シニア2年目の岩崎幸司が単独首位発進(提供:PGA)

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<PGAシニアツアー予選会・最終予選 初日◇2日◇トム・ワトソンゴルフコース(宮崎県)◇6741ヤード・パー72>
“2006年”の再現を目指すシニア2年目の岩崎幸司(51歳)が、6バーディ・2ボギーの「68」をマークして2位に3打差の首位発進。幸先いいスタートを切った。
アウトスタートの岩崎は、1番パー5のティショットを左に曲げて林の中に入れると、2打目は横に出すだけ。3打目は240ヤードほど残ったが、寄せワンのパーでしのぐと、2番パー3は「ビタっとついてくれた」と1メートルにつけてバーディを奪い、心を落ち着かせる。
その後はティショットを大きく曲げることはなく、パー5を中心にチャンスをものにし、パーオンを逃しても「嫌いではない」というアプローチでしのいでスコアを伸ばした。「できすぎです。たまたま68」と会心のスコアには、謙遜も交えながら満足感をにじませた。
岩崎の名前を聞いてもピンとこない人も多いだろう。30歳になる年の2000年にプロ転向をし、5年間は下部ツアーを中心に戦い、レギュラーツアーのデビューは06年の「つるやオープン」。16年の「日本プロゴルフ選手権」まで通算15試合に出場して、生涯獲得賞金は177万円にとどまっている。
しかし、2006年末に行われた翌年のレギュラーツアーの出場権をかけたファイナルQTでは、6日間トータル21アンダーと当時の最少記録を作り、1位で突破した勝負強さを持っている。
国内シニアツアーにはリランキング制度がなく、ほとんどの大会で予選カットがない。そのため予選会で上位に入って出場権を得られれば、ほぼ毎試合賞金を獲得できる。この予選会を「試合より大事」と位置付けた岩崎は、30年近い付き合いのあるプロキャディの真鍋耕治氏を起用している。「06年のQTもキャディをしてもらいましたし、07年シーズンも彼に担いでもらいました。ええことが起こるように」と縁起がよく、気心しれた相棒と戦っている。
真鍋氏は普段はリャン・ウェンチョン(中国)らを担ぐベテランキャディ。それでも「今日は特にいいアドバイスはなかったです。いつもいらん話ばかりしている(笑)」と岩崎が言えば、「今回は、カートなので運転しているだけです」と真鍋も返す。予選会という独特の雰囲気でも普段どおりのゴルフができているようだ。
「目標は20位以内。10位以内に入ったら最高ですけど、このコースは(難しいので)何が起こるか分からないから」と手綱は緩めない。縁起のいい相棒とのコンビで06年以来の“予選会1位”も視野に入っている。(文・小高拓)
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