでかっこいいものをお届けするのもアリなんじゃないかな? となったんですよ。そのうえで今回の収録曲は全曲ライブを意識して作られてもいるので、コール&レスポンスができそうな曲もありつつ、声は出せなくても楽しめるように振付チックなものを入れ込んだ曲も多くなっています。

――これまでとは違ったかっこ良さも感じられる1枚になっている。

小林 そうなんです。もちろんアツくてロックな曲もすごく好きだし、ライブでも盛り上がるので楽しいんですけど、今回は初めてのEPということで、また違った部分を見せられたら……という気持ちもあって。その2種類のかっこ良さを繋げてくれるのが、アーティスト活動のなかで大事にしている“グラデーション”という言葉なんですよ。その言葉が繋げてくれるおかげで色んな世界を歌えているけれども、全部が“小林愛香”という軸の中のグラデーションの一部になっている……それってすごく素敵なことだと思うので、今後もその軸は残しつつ、グラデーションの中で遊べるだけ遊んでいきたいです。

――これまでとの違いといえば、「Happy ∞ Birthday」のような曲がリード曲になるのも初めてですよね。

小林 そうですね。本当にハッピーが溢れたとびきりかわいらしい曲というか……言ってしまえば“小林愛香のキャラソン”みたいなイメージが、私の中にはありまして。1回聴いたら頭の中でずっと繰り返しちゃうくらいにメロディがキャッチーだし、かわいいガヤのような感じの掛け声も入っているので、楽しい時間にピッタリの曲なんですよ。あと、この曲は最初、途中にラップも入っていたんです。ほかにラップの入ったヘビーな曲もあるので、トータルのバランスを見てこの曲では「楽しい!」に全振りすることになったんですけど、実はそのラップ部分のエッセンスも完成形に残っていまして……。

――どの部分にですか?

小林 曲の最後の、カメラのシャッター音です。ラップの中には“Say Cheese!”というフレーズがありまして、その“写真を撮る”ということが、すごくいいなぁと思ったんです。だって、嬉しいときって写真に残したいじゃないですか?それも、Liandのみんなとだから撮りたい。そんな「この特別な日を、残したい!」という気持ちを入れ込みたくて、実際に私が使っているカメラのシャッター音を曲の最後に入れさせていただくことになったんです。

――そのシャッター音を活かすことで、この曲ではライブならではの遊びもできそうですね。

小林 たしかに。例えば音に合わせてみんなで記念写真を撮ったりとか……アニバーサリー感の出る、素敵な使い方ができるかもしれませんね。

――そしてこの曲のMVもまた、今までとは違ったテイストのものになっています。

小林 今回はかわいいに全振りした、小林愛香史上一番かわいいMVになりました!メインになっているのはケーキをイメージした回転台の上に乗っているシーンで、固定カメラは上から撮っていただいたり、カメラと一緒に回ったりもしているんですよ。

――その回転台にはぬいぐるみ等様々な物も乗っているので、次々に見えるものが変わるところも面白いですよね。

小林 そうですね。映像作品としてもすごくカラフルでハッピーなものになっていますし、きっとファンの方だったら「あれ?」と思うようなものも隠されている……というか、私が入れ込んでみました(笑)。多分すぐ見つかっちゃう気がするんですけど、そういうものも探しながら、一度だけと言わず何度でも楽しんで観ていただけたら嬉しいです!



本作の経験も糧に、また“最高”を更新してくれるであろうZeppツアーへ



――さて、ここからは収録曲順にそのほかの新曲についてもお聞きしていきます。まずは1曲目「Holiday!!」ですが。

小林 私、勝手ながらライブを観に来てくれるみんなのことを友達だと思っていまして(笑)。この曲はそんな私とみんなの、肩を組んでいるくらいのフランクな関係性をベースにした、「ちょっとハプニングがあったとしても、うちらが一緒にいれば最強だから、きっと笑っちゃえるような特別な思い出になるよね!」というちょっと強気で楽しい曲になりました。そのカギになるのが、“うちら”という言葉なんですよ。

――歌詞に用いられるのは、結構珍しい言葉ですよね。

小林 これは、最初は全部「僕ら」だったんです。でも100%しっくりきた感じがしなかったところ、作詞のKanata Okajimaさんが“うちら”というワードを出してくれて、あいきゃんチームみんなが「それだ!」となったんですよ。やっぱりLiandのみんなとの心の距離が近づいた今だからこそ歌えるし、聴きたい曲なんだなと思いましたね。

――先ほど「フランクな」というお話もありましたが、歌声もすごく強く歌っているわけではなく、非常にナチュラルな印象がありました。

小林 私は普段曲をいただくときは基本的にはシンセメロの状態なんですけど、今回はKanataさんが仮歌を入れてくださったのもあって、イメージがすごく掴みやすかったんですよ。そんな新しいアプローチを通じて、また違った引き出しを開けてもらったように感じています。

――ということは、同じくOkajimaさんが作詞された「Gimme the mic, gimme the light」も、仮歌を聴いてからのスタートに?

小林 そうです!この曲ではKanataさんがレコーディングのときに、「もっと汚く歌っていいよ」みたいなディレクションをしてくださって。特に歌い出しは、クリック音とかもなく自由に何度か歌ったなかから、一番いいものを使ってもらったんですよ。なので、ここでもまた知らなかった自分の引き出しを開けられたような感じがしましたし、自分で聴いても鳥肌が立つくらい想像以上にかっこ良くなって……おかげでまた、すごく素敵な歌が爆誕してしまったな、と満足しています(笑)。

――そんなこの曲は、どんなテーマのもと生まれたものなのでしょうか?

小林 この曲では、「誰でも1人1人それぞれのステージがあって、いつでもライトを浴びて輝けるんだよ」というメッセージを伝えたかったんです。だから聴いていただいて「かっこいい!」と思ってもらいたいけど、同時に「自分も、輝ける!」という勇気も与えられたら……という想いを込めました。

――そしてもう1曲の新曲「HO! HO! HO!」は、リリース時期にドンピシャのクリスマスソングです。

小林 「HO! HO! HO!」というのはサンタさんの笑い声で、文字の感じとかもかわいくて好きですし、ライブとかでみんなでこのフレーズに合わせた振付とかができたらすごくいいだろうなぁと思って提案しました。ただ、16声くらい重ねた曲頭のコーラスは、音程を取るのが本当に大変で!最初は、も〜〜う挫けそうになりました(笑)。でも歌っていくなかでだんだん重なっていく自分の声を聴くと、形になってきているのを感じられて、最後まで頑張ることができました。

――サビでは“HO! HO! HO!”というフレーズが、すごく温かみをもって響いていますね。

小林 寒い季節の歌ですけど、その笑い声から温かい息みたいなものを感じる歌になったんですよ。なのでこの曲はきっと、みんなと一緒にいるなかで歌うからこそ輝く歌になるような気がしていますし、これからもこの季節になったら思い出すような、みんなの中での定番曲になっていったらいいなと思っています。

――さて、本作を引っ提げて、来年はZeppツアーを開催されることも発表されています。少々気が早いお話ですが、今の時点ではどういうものにしたいと思われているのか、お聞かせいただけますか?

小林 今回のツアーではステージとみんなとの距離が物理的に近い会場が多かったのですが、Zeppツアーでもみんなとの心の距離は変わらないものにしたいです。具体的にはまだ何も決まっていませんが、変わらず楽しい、小林愛香にしかできないライブにはしたいですね。あと、みんなといるから私も高まるし、私が高まってるからみんなもさらに高まる! みたいな相乗効果がどんどん起こる、最高をずっと更新し続けられるライブにしたいなと思っています。もちろん「syzygy」を聴いてきてくれたらすごく嬉しいですけど、もし「小林愛香のワンマンに行ったことがない」という方が事前予習なしで来ても楽しめるぐらいのものにもしたいので……ぜひ、ふらっと遊びに来てください!

●リリース情報

「syzygy」(シジジー)

12月7日発売

■mora

通常/配信リンクはこちら

【初回生産限定仕様(CD+BD)】



品番:TFCC-86884〜86885

価格:¥3,300(税込)

【通常盤(CDのみ)】



品番:TFCC-86886

価格:¥2,200(税込)

<収録曲>

M1:Holiday!!

作詞:Kanata Okajima 作曲:田代智一 編曲:Teje

M2:Gimme the mic, gimme the light

作詞:Kanata Okajima 作曲:田代智一 / Kanata Okajima 編曲:Teje

M3:HO! HO! HO!

作詞:松本有加 作曲:田代智一 編曲:やしきん

M4 :MI-RA-I miracle circle 「MI-RA-I miracle circle」 NHK Eテレ TVアニメ『宇宙なんちゃら こてつくん」主題歌)

作詞/作曲/Q-MHz 編曲:佐伯youthK

M5:Happy ∞ Birthday

作詞:PA-NON 作曲:田代智一 編曲:岩崎隆一

<BD>

「Happy ∞ Birthday」ミュージックビデオ、インタビュー収録

●イベント情報

リリースイベント

12/2(金):HMV&BOOKS SHIBUYA 19:00〜

12/9(金):タワーレコード 梅田NU茶屋町店 19:00〜

12/11(日):AKIHABARAゲーマーズ本店 12:30〜

12/11(日):HMVエソラ池袋 19:00〜

●ライブ情報

小林愛香Zepp TOUR 2023 “syzygy”

2023年4月13日(木)Zepp DiverCity Tokyo

2023年4月15日(土)Zepp Nagoya

2023年4月23日(日)Zepp Namba

2023年5月2日(火)KT Zepp Yokohama

関連リンク



小林愛香 公式サイト

https://kobayashiaika.jp

小林愛香 公式Twitter

https://twitter.com/aikyan_

小林愛香 公式YouTube

https://www.youtube.com/channel/UCNG7L36HtofjQk0FduxLxpw