3月3日開幕の「ダイキンオーキッドレディス」で幕を開ける今季の国内女子ツアーで、今年もフレッシュなルーキーたちが本格的にプロゴルファーとしての第一歩を踏み出す。そこで昨年末に行われたQTで上位になり、レギュラーツアーを主戦場に戦う選手を紹介。今回は後藤未有(QTランク17位)。
2018年に千葉県で行われた「日本女子オープン」で、当時福岡・沖学園高3年に在学していた後藤が見せた“反骨精神”は印象的だった。この大会を、後藤は8位タイで終えローアマに輝いたのだが、注目を浴びていたのはナショナルチームのウェアに身を包んだ同じプラチナ世代の古江彩佳、安田祐香、吉田優利、西村優菜らだった。一方、後藤もトップアマではあったが、当時は一度も日本代表に選ばれたことのない選手だった。
「ナショナルチームに入れなくても勝てるって勇気づけられたかな」。大会最終日の会見では、“普通のウェア”を着たアマチュア選手の代表として、こんな気持ちを語っていた。その後、見事にナショナルチーム入り。大舞台でその実力を発揮し、日の丸がついたウェアに袖を通すに至った。
だが高校卒業後、今度は初めて受験した19年のプロテストで合格ラインに1打及ばず涙を飲むというくやしさを味わうことに。「考え過ぎながらゴルフをしていました。ほんと独特の雰囲気がありましたね」と、この時のことをのちに振り返っている。
ただ、この年のプロテストは、不合格でも合格ラインから2打差以内に入った選手には同年のQT挑戦権が与えられ、これに救われる。20年(のちに21年シーズンと統合)のツアー出場権を手にし、プロとしてのスタートを切ることができた。そして、2度目の受験となった昨年6月のプロテストに合格。同10月のステップ・アップ・ツアー「かねひで美やらびオープン」ではプロ初優勝も挙げた。きっちりと昨年末のQT最終ステージも上位で通過と、歯車がかみ合ってきた。
福岡県出身で、4歳の頃、小児ぜんそくで入院中に見たエアコンのテレビCMに出ていた宮里藍がきっかけとなりゴルフを始めた。それ以降、女子ゴルフ人気を爆発させたこの人物に憧れ続けている。ベースボールグリップでプレーするのも特徴の一つ。いつも明るい笑顔を見せる元気印だが、悔しさをバネに強くなってきた。プロテスト合格後には「ここは通過点だと思っているので、これからツアーで優勝できるように努力していきます」と意気込みを話していた。“プロ2シーズン目”は、レギュラーツアーの頂点を狙っていく。
■後藤 未有(ごとう・みゆう)
出身地:福岡県北九州市
生年月日:2000年9月29日
出身校:沖学園高(福岡県)
身長:157センチ
体重:58キロ
血液型:B型
ゴルフ歴:10歳〜
最終プロテスト受験回数:2回
1W平均飛距離:240ヤード
目標とするプロゴルファー:宮里藍
マチュア時代の主な戦歴:2018年日本女子オープン8位T、2019年日本女子アマ2位T
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