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オリックスの敗因は投打！

プロ野球日本シリーズ、お疲れ様でした。接戦に次ぐ接戦、死闘に次ぐ死闘、ただの1秒も無駄な時間がない濃厚な6試合でした。叶うならばあと1試合、あるいは2試合・3試合と見ていたかったところですが、雪でも振るんじゃないかという寒空のもとでこれ以上野球をやらせるのも忍びないというもの。6試合、たっぷりと見させていただいて本当にありがとうございました。大満足です。

心情的にはオリックスに勝たせたいという気持ちもありましたが、ヤクルトも何やかんやで20年ぶりの日本一だと言いますので、勝ちたいのはお互い様のこと。1978年阪急、1995年オリックス、2001年近鉄と、今のオリックス・バファローズに遺伝子をつないだチームがいずれも日本シリーズでヤクルトに負けているというのが因果な運命だなとは思いますが、負けたものはしょうがない。次はヤクルトじゃない相手と日本シリーズを戦えるように祈りましょう。グーとチョキみたいな関係なのだと諦めて。

↓東京ヤクルトスワローズ、日本一おめでとうございます！


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これだけの接戦のなかで敗因を反省するのも難しいところですが、究極的には「投打」に集約されるかなと思います。互いにエラーもありましたし、流れをつかむ瞬間もありましたし、流れを失う瞬間もありましたが、オリックスが持つ投打の最高の形であるところの「山本由伸が完封」「吉田正尚が打つ」が出せなかったことに尽きるかなと思います。

お互いに日本一は久々と言っても、ヤクルトは2015年にも日本シリーズまで進んだ経験がありますし、クライマックスシリーズも7度の経験があります。選手・スタッフが入れ替わりながらも、一戦必勝の戦いをそれなりにやってきました。一方でオリックスはクライマックスシリーズは今年を入れて3度目で、日本シリーズの経験は忘却の彼方。勝負所をつかみ切れなかったとしても仕方ありません。全員が完璧にやれるはずがそもそもないのです。

それだけに、有無を言わせぬ宝刀で、決めるべきところを決めたかった。それが「山本由伸が完封」「吉田正尚が打つ」だっただろうと思います。第6戦も、山本由伸さんの内容は素晴らしく、8回にヤクルト強力打線の山田・村上・サンタナを三者三振とした場面などは、さすが日本一の大エースと唸りました。そのチカラがありながら、先に点をやってしまうというのは、小さいけれど大きな誤算でした。日本一になろうとするなら、完封を求められる立場・能力の選手でした。ヤクルトの高橋奎二さんが完封できて、山本由伸さんが2試合でひとつも完封できなかったこと、日本一の行方はそういうところで変わるものだと思います。

そして、打の吉田正尚さんも第1戦でのサヨナラ打などがありつつも、求められる立場・能力からすれば十分な仕事はできませんでした。シーズン終盤での右手尺骨の骨折から復帰し、シリーズを戦い抜いただけでも奇跡的であるのは承知のうえで、それでもオリックスが日本一になろうとするなら欠かせない選手が欠けていたなと思います。いてくれたから惜敗まで押し戻すことができましたが、いてくれるだけでは日本一には及ばなかった。「真の吉田正尚」がいれば、4惜敗のどれかはオリックスの勝ちに変わっていただろうと思います。それぐらい特別な選手ですから。

↓惜敗にまで持ち込んだサヨナラ打、オリの鉄人の意地を見ました！


それらに比べれば、中嶋采配であるとか、ベンチワークであるとか、投手交代のタイミングであるとか、監督の能力であるとか、代打攻勢の掛け方であるとか、勝負の仕掛け所であるとか、指揮官であるとか、作戦面であるとかは些末な問題だろうと思います。第6戦では結果的に「代打攻勢」が勝負を分けたので、9回裏に代打ジョーンズを申告敬遠必至の場面で無駄遣いしたことや、12回表に二死から投手を交代して走者を出し、パスボールもあってヤクルトの代打・川端に一打決勝点の場面を与えてしまったことが批判されやすいのでしょうが、それは言っても仕方のない話だろうと思います。

改めてどこで代打を使うのが正解だったかと考えても、「次の打者が怖いからジョーンズと勝負せざるを得ない」という場面は、満塁にでもしない限り生まれなかったでしょう。チーム最高の打者である吉田正尚さんでさえ、今の状態であれば「ジョーンズ絶対勝負」とはならなかったはず。ならば、どこで出しても大差ありません。投手交代に関しては、「変えるのが早かった」「変える必要はなかった」は結果論でしかありません。手を尽くした結果として打たれたのであれば、実力として受け入れるしかないでしょう。

↓「俺の差だよ〜ん！」というイラッとする声が聞こえたとしても、気にしないでください！

画面中央のストライクゾーンに150キロのストレートを投げ込みたくなりますが、我慢です！

山本由伸さんが完封していれば勝ってました！


さぁ、大事なのはここからです。この悔しい負けと、あと少しで日本一だったという欲を、これからどう活かしていくのか。終わったことを振り返るのではなく、次にどうつなげるかが本番です。ヤクルトにも2015年に何らかの敗因があったはずですが、それはすべて2021年に経験としてつながり、「勝因」へと変わったはず。負ければ何もかもが敗因ですが、勝てばそれはまた勝因へとひっくり返る、人生は常に結果論です。

今シリーズのMVPとなったヤクルトのキャッチャー・中村悠平さんにしても、2015年の日本シリーズでは全試合マスクを被りながら、ソフトバンクの豪打を封じることができず敗れています。先発投手がいずれも早い回で打ち崩され、苦しい継投となったブルペンを仕切っていたのは、当時投手コーチだった高津臣吾現監督でした。そうした経験を持った人たちが、引っくり返すチャンスを得たこと、それが今シリーズでの両チームの違いでした。

次にオリックスが機会をつかんだときは、このシリーズのすべてが経験となり、「あれがあったから勝てた」という勝因になるはず。もう一度の機会があるかはわかりませんし、「何回反省しても負けちゃう」というパターンも実際問題あり得ますが、今回よりは必ず前進があるはずです。そうやって前進していけば、いつか勝つこともあるでしょう。埼玉方面からのアドバイスとしては、せっかくそういう経験を備えた選手たちが離散しないように、ガッツリお金を払ってあげて欲しいということくらいです！

↓来年以降は「オリックスだって日本シリーズに出ることがあるかもしれない」と思えるのも前進です！

京セラドーム2021：「日シリ？あるわけないやろ！借りたい人に貸してやらなアカン」

京セラドーム2022：「日シリ？あるかもしれんな！でもほっともっとでできるって確認できたから借りたい人に貸したろ！」


↓「メジャーでも通用するな」と本人が思う前に、もう一回シリーズに出られれば勝てるでしょう！

ロッテ：「通用するぞ」
楽天：「今すぐ通用する」
ソフバン：「日本に戻るときは教えて」
日ハム：「ウチなら今年行かせてる」
西武：「ウチで試すな」

来年は仮想メジャーとしてソフバンあたりで腕試ししてくださいね！



シリーズ惜敗でオリックスのやる気がつづくのが他球団的には悩みの種です！