ガンビア料理店を切り盛りするYOU、過去には美容師としてプロ野球選手を担当?「東京五輪」にも出場した彼女の正体は!?:YOUは何しに日本へ?

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日本を訪れる外国人たちを、空港や街でアポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(夜6時25分〜)。今回のテーマは、「お腹もマンタんに激レアのYOU 祭りSP!」。激レアなグルメ&お宝&海の巨人!?を目指すYOUたちに心がヒタヒタ満タンになる95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?


空港を飛び出し、日本全国の市町村で面白YOUが見つかるまでガチ捜索する「出張YOU」。

今回の出張先は、戦国武将ゆかりの地・名古屋市 (愛知県)。名古屋といえば、人気の天むす・手羽先・ひつまぶし・味噌カツなど、老舗から進化系まで、とにかくパンチの効いたグルメの宝庫だ。そんな名古屋は人口約232万人。在住YOUは約8万人でその数は全国第3位を誇る。


レトロな中小田井町並み保存地区で声をかけたのは、レストランを営むガンビア人のヴィントヮさん。大忙しなのでしばらく店内で待たせていただくと、料理を作りながらも「ガンビア人はみんな日本人と似てる、優しい。友だちでも家族みたいにみんな親切」と話してくれた。

ちなみにガンビアは、西アフリカにあるアフリカ大陸で一番小さな国。人口は約240万人で、公用語は英語、特産品は落花生だ。隣国のセネガルに国土の大半を囲まれた特殊な地形をしている。


お客さんが落ち着いたところでインタビューしようとしたが、ご厚意でお料理を出してくれたので、お言葉に甘えてまずはガンビア料理をいただくことに。作る手間がかかる(笑)という、ガンビアの"贅沢おやつ"・チキンパイ、西アフリカ伝統の人気フルーツジュース・バオバブドリンクをはじめ、ベネチン(トマトソースで炊いたご飯+チキン)、ヤーサ(鶏肉と玉ねぎのマスタード炒め)、デザートのチャリキ(バナナとクスクス入りヨーグルト)まで、担当Dは美味しく堪能!


そこへ、ビジネススクールに通っているというガンビア人女性が来店。ヴィントヮさんについて、「彼女はガンビアの領事だから、よくお世話になってるの」というが、レストランオーナーがガンビア領事ってどういうこと!?

真相を聞こうとしたが、試食のビーフアフラ(マスタードとハーブスパイスに漬け込んだ牛肉と玉ねぎの炒め物)、ドモダ(ピーナッツバターとトマトをベースにチキンを煮込んだ料理)も出してくれ、結局7品もゴチになった。

お話を聞けぬまま夜の8時、最後のお客さんが帰ったあと、ようやく...と思ったら、激務でお疲れなので取材は後日に。一応、密着決定!


数日後、ようやくお店でインタビューを始めると、「これ私です。7年間仕事してます」と、外交官の名刺をいただいた。そもそもヴィントヮさんが来日したきっかけは、結婚だったという。ガンビア人の夫の留学(名古屋の大学)について来て、2人の子宝にも恵まれたが、後に離婚。シングルマザーになったが、帰国するよりも子どもにとって教育環境のいい日本で暮らし続ける道を選んだ。


とはいえ言葉も文化もよくわからず、"よそ者"扱いされてつらいことも多かったという。しかしある人との出会いで人生が激変することに! その人とは...


子どもを保育園に送迎してくれたり、日本料理を教えてくれたり、毎日のように面倒をみてくれた優しい女性がいたという。他界されたそうだが、お子さんに海外留学の経験があり、何かと助けてもらえたおかげで、日本の生活が楽しくなったそう。今では地元の方々と大の仲良しで、商店街の中で交流したりと、完全に溶け込んでいる。


この日は「鈴波 松坂屋名古屋店」で、親友のヒデさんと待ち合わせ。ヒデさんは美容院を営んでいて、レストランをやる前のヴィントヮさんも働いていたのだ。ヒデさんによれば、プロ野球選手のブランコさん、タイロン・ウッズさん、セサルさん(元中日ドラゴンズ)らを、ヴィントヮさんが担当したそうだ。たくさんの名古屋の人々に支えられ、今のヴィントヮさんがあるのだ。


そんなヴィントヮさんが、畑違いの領事になったのはいったいナゼか?

「自分の国が大好きで、日本もスゴい好きになった。だから日本とガンビア、繋がると良いなと思った」と、大好きな国の架け橋になりたかったと明かす。しかし、当時の日本にはガンビア領事官がなかった。そこでヴィントヮさんは2015年に当時の大統領に「私にやらしてください」と直訴し、日本初のガンビア名誉領事に就任することになったのだ。


ヴィントヮさんは、来日直後の留学生が日本に慣れるまで無料で自宅に住まわせるホストマザーもしており、前出のビジネススクールに通う女性も世話をした1人だという。他にも、行政手続きを無料でサポートしたり、スーパーの買い物に同行したりするなど、不慣れなことは、なんでもサポート。

「人のためにやるのが好き。自分も嬉しい、相手が嬉しかったらやってあげたいの」というヴィントヮさんは、ガンビア以外のアフリカ人でも同じようにサポートしている。そんなヴィントヮさんについたあだ名は、「アフリカンBOSS」!ヴィントヮさんが名誉領事に就任後のデータによれば、ガンビア人を含むアフリカ人の訪日者数は4年で約72%も増加したというからスゴい貢献度だ!


なんと2021年にはガンビア代表として、「東京2020五輪」の舞台にも登場(上の画像、矢印の人物)! 「そういうのはスゴい良い経験。私日本で...忘れない」と、名誉な思い出を語る。


そんなヴィントヮさんの夢は、大使館をつくって両国の絆を深めること。「大使館つくったらもっといろんなことができる。日本にいっぱい助けてもらってるからギブアンドテイクね。女性はパワフルだからね!」と、尊い夢を教えてもらったところで密着は終了。ヴィントヮさん、これからも日本とガンビアの架け橋になってね!

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