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2020年からYouTubeで配信され、衝撃のラストで幕を閉じた『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』。その続編である『ウルトラギャラクシーファイト 運命の衝突』の国内独占配信が、4月29日(金)からTSUBURAYA IMAGINATIONでスタートする。『大いなる陰謀』からウルトラ兄弟の長男・ゾフィーを演じる武内駿輔さんに、インタビューを敢行。ウルトラマンシリーズの大ファンである武内さんのシリーズやゾフィーへの熱い想い、『運命の衝突』の見どころを語っていただいた!

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◆作品づくりの裏側に魅了されて◆

――武内さんは『大いなる陰謀』出演時に、「平成より昭和ウルトラマンを見て育ちました」とコメントを寄せていらっしゃいました。ウルトラマンシリーズの原体験についてお聞かせください。

武内 ウルトラマンは物心がついたときから大好きでしたね。父がウルトラマン好きだったので、遊園地のヒーローショーに連れて行ってもらってサイン色紙を集めたり、『ウルトラマン大百科』といった本を買ってもらったりしていて。世代的には『ウルトラマンコスモス』がリアルタイムで触れた最初のウルトラマンなのですが、初代の『ウルトラマン』は小さいときに全話観ていました。ウルトラマンシリーズだけでなく、ゴジラシリーズや仮面ライダーシリーズなど特撮作品自体が好きで。だんだんと撮影技法に興味を持って、円谷英二さんの伝記を読むなど、作品づくりの裏側に魅了されました。

――技術面にも注目されているんですね。

武内 特撮って今はCGも取り入れていますけど、実際に存在するものを使って表現するところが魅力的だと思うんです。アクションではスーツを着た人間が実際にアクションしたり、ぶつかりあったりしていて、爆破シーンも本物の火薬を使っている。そういったところに惹かれて、大人になってからもずっと好きで観ていますね。

――想像以上にディープな特撮ファンで驚きました(笑)。

武内 でも、関(智一)さんや稲田(徹)さんには全然かなわないですよ(笑)。

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◆あふれ出るウルトラマン・怪獣への熱い愛!◆

――特に好きなウルトラマンシリーズの作品は?

武内 初代は別格として、『ウルトラマンタロウ』は見た目や主題歌がヒロイックで、ストリウム光線が腕を交差させるのではなく「T」の形で腕全体を使うところも斬新で印象深いです。あと母が主演の篠田三郎さんを見て、僕の祖父に似ていると話していたこともあり思い入れがありますね(笑)。『ウルトラマンレオ』はヌンチャクを使って戦うことに驚いたし、『ウルトラマンパワード』は目が青いウルトラマンや鋭くリデザインされたバルタン星人がスタイリッシュでカッコいいし。『ウルトラマンナイス』も少し抜けているところに親近感を持って、ゲラゲラ笑いながら何度も観ていた覚えがあります。

――ちなみに、印象に残っているお話はありますか?

武内 一つ挙げるなら初代の最終回「さらばウルトラマン」ですね。ゼットンにウルトラマンの攻撃が全く効かず、死んでしまう展開にはやはり衝撃を受けました。最後は人間がゼットンを倒し、ウルトラマンも復活して帰っていく結末は子供のとき「えっ?」と思いましたが(笑)。ヒーローが勝利するお約束をひっくり返したことや、当時の子供たちが夜空に向かって「ウルトラマン、ありがとう!」と別れを告げたという逸話も含めて、『ウルトラマン』をただのヒーロー作品に終わらせなかったところが素晴らしいと思います。あの最終回があったからこそ、『ウルトラセブン』以降の作品にも繋がっていったのかなと。それと単純にゼットンが好きなんですよ。

――怪獣もお好きなんですね。

武内 子供のころは怪獣の絵ばかり描いていました。ゼットンは角と顔の黄色いラインを入れればゼットンっぽく見えるくらいシンプルで簡単に描けるのに、ちゃんと怖く見えるのがすごいなと。

――ほかに好きな怪獣は?

武内 えー、誰だろうな……カネゴンやゴモラも好きだし……特に好きな怪獣というと、レッドキングとエレキングですかね。レッドキングは頭が小さくて可愛い顔をしていて、鳴き声も甲高くて気持ち悪いのに(笑)、腕っぷしが立つのが「こういうパターンもありなんだ!」という驚きがあって。エレキングは電気攻撃を使うところに惹かれました。子供って雷属性に憧れる時期があるじゃないですか(笑)。でも、ジェロニモンだけは今でも嫌いです。

――それはどうして?

武内 人間の味方をしていたピグモンを殺したじゃないですか、ジェロニモンの手下のドラコが。見た目も全然可愛くないし。

――いつかゾフィーとしてジェロニモンと戦う機会があるかもしれません。

武内 ぜひ戦わせてほしいですね! ピグモンの仇を討ちたいです(笑)。

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◆カッコいいだけでなく奇妙な生物にも見えるように◆

――演じる以前のゾフィーの印象は?

武内 ウルトラの父とウルトラの母、弟たちの間に立ってウルトラ兄弟をまとめる、強靭な人というイメージがありました。ネタにされている一面もあったりしますけど、僕が憧れるウルトラマンたちが尊敬する、すごい人だと純粋に思っていましたね。なので、『大いなる陰謀』でオファーをいただいたときはとても嬉しかったです。

――ゾフィーはこれまで浦野光さん、田中秀幸さんなどさまざまな方が声を演じられてきました。ご自身が演じるにあたって、過去のゾフィーの出演作を振り返ったりしましたか?

武内 そうですね。人気、実力ともに素晴らしい先輩方の演技や、ファンの皆様が抱いているゾフィーに対するイメージを壊さず、守り続けたいと思い、外伝なども視聴しました。でも、これまでのゾフィー役の方々と比べると、僕の年齢はかなり下なんですよ(笑)。だから、変に年齢感を取り繕わず、今の自分自身の中にある後輩を思いやる気持ちや厳しく仕事に臨む姿勢を、ゾフィーの長男としての気持ちに重ねて演じようと収録に臨みました。背伸びをしすぎず自然に演じることで、僕が演じる意味のあるゾフィーにしていければと考えています。

――『大いなる陰謀』で初めてゾフィーを演じるにあたり、ほかに意識されたことは?

武内 掛け声をどう演じるかは苦労しました。昭和のころのゾフィーの掛け声はウルトラマンとあまり変わらないので、差別化していくチャンスと感じつつ、ただカタカナの日本語で「シュワ!」と叫ぶのは違うとも考えていて。僕の中のウルトラマンは戦うときは人間らしくない、宇宙人っぽい声を出すイメージがあり、それを普通にカッコいい掛け声にするのは「もったいない」と思ったんですよ。奇妙な生物としても見えるように、過去のウルトラマンの声を聴いたり、モノマネをしたりして準備しました。

――ウルトラマンの声を演じてきた方は、皆さん掛け声で苦労したとお話されています。

武内 新しいウルトラマンだったら「これがこのウルトラマンの掛け声です」とできますけど、ゾフィーは初代からいるヒーローなので余計に難しいところもあって。でも、それが昔からいるキャラクターを受け継ぐことの楽しさでもあるのかなと感じています。

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◆『運命の衝突』はウルトラマンをより好きになれる作品◆

――『運命の衝突』でゾフィーの演じ方に変化はありましたか?

武内 『大いなる陰謀』を視聴したファンの方のリアクションを見ることができたので、演じるビジョンが固めやすくなったと思います。好意的な意見だけでなく、批判的な意見の中にも同じファンとして納得できるものがあって、大変参考になりました。そういった声に背中を押されて、ゾフィーを演じる責任を持って、さまざまなアプローチを探っていこうという意気込みが生まれましたね。

――台本や収録時の映像を観た感想は?

武内 『大いなる陰謀』もそうでしたが、昔だとウルトラ兄弟がとりあえず集まって戦っていたところを、一人一人の戦う理由を描いているのは今だからこそできるお話だなと。過去の物語や設定をなかったことにせず、ロジカルに整理していることもよく練られたシナリオだと思いました。そして今作も特撮がすごい! カメラワークの力でとても迫力のある映像になっていて、グリーンバック撮影なのに色味などで違和感をほとんど覚えないのが素晴らしいです。この作品が日本で作られていて、そこに自分が関わっていることを光栄に感じます。

――今作では、櫻井孝宏さんや関智一さんといった人気声優の方々がウルトラ兄弟を演じることも話題となっています。

武内 日ごろお世話になっている先輩方とウルトラ兄弟を演じられると知ったときはとても嬉しかったです。アフレコはご一緒できなかったのですが、ほかの兄弟たちの声を聴きながら収録できたので、楽しく演じられました(笑)。

――今後ゾフィーを演じていく中で挑戦したいことは?

武内 実際に演じたことで、ゾフィーの中には強さやカリスマ性だけでなく、仲間を想う優しさが見え隠れしていると感じたので、そういった一面と向き合い、演技に乗せていければと思います。あとはぜひゾフィーが主役の作品を作ってほしい!

――ゾフィーはいまだに謎な部分が多い人物ですからね。

武内 そうなんですよ。せっかく若いゾフィーのスーツがあるから、ゾフィーがどんな成長を遂げてきたのか描くお話は観てみたいです。昔アニメでやっていたような、ウルトラ兄弟の日常ものみたいなゆるいお話も、今実写でやったら面白いと思います(笑)。

――武内さんが考える、ウルトラマンシリーズ最大の魅力は?

武内 一つだけ挙げるのであれば、デザイン性の高さではないでしょうか。ウルトラマンやウルトラ怪獣は、いつ見ても古めかしさのない独創性がありながら、時代に合わせて変化をさせやすい普遍性の高さも持ち合わせていると思うんですよ。どのウルトラマンを見ても「ウルトラマンだ」とわかるというか。怪獣にしても『大いなる陰謀』に登場したゼットン軍団のように、パワーアップ版が出しやすい。そこがほかのヒーロー作品にはない魅力ではないかなと。もちろん、戦いの時間制限や腕を十字に組んだら光線が出てくるというアイデア、ストーリーの秀逸さも素晴らしいと思います。

――最後に、ファンへ向けてメッセージを。

武内 近年のウルトラマンシリーズは、旧作のファンを裏切らずに、新しいウルトラマン像を創出する取り組みをしていると感じています。今作もその中で生まれた、よりウルトラマンのことが好きになれる作品だと思うので、ぜひ配信を楽しみにしてください!

<Profile>
たけうち しゅんすけ
9月12日生まれ。東京都出身。81プロデュース所属。2020年配信の『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』よりゾフィーを演じている。『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』(ククルス・ドアン)など多数出演。

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