5つの画質定量評価項目の1つ「ノイズ(スジ・粒状性)」キヤノン株式会社は、キヤノングループの技術を解説する「キヤノンテクノロジーサイト」で「プリント画質定量評価技術」の紹介ページを公開した。高速デジタル印刷機の高画質化を実現するために取り組んだ「人がどう感じるか」を点数化する評価・シミュレーション技術の開発にまつわる内容。主に印刷・デザインに関する仕事に携わる人々にとっては、特に興味深いコンテンツとなっている。プリンタを開発する際には、さまざまな段階で「画質評価」が実施される。だが、従来は画質をどのように評価するかは「人が感じる印象」という主観を完全に頼りにしていた。1960年代から電子写真方式、1970年代からインクジェット方式とデジタルプリントの根幹となる技術を開発してきたキヤノンは、「画質評価技術」についてもしっかり確立することが必須であると感じ、早くから開発に着手。主観ではなく数値で基準を表すこと(定量化)を目指し、人が感じる画質印象を「ノイズ(スジ・粒状性)」「文字ライン」「シャープネス」「色」「光沢」に分解して5つの評価項目として設定した。それぞれの評価項目を端的に表現した評価チャートを作成し、それを基準に主観評価を行うことで、信頼度の高い評価値を項目ごとに取得。さらに、スキャナや測色器などでの「計測器の読み取り特性」と「人の視覚特性」の対応関係を測定した。それらの結果を用いて「計測値」を「主観評価値」と対応させる変換手法を各評価項目に定義。画像の計測値から「人が感じる画質印象」を数値化できるようになったという。同社では、これらの「画質定量評価技術」をベースに高画質化を追求して、印刷物の「スジ」や「粒状性」の課題も解消。今回の特集ページでは、上記のような技術を用いて製品化された「varioPRINT iXシリーズ」についても紹介されている。「varioPRINT iXシリーズ」キヤノン株式会社
URL:https://global.canon/ja/
2022/11/24