国内女子ツアー開幕が来週に迫った。今年も「ダイキンオーキッドレディス」を皮切りに38試合が行われる。通年の出場権を持つシード選手は賞金ランキング、およびメルセデスランキング上位50位までの52人に加えて、昨季の賞金ランキング、およびメルセデスランキングの51〜55位までの5人やQTランキング38位までの主力選手100人(永久シード選手は除く)のデータをとことんチェック。今回は優勝回数を調べてみた。(日本女子プロゴルフ協会の公式記録参照)
■2番目の若さで10勝目を遂げた稲見萌寧
2020-21と2年に渡る1シーズン(52試合)で、45試合に出場し、9勝を挙げて賞金女王を戴冠した稲見萌寧。19年の「センチュリー21レディス」の初優勝と合わせて、通算勝利数は10と二桁に乗せた。昨年の「伊藤園レディス」では22歳108日で通算10勝目を達成。宮里藍の20歳105日に次ぐ2番目の若さだった。「一番の目標は永久シード」と語っているだけに、国内30勝に向けて今季も手綱を緩めずに勝利数を重ねそうだ。
稲見が到達した二桁勝利をクリアしているのは、ツアー歴代では39人いるが、今季前半戦に出場する主力選手の中では12人。最多は、産休適用中のアン・ソンジュ(韓国)で28勝。国内女子ツアーの永久シード権となる30勝まであと2勝と迫っている。アンに次ぐのは昨季4勝を挙げて26勝となった申ジエ(韓国)、25勝の全美貞(韓国)。近い将来、韓国勢としては初、史上7人目の永久シードプレイヤー誕生もありそうだ。
トップ3に続くのが李知姫と日本勢トップとなる横峯さくらの23勝。そして21勝のイ・ボミ(韓国)、18勝の大山志保、17勝の鈴木愛、16勝のテレサ・ルー(台湾)、15勝の上田桃子、14勝の有村智恵と続く。稲見を含めて10勝以上の日本勢は6人となる。
稲見の10勝に続くのは6勝。小祝さくら、渋野日向子、笠りつ子に加えて、昨季6勝で一気にランクインした古江彩佳の4人。5勝には勝みなみ、4勝には西村優菜と原英莉花と年間複数回優勝する黄金&プラチナ世代が控えており、40人目の“ツアー10勝”の争いも注目だ。
■宮里美香は未勝利? ややこしい公式記録
ちなみに、日本女子プロゴルフ協会は、優勝回数の規定として「JLPGA会員在籍期間中、及びTPD単年登録期間中に達成した国内ツアー容疑における優勝回数」と定めており、アマチュア時代や会員登録前、海外競技の優勝は含まれていない。国内で開催されるTOTOジャパンクラシックもUSLPGA資格で出場した場合もカウントされない。
通算26勝の申ジエは、正会員登録前の日本初優勝となった2008年の「ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ」と、USLPGA資格で出場した2010年の「ミズノクラシック」の2勝は含まれていない。それを含めれば28勝なのに。もちろん永久シードの30勝は公式記録のため、ジエはあと4勝しなければならない。
また、勝みなみや古江彩佳、畑岡奈紗らアマチュア優勝を遂げた選手も、公式記録としてはカウントされていない。なので、畑岡に至っては純粋に日本でカップを掲げた回数で言うと6勝となる。米女子ツアーを主戦場として1勝を挙げている宮里美香は、日本女子プロゴルフ協会の会員になったのは19年。そのため10年と13年の「日本女子オープン」で2勝しているにも関わらず、公式記録では0勝とややこしくなっている。

【国内女子ツアー優勝回数】※通算2勝以上
28勝 アン・ソンジュ
26勝 申ジエ
25勝 全美貞
23勝 李知姫、横峯さくら
21勝 イ・ボミ
18勝 大山志保
17勝 鈴木愛
16勝 テレサ・ルー
15勝 上田桃子
14勝 有村智恵
10勝 稲見萌寧
6勝  古江彩佳、小祝さくら、渋野日向子、笠りつ子
5勝  勝みなみ、イ・ミニョン、藤田さいき、比嘉真美子、黄アルム
4勝  西村優菜、原英莉花、菊地絵理香、渡邉 彩香、若林舞衣子
3勝  穴井詩、ささきしょうこ
2勝  大里桃子、笹生優花、ぺ・ソンウ、青木瀬令奈、吉田優利、永峰咲希、酒井美紀、岡山絵里、柏原明日架、イ・ナリ、福田真未
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