iPad mini 6
Valentina Palladino / Engadget

2021年秋にiPad mini(第6世代)が発売された直後、一部のユーザーから液晶画面の表示がガタつく「ゼリースクロール」が起こると報告されていました。アップルは想定内の動作だと回答していましたが、それに納得しないユーザーが集団訴訟を提起したと報じられています。

ゼリースクロールは、ディスプレイの左右で更新速度が違うため、画面上の文字や画像がゆらゆらと波打って見える現象のことです。アップルはこれがiPad miniに限らず、液晶ディスプレイの構造的に正常な動作だと説明していました。

ちなみに修理業者のiFixitはiPad mini 6を分解した結果、本体内でディスプレイを駆動するコントローラーが(縦置きした場合に)縦向きに配置されており、画面更新の方向とスクロールが垂直になっているために遅延が目立ちやすいと分析しています。

米コロラド州で訴訟を起こしたChristopher Bryan氏は、アップルの説明に満足しなかったようです。同氏はiPad miniの「欠陥」により、ディスプレイ表示が「曲がったり、歪んだり、ぼやけたり、文字や画像が見えなくなったり」して、「使いものにならない」と主張しています。

さらに訴状では、ゼリースクロールのせいで乗り物酔いや吐き気、嘔吐や片頭痛などが起こったと主張されています。さらに原告はアップルのiPad Airを含め、液晶画面を採用している他の機器ではゼリースクロール現象がほとんど見られないことを指摘。そしてアップルがiPad mini 6を販売し続けるにあたり、この欠陥を「隠蔽」していると訴えています。

本訴訟ではアップルがカリフォルニア州競争法、虚偽広告法、詐欺などに違反していると訴え、iPad mini 6を購入した人に対する損害賠償を求めています。ちなみに集団訴訟は、裁判所が棄却することが珍しくはなく、法廷闘争そのものが始まらない可能性もあります。

たしかにiPad mini 6の画面が波打つ現象は目立ちやすいものの、スクロールしない限りは発生せず、また素早くスクロールしても「斜めに傾いている」程度で乗り物酔いを起こしたという声はあまり聞こえてきません。ともあれ、この訴訟のゆくえを見守りたいところです。

Source:SCRIBD

via:9to5Mac