「乗っててとにかく気持ちいい!」メイプル超合金・安藤なつ、“今彼”・ ファットボーイを誰にもまたがらせたくない理由

最近は颯爽とバイクにまたがり、おしゃれにカッコよく愛車を乗り回すバイク女子たちが急増中。お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつ氏は、バイク人生ほぼ四半世紀という筋金入りのバイク女子。彼女がバイクを愛するきっかけやバイク人生について聞いた。

大きなアメリカンバイクで颯爽と現れたのは、お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつ。憧れのライダー・峰不二子(『ルパン三世』)を意識して作ったというつなぎに身を包み、バイク人生、バイク愛を語り尽くしてくれた。

バイクは、誰にもまたがらせたくない彼氏!

──バイクに目覚めたきっかけはなんですか?

小学4年生、10歳のときに映画『AKIRA』(1988年公開)を母親と観に行ったんです。主人公・“金田”と対立している暴走族“クラウン”のリーダー・“ジョーカー”が乗っていたバイクがめちゃめちゃカッコよくて「乗りたい!」って思ったのがきっかけでした。

──「アニメ」がきっかけとは意外ですね。最初に乗ったバイクは何でしたか?

16歳で原付免許を取って、親にホンダのライブディオZXを買ってもらって乗ってました。シルバーとゴールドが混ざったような色のスクーター。高校通学で乗ったり、友だちと一緒に近所をグルグル回ってましたね。

──愛車に名前とかあだ名ってつけてましたか?

えっ、つける人いるんですか? 自分はしてませんが。ただ(ZXを)彼氏だと思っていたんで、あまり他人にまたがらせたくはなかったです(笑)。

──いやいや愛車を彼氏だと思うっていうのも、相当だと思いますが(笑)。

だから、友だちがまたがったら、すぐに自分もまたがるようにしたり、なるべく乗せないようにしてました(笑)。

自分は打撲程度だったが、バイクはオシャカ……

──免許を取ってバイクに乗ることに家族は反対しなかったですか?

まったくなかったですね。元々、父親も中免を持っていてバイクに乗ってたんで。記憶はないですけど、たぶん小さいときに後ろに乗せられていたと思う。

──お父さんとのエピソード、そこは覚えておいてください(笑)。中型免許はいつ頃?

20歳で中免を取って、介護の仕事で夜勤とか一生懸命やって、貯めたお金でヤマハのドラッグスター400を買いました。ほとんど走行距離がない新古車(未使用車)だったかな。

当時同居していた同級生と二ケツして、夜中にドンキ(ホーテ)行ったり、ドライブしたり。よく行っていたドンキは駐車スペースに着くまでのスロープが赤いネオン(LEDライト)になっていて、走るとジェットコースターみたいで最高だったんです。

──そういうドンキありますよね……。でもスロープはジェットコースターというほど長くはないですよね。というかむしろ短いような(笑)。ドラッグスターはどのくらい乗ったんですか?

ドラッグスターは10年近く乗ったんですが、事故で廃車になっちゃったんです。タクシーが路肩に停車したので、そのまま行ってもOKだと思って直進したら急にUターンしてきて、バーンとスゴい衝撃でぶつかって、一瞬死んだかと思いました。

なのに、打撲程度で済んだんですよ(笑)。でもバイクはフレームがイカれてしまいジ・エンドになりました。

──フレームは曲がったのに、体は無事でよかったですよ! その後、バイクに乗らなくなった時期があったそうですね?

渥美清さんが「一生たばこを吸わないので仕事をください」って祈願したことで有名になった小野照崎神社(東京・台東区)に行って、自分も「売れるまでバイクに乗りません」とお願いしました。

2004年に芸人デビューして、ちょこちょこテレビに出ていた時期もありましたが、なんやかんや10年近く芸人としてはくすぶっていましたから。バイクに乗っている場合じゃないだろって。

乗っててとにかく気持ちいいです!

──意外に真面目なんですね(笑)。『AKIRA』のジョーカー以来、憧れだったハーレーデビューはいつだったんですか?

36歳のときに大型二輪免許を取って、限定900台というハーレーダビットソンのファットボーイ115thを、一生懸命仕事して貯めたお金で買いました。

──念願のハーレー。乗り心地はどうでしたか?

初めて乗ったときに、新車だからタイヤがヌルヌルしてて(笑)。馴染んでいないので、横滑りするような感覚でした。納車式のあとすぐに、知人から「慣らしに行こう」と言われて、ヌルヌル走行でお台場まで走りましたね(笑)。

慣れてからは、何しろ軽自動車の3倍の1866ccなんで、馬力があってスタートダッシュもよく、乗っててとにかく気持ちいいです。

ロゴの入ったお気に入りのタンク

──ファットボーイは男らしいルックスですが、どうして選んだんですか?

映画「ターミネーターⅡ」のシュワちゃん(アーノルド・シュワルツェネッガー)の影響ですね。なんたって、ファットボーイに乗って、ショットガン片手にクルクル回すんですから。かっこよすぎる。

──最近筋トレをやっていると聞きましたが、まさかターミネーターになろうとしているんですか?

そんなことはないですけど(笑)。マヂカルラブリーの野田(クリスタル)くんのジムに通って、パワーアップしていることは間違いありませんが……。

──着ているつなぎはどうやって手に入れたんですか?

RG(レイザーラモン)さんのツーリングクラブで色々と情報を教えてもらって、ロアーズオリジナル(モーターサイクルファッションのブランド)でフルオーダーしました。60万円ちょっとかかりましたね。

それまでは夏は暑い、冬は寒いという格好でやせ我慢して乗ってましたから。これは革でできていて、暑さにも寒さにも強くて、最高です。「峰不二子」って呼んでます!

南キャンのしずちゃん、尼神インターの渚ちゃんにも!

──芸能界でのツーリング仲間は?

RGさんもそうですし、おぎやはぎの矢作さんとは番組でプチツーしました。芸人仲間とはお台場や横浜まで行って、コーヒー飲んだり、ランチしたりすることが多いかな。それぞれの愛車にまたがらせてもらってます。

もちろん自分のは、またがらせませんけど(笑)。

ハンバーグ師匠(井戸田潤)の愛車“SLP(注1:ソープランドピンク号)”に乗せてもらったことがあるんですけど、めっちゃ乗り心地がよかったです。

注1:『アメトーーク!』(テレビ朝日)のバイク芸人企画で、チュートリアル・徳井義実がそのいやらしいピンクのボディカラーから着想して命名したカスタムハーレー。芸能人のバイクで最も有名と言っても過言でない。

あとは、渡辺直美ちゃんを後ろに乗せて、ごはんに行ったことも。降りたあと、「フー」って言ってたから、楽しんでもらえたんじゃないでしょうか(笑)。

──相方のカズレーザーさんも後ろに乗せることはある?

若手の頃は、ネタ合わせしたあと、二ケツでそのままライブに行くってこともありました。

──安藤さんの体型でハーレーに乗っていると、周りの人にすぐ身バレして、大変じゃないですか?

絶対にバレてないって思ってたんですよ。でもラジオ番組への通勤中に、手を振られたり、「ラジオ聞いてるよ」って声がかかることがあるんですよ。「なんでわたしって分かるのかな?」って、すげー謎なんですけど。

──いや、その独特のフォルムで絶対バレますよ(笑)。

シルエットなんですかねぇ。でも、わたしって一瞬で分かります? 他に体型のデカいヤツなんかいっぱいいるでしょ。

──なかなか出会わないですよ(笑)。最後に、是非バイクに乗って欲しい芸人はいますか?

この間、モグライダーの芝ちゃんに「(バイクの)免許取りなよ」って勧めました。あの髪型ですから、絶対似合いますよね。アメリカンなんかに乗ったら、映えて映えてしょうがないはず。尼神インターの渚ちゃん、南キャンのしずちゃんとかも絶対にいい。

取材・文/集英社オンライン編集部