静岡県下田市の白浜大浜海水浴場でパラソルのレンタルをしていた市民を脅し、業務を妨害したとして暴力団の幹部らが逮捕されました。伊豆半島有数のビーチでは、近年、治安の悪化が問題となっていました。

夏、多くの海水浴客でにぎわう下田市の白浜大浜海水浴場。関東などから多くの客が来るこの有名なビーチが今回、事件の舞台となりました。

威力業務妨害の疑いで逮捕されたのは、指定暴力団稲川会八代目大場一家の総長の男(57)と幹部の男(56)です。

警察によりますと、2人は他数人とともに8月7日午前11時半ごろ、下田市白浜の白浜大浜海水浴場でパラソルなどをレンタルしていた市民を脅して、業務を妨害した疑いがもたれています。

脅し文句はこうでした。

「市は金使って警備入れてるのに入れ墨入れたやつ、いっぱい来てるじゃねえか」

いったい、どういうことなのか。白浜大浜海水浴場では、近年、治安の悪化が問題となっていました。

<天野貴弘記者>

「海岸には違法業者の営業・勧誘の禁止を記した看板が設置されています」

この海岸では近年、違法行為を繰り返すパラソル業者の存在が指摘されていて、今回、逮捕された2人はこの違法業者とつながりがあり、いわゆる「みかじめ料」を得ていたとみられています。

ところが、今年、下田市などは民間の警備会社を雇い、規制の強化に着手。これにより「みかじめ料」が入らなくなったと怒った暴力団側が嫌がらせとして、業務妨害に及んだということです。

<地元住民>

「いい方向に行っているんだろうなと、これが続けばいいなと。地元の子も、お客さんみんなが安心して楽しめるようになったらいいなと思っている」

警察は今回逮捕された2人の他にも共犯者がいるとみて、行方を追うと同時に、今後、行政などと連携し、暴力団の排除を進めるとしています。