WSL(Windows Subsystem for Linux)上でLinuxのGUIアプリをインストールすると、スタートメニューの「おすすめ」にアイコンが並ぶ。

ここでは例としてGIMPをWSL上のLinux(Debian GNU/Linux)にインストールした

この「おすすめ」はWindows 11に最近インストールしたアプリや使用したファイルを列挙する箇所だが、Windows用アプリとLinux GUIアプリを並列に扱っているようだ。Linux上でGUIアプリをインストールすると、%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programsにショートカットファイルが生成される。

%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Debianフォルダーにショートカットファイルが作成された

ここでフッと疑問が浮かんだ。Linux GUIアプリをアンインストールすると、ショートカットファイルはどうなるのだろうか。

Ubuntuを含むDebian系Linuxディストリビューションはパッケージシステムとしてaptを採用しているので、「apt purge 」を実行した。「apt remove 」でも構わないが、ユーザーが生成した設定ファイルが残るため、場面に応じて使い分けてほしい。

「sudo apt purge gimp」を実行して、GIMPおよび関連パッケージを削除する

結果は下図で示したように「キレイに消える」だった。%APPDATA%\Microsoft\Windows\Start Menu\Programsフォルダーからショートカットファイルが取り除かれるので、スタートメニューの「おすすめ」にも表示されない。

EdenMathとGNUMailの間にあったGIMPのショートカットファイルが消えている

当然ながらスタートメニューの「おすすめ」にも表示されない

過去と比べると、最近はWindowsデスクトップアプリは減少傾向にあり、開発トレンドもWebやSaaSに傾倒している。加えてMicrosoftのUWP戦略も成功しているとはいえず、迷走の感は拭い切れない。WSLは開発者をWindowsに取り込むための戦略・実装だが、Linux GUIアプリの丁寧なサポートがWindows 11の普及に拍車を掛けることを期待したい。

著者 : 阿久津良和 あくつよしかず 1972年生まれのITライター。PC総合誌やDOS/V専門誌、Windows専門誌など、各PC雑誌の編集部員を経たのちに独立。WindowsとLinuxをこよなく愛しつつ、PC関連の著書を多数手がける。近年はBtoCにとどまらず、BtoBソリューションの取材やインタビューが主戦場。休肝日を設けず日々飲み続けてきたが、γ-GTP値が急激に増加し、早急な対応を求められている。 この著者の記事一覧はこちら