渋野日向子の出身校は男女のプロを多く輩出している(撮影:佐々木啓)

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国内女子ツアー開幕が間近に迫っている。今年も3月3日から開催の「ダイキンオーキッドレディス」を皮切りに38試合が行われる。通年の出場権を持つシード選手は賞金ランキング、およびメルセデスランキング上位50位までの52人に加えて、昨季の賞金ランキング、およびメルセデスランキングの51〜55位までの5人やQTランキング38位までの主力選手100人(永久シード選手は除く)のデータをとことんチェック。今回は出身高校を調べてみた。(日本女子プロゴルフ協会の公式記録参照)
■高校ゴルフ界の名門が多くの選手を輩出
今季前半戦の出場資格を持つ日本勢の中で最も出身者が多かったのは、沖学園高校、岡山県作陽高校、東北高校、滝川第二高校の4校で、4人を輩出している。いずれも通称“緑の甲子園”と呼ばれる「全国高等学校ゴルフ選手権」の団体の部で全国制覇を経験している高校ゴルフ界の名門校だ。
出身者を見ると、昨年も4人で最も多かった福岡県の沖学園高校は、昨季の最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ」でツアー初優勝を遂げた三ヶ島かなをはじめ、福山恵梨、福田真未、後藤未有がいる。同校出身者の中には、北田瑠衣、辻村明須香や、男子の時松隆光、重永亜斗夢らもいる。
岡山県作陽高校は2019年の「全英AIG女子オープン」覇者の渋野日向子をはじめ、東浩子、西木裕紀子、藤本麻子の4人。昨年11月のプロテストでトップ合格を果たした尾関彩美悠(あみゆ)も今春高校を卒業してプロデビューとなる。また、男子では日本一の飛ばし屋、幡地隆寛や昨年下部のAbemaツアーで3勝を挙げ、レギュラーツアーでも初シードを獲得した19歳の久常涼といった若い才能を多く輩出している。
宮里藍の母校として有名な宮城県の東北高校は、菊地絵理香、有村智恵、山路晶のシード選手3人に加えて、沖せいら(最終学歴は東北福祉大)が前半戦に出場する。QTでの成績は良くなかったが、原江里菜や木戸愛と復活を期すOGもいる。
■プロ予備軍も豊富な滝川第二高校は今後も注目
そして注目は兵庫県の滝川第二高校。昨季6勝で賞金ランキング2位になった古江彩佳、長期低迷から復活を遂げて初優勝を遂げた堀琴音のシード選手2人に加えて、淺井咲希、安田祐香と20代が4人。ほかにもプロテスト合格前だが、昨年の「オーガスタ女子アマ」を制した梶谷翼、昨年の「アジア・パシフィックアマ」を制して今年の「オーガスタ女子アマ」に出場する橋本美月(東北福祉大4年)も控えており、今後もツアーに多くの選手を輩出しそうだ。
名門4校の次に多いのは3人の2校。昨季初シードを獲得した野澤真央をはじめ、ささきしょうこ、林菜乃子が卒業したクラーク記念国際高校と、昨季初シードを獲得した植竹希望、吉川桃、工藤遥加の日の出高校だ。
緑の甲子園で過去に4度全国制覇の経験のある東海大第二高校(現・東海大学付属熊本星翔高)は上田桃子と笠りつ子、同じく4度の優勝経験のある埼玉栄は渡邉彩香、菅沼菜々と、それぞれ2人だがいずれもシード選手だ。
ほかにも、大阪商業大高校(西村優菜、岡山絵里)、大阪学院大高校(濱田茉優、高木萌衣)、湘南学院高校(原英莉花、鶴岡果恋)、日章学園高校(柏原明日架、永嶋花音)、興南高校(宮里美香、新垣比菜)、埼玉平成高校(岩橋里衣、佐久間朱莉)、第一学院高校(阿部未悠、天本ハルカ)、日本大学高校(川岸史果、松森彩佳)、麗澤高校(西郷真央、吉田優利)、日本ウェルネス高校(稲見萌寧、臼井麗香)といった高校が複数の選手を輩出している。
今回の100人中日本勢は87人。名門高校に入って仲間と切磋琢磨して上手くなる選手がいる一方、個人スポーツでもあるので団体戦とは縁がなくても、自分に合った環境でゴルフができる学校を選ぶ選手も多いようだ。

<ゴルフ情報ALBA.Net>