以前からMicrosoftは、独自のポイントプログラム「Microsoft Rewards」を運用してきた。Microsoft Storeでの製品購入や、Microsoft Bing(以下、Bing)の検索、Xboxのゲームを楽しむとポイントがたまり、Amazonギフト券やMicrosoftギフトカードとの交換、Xbox Series SやSurfaceキーボードの抽選に応募できる。

Microsoft Rewardsの公式ページ

筆者もMicrosoft StoreでSurfaceを購入したときにポイントが付与されたのを見て、「単なる自社ECサイトのポイント」との認識で特に気にも止めてこなかった。だが、開発チャネルが異なるMicrosoft Edge利用時に、既定の検索サイトであるBingで検索を行うと、ポイントが増えることに気づいた。

現在のポイントはMicrosoft Edgeの「新しいタブ」でも示される

国内からもポイントの蓄積やアイテム交換を利用できたが、欧米以外では交換商品の種類も少なく、Microsoft Rewardsを全面的に押し出す印象を持てなかった。しかし最近は先のBing検索と同様に、各所でMicrosoft Rewardsをためるプログラムを目にする。理由はMicrosoft Rewards利用可能地域の拡大だろう。

正確な日時は不明だが、サポートページによれば、本稿執筆時点で58地域がMicrosoft Rewardsプログラムの対象地域となっている。日本は以前から対象に加わっていたが、対象地域の拡大に伴って本腰を入れたと見てよさそうだ。

Microsoft Rewardsのポイントで交換できる商品の一部

ポイント目的に何度かBing検索を試してみたところ……個人的な理由で少々厳しい。ダークモードに慣れた目には、Bingの白い検索結果がまぶしすぎる。不要な検索結果はuBlacklistで表示を抑制できるが、PCからアクセスした場合はダークモードを選択できない(Googleは選択可能)。

AndroidデバイスからBingを利用する際はダークモードを選択できる

実はMicrosoft Edgeの「試験段階の機能」である「Auto Dark Mode for Web Contents」を有効にすれば、強制的にダークモードを適用することもできなくはない。ただしすべてのサイトが対象となるため、コンテンツを正しく表示できないWebページが出てきてしまう。まだ、解決策とはいえない。

「Auto Dark Mode for Web Contents」有効時のBing

Microsoftの消費者向け製品やサービスは、使いこなそうと一歩先に進むと「かゆいところに手が届かない」ことが多い。Microsoft Rewardsに限定すれば、Bing検索を実行する「ポイント活動」を日々提供しているため、試しているうちに「では、Bingに切り替えるか」と思っても、壁に阻まれてしまう。個人的な理由ではあるが、筆者がWeb検索にBingを用いるのは先になりそうだ。

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら