文在寅前大統領

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「生活必需品の購入は100円ショップで」「会議のコーヒーは自分で用意」……。

 2017年の大統領就任以来、「庶民派」を標榜してきた韓国の文在寅(ムンジェイン)前大統領(69)。だが今月9日に大統領を退任した文氏に、就任直後の余裕はなかった。

【写真5枚】トランプ前大統領との2ショット

 韓国人記者が言う。

「退任まで1週間と迫った5月3日、韓国の国会では、検察の捜査権を骨抜きにするための法改正案が成立。野党が反対する中での強行採決には“文氏が検察の捜査を逃れるための改悪だ”と世論も憤激しています」

 実際、この改正法に対する文氏の執念はすさまじい。同じ3日には文政権最後の国務会議(閣議)が開かれたが、

「文氏は改正法を公布するため、通常なら午前中に行われる国務会議を、法案成立後の午後に延期。次の国務会議は尹錫悦(ユンソクヨル)新大統領の下で行われるため、尹氏に廃案にされることを恐れていたのかもしれません」

文在寅前大統領

妻や子どもを巡るセコい疑惑の数々

 庶民派大統領に検察のメスは似つかわしくないが、文氏の5年間を振り返ってみれば、確かに怪しい疑惑がそこかしこに。しかも、

「文氏の妻や子どもなどファミリーを巡るセコい疑惑も盛りだくさんです」

 3月の大統領選では、候補者の妻のスキャンダルが注目を集めたが、実は、文氏の妻も負けてはいない。

「公務に随伴する際、妻の金正淑(キムジョンスク)氏が身に着けていたブランド品が国庫で賄われていたという疑惑が噴出。今年2月には裁判所が情報公開を命じたのですが、大統領府側はこれを不服として控訴。判決には数年かかるため、文氏側が逃げ切りを図ったと非難された」

 一方、長女のダヘ氏にも、

「4月に離婚が取り沙汰された夫にある疑惑が。彼は18年に、文氏の知人が創業したLCC『イースター航空』に突然、重役として迎え入れられ、ダヘ氏や小学生の息子を連れてタイの関連会社に赴任。韓国からSPを引き連れての海外赴任も議論を呼びましたが、そこで不正なマネーロンダリングに関わっていたとの醜聞が持ち上がった。離婚も、その追及をかわすためとささやかれています」

長男にも疑惑が

 疑惑への幕引きの強引さは、まさに親譲り。

 さらに政治とは無縁の芸術界に身を置く長男も、

「20年に、芸術家への公的なコロナ支援金を受給。選考過程が不透明だと糾弾されましたが、〈作家に収益として与えられたものではなく、展示や制作に使うお金〉と論点をすり替え開き直ってみせた」

 気付けば疑惑まみれの文氏一族。退任後、文氏は釜山近郊に新築した豪邸に隠居するとみられているが、

「新築費用を捻出するため旧宅を購入時の3倍という高値で売却して、収賄疑惑が浮上。さらに自分の退任に合わせて元大統領の警護を27人から65人に倍増させ、新居の横に国費で建てられた警護棟の敷地には、趣味の果樹を、これまた国費で大量に植樹している」

 退任後は、「国民の記憶から忘れ去られたい」と権力に執着しない姿勢をアピールする文氏。自国民の執念深さをお忘れか。

「週刊新潮」2022年5月19日号 掲載