コード自動入力AI「GitHub Copilot」は「開発者のコードを勝手に売りさばくサービス」という指摘
ソフトウェア開発プラットフォームのGitHubは、AI開発団体のOpenAIと協力してコードの続きを記述するAI「GitHub Copilot」を開発しています。2021年6月21日からはGitHubの全ユーザーがGitHub Copilotを利用可能となりましたが、このGitHub Copilotについて「学習元となったソースコードの著作権を侵害している」とする指摘が相次いでいます。
github copilot is incredible. it just sells code other people wrote, but because it's an "AI" it is apparently allowed to launder that code without it being a "derivative work". lol. lmao. what an amazing grift.— Senior Oops Engineer (@ReinH) June 22, 2022
GitHub CopilotはPythonやJavaScript、TypeScript、Ruby、Goなど数十のプログラミング言語に対応したコード自動補完AIで、ユーザーが記述したコードの続きを予測して自動入力してくれます。GitHub Copilotはバージョン違いのコードやベストプラクティスから離れたコードを記述する場合があるため完全に人間の代替となるものではありませんが、経験を積んだプログラマーにとってはコーディングのサポートに有用であるとして高く評価されています。
GitHubのソースコードで学習したプログラミングAI「Copilot」は著作権侵害なのか? - GIGAZINE
GitHub Copilotが全ユーザーに開放された後、新たにソフトウェアエンジニアの@ReinH氏は、コードの再頒布時にクレジット表記を求める「MITライセンス」などのライセンスが付与されたコードがGitHub Copilotの学習に使用されていることや、GitHub Copilotで学習元のコードがそのまま表示されるという例をあげて、GitHub Copilotを「他人が書いたコードを勝手に売るサービス」と非難しています。
reminder that
1. The MIT license, the most popular license on github, requires attribution
2. Copilot has been shown to reproduce substantial portions of its sources verbatim— Senior Oops Engineer (@ReinH) June 22, 2022
加えて、@ReinH氏はGitHubを所有するMicrosoftが多くの弁護士を抱えていることを指摘し、開発者がGitHub Copilotの問題点を訴えることには大きなコストがかかると主張しています。
github will probably get away with this - they have a lot of lawyers on retainer - but legal is not the same thing as ethical— Senior Oops Engineer (@ReinH) June 22, 2022
@ReinH氏の発言には多くの開発者が同意しており、ニュース共有サイトのHacker NewsにはGitHub Copilotの学習から自らのコードを除外するオプションの提供を求める意見が投稿されています。一方で「著作権的に問題があったとしても多くの開発者は利便性の高さから目をつぶるでしょう」という意見も存在しています。