尾関彩美悠は渋野と同じ作陽高校出身の18歳(撮影:ALBA)

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昨年11月に行われた「2021年度プロテスト」で並み居る強豪を退けてトップ合格を決めた尾関彩美悠。渋野日向子と同じ岡山作陽高等学校出身で、愛くるしい笑顔と実力を兼ね備える18歳は初めてプロゴルファーとして戦うシーズンに向けて何を思うのか。今回は昨年の振り返りと今季への意気込みを聞いてみた。
プロとなって初めてのオフ。やはり最初は慣れない部分もあったようで「バタバタしていて練習できない時期もありました」というが、「今は地元の岡山で筋トレなどの体力づくり中心に頑張っています」とトレーニング漬けの日々を過ごしている。
まずは土台作りから。「太もも重視で自重トレーニングが中心ですね。ジャンプばかりしています(笑)。下半身がもっと強くなると飛距離も出ますし、安定感も出ると思います」とベースのパワーアップを目論む。
改めて振り返っても、21年という1年間は激動だった。「日本女子アマチュアゴルフ選手権」で優勝、さらにプロのトーナメントでも活躍して11月にはプロテストに合格。だが、22年の前半戦出場権をかけたファイナルQTで、3日目まで好プレーを続けながらも最終日に「79」を叩き58位。フルでの前半戦出場権を逃してしまった。
いいことも悪いこともあったなかで、尾関が一番のターニングポイントに挙げたのが日本女子アマの優勝だった。「優勝できたおかげで、その後にプロのトーナメントにも何試合か出させていただくことができましたし、その経験をプロテストで生かすことができました」とすべてを好転させたという。
学んだのはメンタル面。「最後まであきらめない気持ちと、ダメなときにいかに切り替えられるか。このメンタルコントロールが勉強になりました」。多くの選手が「二度と行きたくない」と言うプロテスト。極限状態のなかでも強い気持ちを保ち続けられたのは、大舞台での成功体験が大きかった。
それでも、ファイナルQTでは大叩きを喫した。「自分自身でもびっくりした」というが、これも前向きにとらえている。「すべてがうまくいっていたらダメなのかなと思うようにしています。最終日に叩いたことによって気持ちが引き締まりました。今年に生かせると思います。叩いたことに関してはポジティブにとらえられています」と落ち込んではいない。
悔しさはオフにもつながっている。「もうこういったことはないようにしたい」と緊張状態を保ちながら過ごす日々。一方で、こんな現実的な考えも。「これからも叩くときはあると思うんです」。大事なのはその後。「いかに叩いてしまったことを次につなげられるか。それができたら、叩いたことはチャラになると思っています」とクレバーな一面ものぞかせた。
今年はQT順位の関係で、レギュラーツアーと下部に当たるステップ・アップ・ツアーの両にらみとなる。初戦は3月11日に開幕する「明治安田生命レディス ヨコハマタイヤゴルフトーナメント」。レギュラーツアーでプロとしての第一歩を踏み出す。「ルーキーなので勉強の年にもなると思いますが、レギュラーツアーで優勝したいです。まずはリランキング上位に入って、後半戦はフル出場できるように頑張りたいです」。南国・土佐でデビューする、注目のルーキーに期待したい。
尾関彩美悠(おぜき・あみゆ)
2003年6月16日生まれ、岡山県倉敷市出身。7歳でゴルフを始めるとメキメキ成長。高校は渋野日向子らを輩出した強豪ゴルフ部のある岡山県作陽高等学校へ進学、田淵潔監督のもと腕を磨いた。高校3年生となった2021年には「日本女子アマチュア選手権」で優勝、同年のプロテストにもトップという最高の成績で一発合格を決めた。“彩美悠”という名前は「あまりない名前をつけたかったみたいで」と、両親が熟考。『あざやかに、美しく、悠々と』という願いを込め、この字が使われた。趣味は寝ること。158cm/50kg
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