持続可能な社会をつくるための「SDGs」。2030年までの達成をゴールとした「持続的な開発目標」を指し、世界的に注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。今回のテーマは「化粧品を使いきる方法」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんにつづってもらいました。

メイクアイテム、どのタイミングで捨てる?

「これ、もう捨てていいかな?」
「いや、まだいける」

余りがちな化粧品でつくった手づくりパレット<写真>

どのタイミングで化粧品を捨てるかについて、娘とよく交わす会話です。

皆さんは、化粧品をどこまで使ったら捨てますか?
プチプラ・コスメなどはついつい気軽に買いがち。でも、結局なかなか使いきれず、ちょこちょこ残ってしまったりします。

じつは、化粧品は、その原料や材料、使用している容器、輸送過程などで、環境に負荷をかけていることが多いのです。だからこそ、せっかく自分のところに来たのだから“MOTTAINAI”精神で最後まで使ってあげたいですよね。

●多くの化粧品メーカーがサステナブルな商品をリリース

最近は化粧品メーカーも、原料・材料の調達から廃棄に至るまで、環境への悪影響をなくそうと、各社競い合うように工夫をしています。自社の環境への取り組みをパッケージやHPに記載しているメーカーも多いので、商品を選ぶときに参考にしてみてください。

プラスチック容器のかわりに、環境負荷が減らせる植物由来のバイオマスプラスチックに変えていたり、代替素材として紙を使っていたり、その紙も間伐材を使用したものや再生率の高い段ボール素材を活用したりと、みんな本気で取り組んでいます。

生産者がそれだけ配慮して作っているのですから、買う私もなるべく最後まで“使いきる”ようにしないと!
そう、“セコっ!” ではなく、“エコ”です!

…とはいえ、最後まで使いきるのは至難の業。というわけで使いきりアイデアをご紹介します。

各商品の使用説明書に使用期限があるかを確認しつつ、基本的には3年以内を基準に、においや色など状態を確認して使用してください

 

口紅の使いきりアイデア。自作のパレットが便利

まず、口紅。皆さんはどの状態になったら口紅と“さよなら”しますか?

(1) まだ少しある状態
(2) 直塗りができなくなる状態
(3) リップブラシで掘り出す状態
(4) 完全になくなった状態

なかには(1)より前に、気に入らないとすぐにポイ! するという方も…(※そうならないよう買う際に慎重に選びましょう)。私の周りでは、ステージ(2)か(3)で捨ててしまう人が多かったです。

(2)は、最大限繰り出したときに、そのままつけられなくなった状態ですね。仮に、ここを口紅の定年(人間の60才)とすると、じつはそこから先が意外と長いのです。「人生100年時代」とまではいきませんが、その下に結構たくさんつまっています。イメージ的にはあと20年分くらいある感じでしょうか。その口紅の“余生”を活かすため、ステージ(2)を迎えた口紅たちを、私はリップパレットに移して使っています。

●リップパレットにすることで、色のバリエーションが増える!

同じ赤い口紅でもパレットに入れると、色の微妙な違いがわかって新鮮。

混ぜて立体感を出したり(マスクで隠れてしまうのが残念)、その日の気分や服に合わせてピッタリの色を選ぶこともできます。また、色を探す手間が減り、メイク時間も短縮、かつ省スペースにもなります。

ただ、このリップパレットが最近なかなか売っていないことに気がつきました。ネットで、「化粧パレット 空」などで検索するといろいろと出てきますので、その方が早いかとは思います。

残った口紅のために新たにパレットを買うなんて、そこにお金をかけたくない! そんな方もいらっしゃるかもしれません。その場合、お菓子のパッケージなど、パーテーションで別れているものを活用することもできます。持ち歩かず家で使用する分には、要するになんでもいいのです。

●あのお菓子のあき容器がパレットに変身!

ある駄菓子の容器を活用して、ミニ・リップパレットをつくってみました!

持っている色をちょっとずつ入れてみたらなかなかいい感じです♪

アイシャドウは「メイクさん方式」にして使いやすさもアップ!

次にアイシャドウ。アイシャドウも、鏡つきのケースに入ったままでは、なかなかすべての色を使いきるのは難しいですよね?

実際、まだ完全に使いきっていなくても捨ててしまう方もいらっしゃると思います。
でも、『誰一人取り残さない』というSDGs理念で考えますと、不人気だった色も取り残さず、救済したくなる私…。

そんな残ったアイシャドウたちを、使いきる方法として、“プロのメイクさん方式”を実践しています。

●元のアイシャドウケースから外してトレーに

メイクさんは、よくシンプルなトレイにアイシャドウを固定させています。アナウンサー時代に見て、おーこれはいい! と思い、自宅でもマネしてやっています。

(1) アイシャドウをケースから外す

たいていの場合、アイシャドウケースの後ろには小さな穴があり(シールなどでおおわれていますが、それをはがしてみてください)、そこに細いピンなどを差し込むと個別のシャドウが取り外せます。

ケガをしないよう注意して作業してください。

(2) 外したアイシャドウをトレーや箱のフタなど平らなものに固定する

それを、無印良品や100円ショップなどに売っているトレーや、箱のフタ、もしくは使わなくなったお子さんの下敷きなどでもいいかもしれません…皆さんの家にあるもの平たいものに固定していくだけ。

(3) オリジナルアイシャドウパレットの完成!

どうでしょう?
こうするとちょっとプロっぽいし、なにより好きな色が一瞬で見つかって便利です。さらにごちゃごちゃたくさんあったコンパクトがなくなり、スッキリ! 使いきり作戦&消スペース作戦としても有効なうえ、とにかく使いやすいです!

今回は、コスメなど日用品における使いきり術《第1弾》として、私なりのアイディアをご紹介しました。“MOTTAINAI”精神で、なるべくものを使いきるようにしましょう!

 

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