GoogleがマイクロLED開発企業「Raxium」の買収を発表しました。Raxiumが開発中のマイクロLEDは小型で省電力なことがアピールされており、Googleのスマートグラス開発に役立てられる可能性が指摘されています。

Google Acquires Raxium

https://blog.google/inside-google/company-announcements/google-acquires-raxium/

Google bought MicroLED startup Raxium for its AR headset displays - The Verge

https://www.theverge.com/2022/5/4/23057579/google-acquires-raxium-microled-ar-vr-displays

Googleのスマートグラスと言えば2013年に発表された「Google Glass」が有名ですが、記事作成時点ではGoogle Glassはエンタープライズ向けの製品という扱いで個人ユーザー向けの販売戦略は展開されていません。一方で、Googleは2020年7月にスマートグラス開発企業「North」を買収し、スマートグラスの開発を継続する姿勢を示していました。

2022年1月には、Googleが「Project Iris」と呼ばれるARヘッドセット開発プロジェクトを進めていることが報じられました。さらに2022年3月にはGoogleがRaxiumの買収を計画していることが報じられ、GoogleがARヘッドセットやVRヘッドセットなどのマイクロLEDを有効活用できる製品を開発している可能性が浮上していました。

Googleの次期ARヘッドセット「Project Iris」の情報がリーク - GIGAZINE



そして2022年5月4日に、GoogleはRaxiumを買収したことを正式に発表しました。Googleのハードウェア部門責任者のリック・オスターロー氏は「Raxiumは小型で省電力性能に優れ、費用対効果の高い高解像度ディスプレイを5年にわたって開発してきました。Raxiumのディスプレイ技術はGoogleがハードウェアへの投資を続ける上で重要な役割を果たします」と述べ、Raxiumの開発した技術をハードウェア開発に役立てる意向を示しています。

Raxiumの公式サイトによると、一般的なOLEDディスプレイの「画素の中心〜隣の画素の中心の距離」が約50マイクロメートルなのに対し、Raxiumの開発するマイクロLEDでは約3.5マイクロメートルという小型&高密度を達成しているとのこと。これにより狭い面積に多くの画素を詰め込むことが可能となります。



また、Raxiumの公式サイトにはマイクロLEDを用いた製品のイメージとしてスマートグラスや専用ゴーグルを必要としない3Dディスプレイなどが挙げられています。このため、GoogleによるRaxiumの買収はスマートグラスの開発に役立てるためではないかと指摘されています。