「川名賢のラリー・セヴェンヌ参戦記 06」スタート直後から雨……。地元クルーでもリタイヤ続出の超難関ステージで、驚きのリザルトが!

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皆さんこんにちは、ラリードライバーの川名です。
本日はフランスのラリー・セヴェンヌ参戦記、第6話をお送りいたします。


■幸いにも雨のマシンセットはできてた!

さて、今日からいよいよラリースタートです!
まず今回のラリーのDay1のアイテナリーから見ていきましょう。



まず「CH0」、モンペリエの街中のパルクフェルメからスタートし、78kmリエゾンを移動して25分のサービス、そのあとSS1(ES1)となります。






本当に街のど真ん中に設けられているお立ち台。ポディウムスタートはなんと高級ホテルのコートヤードバイマリオットの目の前でした!

フランス語で「ニホンカラキタサムライ!シュグルーキャワニャー!!(きっとこんな感じのことを言っていたと思いますw)」という感じでMCに紹介されながらラリースタート! でしたが、天候がだんだんと怪しくなってきました……。



サービスインして、クルマをフルウエットのセッティングに変更、SS1へ挑みます。今回もサービスはプジョー208ラリーカップのテントが用意されています。



SS1はスタートして序盤がいきなり超ハイスピードセクションで、これが結構しびれるんですよね。さらにこのラリーも初めて走るので、どのくらい路面のグリップがあるのかも正直分かりません……。とにかく、いままで培ってきた経験と予測をフル活用してクルマを走らせます。



なによりも救いだったのが、前回のラリー・モンブランでウエット路面を経験していたことと、事前のテストでウエットのマシンセットをいい方向にできていたことで、マシンへの信頼度はかなりアップしていたことです。今回のラリーはSS1からタイムを出しに行って、表彰台に乗れるポジションでラリーを進めるのが第一の目標でした。となると、このマシン信頼度がかなり重要になってきます。







■ハイドロで何度もリタイヤしかけたが……


Day1前半の3本のステージは、それぞれ15km前後あり、ステージの前半、中盤、後半と路面状況や雨量がかなり変化するコンディションでした。走っていて『このペースでどのくらいのポジションになるのか?』の判断が本当に難しく、『自分のペースを信じて走るしかない』という思いを貫くしかありませんでした。

SS1のインカー映像をこちらからご覧いただけます。


インカーをご覧になればわかる通り、スタートして間もなく右手にレーシングスーツを着ている人が立っていますが、彼はほかのチームのコ・ドライバーです。マシンは完全にコース外に飛び出して姿形がありませんでした。また中盤にはコース上に1台大破している車両を見ることができます。地元フランス人の経験をもってしても難しいコンディションだということがよくわかります。



SS2ではさらに雨量が激しく、ハイドロプレーニング現象により何度もコースオフしそうになり、SS3ではコ・ドライバー側のドアが閉まらなくなるというマイナートラブルも発生。なんとかサービスに戻ると、なんと! クラス3番手のポジションではありませんか!!

これにはチームもさすがにビックリしていた様子でした。まわりのライバルは何度もこのラリーを経験している強者ぞろい。そんななかで、初走行の日本人がいきなりクラス3番手ということがとても評価されました。

そして、なんとTVインタビューまで!
これで一躍フランスの有名人ですね(笑)





この放送は週末の夜にフランス全土に放送されるそうです!フランスでのラリーの認知度の高さ恐るべし!



とにもかくにもメカニック達までみんなテンションアゲアゲで、午後のループに向けてマシンメンテをしていると、なんと雨がひどすぎて午後のセクションは中止に。


●雨は結構ひどかった

この日はこのままマシンをパルクフェルメまで運んで、明日のスタートリストを待つことになりました。




Day2に続く




<文=川名 賢 Suguru Kawana>