巨大隕石が衝突するとすさまじい被害が出ることは理解していても、実際にどれほど隕石が恐ろしいのかを実感するのは難しいもの。そんな隕石衝突について、隕石のサイズ・速度・角度・落下地点を自由に設定し、隕石衝突でどれほどの被害が出るのかをシミュレーションできるツールが「Asteroid Launcher」です。

Asteroid Launcher

https://neal.fun/asteroid-launcher/

公式ページにアクセスするとこんな感じ。左から中央部に地図が表示され、右端のタブに隕石の種類、直径(Diameter)、落下速度(Speed)、衝突角度(Impacr angle)が表示されています。まずはデフォルト設定の「Iron Asteroid(鉄の隕石)、直径500m、落下速度17km/s、衝突角度45度」で、隕石衝突をシミュレーションしてみることにします。



地図上で落下地点を選択し、「LAUNCH ASTEROID」をクリック。



すると、地図の上に丸い光が現れて隕石が衝突。



後には大きなクレーターが残りました。



地図を拡大・縮小することで、地図上のどのあたりがクレーターの境目になっているのかを見ることができます。



また、右端のタブで隕石衝突の詳細な情報を知ることが可能。今回の衝突で生じたクレーターはなんと直径9.7kmであり、クレーター内に住んでいたため衝突と共に蒸発してしまった人は推定104万2000人、クレーターの深さは583mとのこと。衝突によって生じたエネルギーは台風が1日に放出するエネルギーに匹敵し、このサイズの隕石が地球に衝突するのは16万6000年に1回しかないそうです。



スクロールすることでさらに情報を見ていくことが可能。衝突によって直径15kmもの火球が発生し、556万6506人が死亡、III度熱傷を負う人々は57万5517人、II度熱傷を負う人々が135万6799人とのこと。また、直径62km圏内にある衣服は着火する可能性があり、127km圏内の樹木も燃える可能性があるそうです。



隕石衝突による衝撃波は241デシベル(dB)であり、衝撃波による死者数は480万4562人、44km圏内にいる人々は肺がダメージを受け、57km圏内にいる人々は鼓膜が破れる可能性が高いそうです。99km圏内にあるビルや133km圏内の家屋も壊れる可能性があるとのこと。



瞬間最大風速は4km/sに達し、突風により304万3117人が死亡すると推定されています。30km圏内に吹く風は木星の嵐よりも速く、48km圏内の家は平らになってしまい、86km圏内では竜巻の強さを表す改良藤田スケールで最高レベルのEF5に達する風が吹き、142km圏内の樹木は倒れる可能性があるとみられています。



そして、衝突によってマグニチュード7.2の地震が発生し、4万1158人が亡くなり、地震の揺れは242km先まで届くそうです。



今回はニューヨークに比較的大きな隕石が落下したということもあり、すさまじい被害が生じてしまいましたが、衝突地点や隕石の大きさによって被害は変わってきます。別の隕石落下をシミュレーションしたい場合は、右端タブの下にある「LAUNCH ANOTHER」か地図右上にある「NEW」をクリック。



隕石の直径(Diameter)、落下速度(Speed)、衝突角度(Impacr angle)はそのままで、落下地点を人が少なそうな場所にしてみます。



すると、クレーター圏内にいたため死亡する人の数は55人という結果に。もちろん、これでも悲惨な被害であることに変わりはなく、火球や衝撃波などでさらに数万人単位の人々が亡くなってしまいますが、落下地点の人口密度によって被害が大幅に異なることがわかります。



次は隕石の直径を70m、落下速度を10km/s、衝突角度を10度に設定してみます。



その結果、隕石は地表に衝突することはなく、地上11kmの地点で爆発するという結果に。



それでも衝撃波で197人、突風で4万4821人が死亡するという推定が出ています。



また、隕石の種類も「Iron Asteroid(鉄)」「Stone Asteroid(岩石)」「Carbon Asteroid(炭素)」「Comet(彗星)」「Gold Asteroid(金)」などから選択可能。これまでは鉄隕石で衝突させてきましたが、試しに「直径500m、落下速度17km/s、衝突角度45度」の条件で岩石隕石を衝突させてみます。



隕石の種類が変わると、被害にも違いが現れます。



日本の東京に直径150m、落下速度17km/s、衝突角度45度の炭素質隕石が落下した場合をシミュレーションしてみるとこんな感じ。クレーターの直径は1.3kmで4656人がクレーター圏内にいたため死亡し、衝撃波や突風で合計70万人以上が死亡すると推定されています。



「Asteroid Launcher」はさまざまな条件で隕石を衝突させ、推定される被害を見比べることで、隕石の脅威をまざまざと実感できるツールとなっていました。