Joe Raedle via Getty Images
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米運輸省道路交通安全局(NTHSA)は、テスラのFull Self-Driving(FSD)機能のベータテスターが起こした衝突事故について調査に入ってたと発表しています。NTHSAがウェブサイトで公開した情報によれば、この事故ではテスラオーナーが、FSDベータ版を使用して走行中、左折する際にEVが誤った車線に入ろうとし、隣の車線を走行していた車と衝突したとのこと。

ここで問題なのは、FSDで左折の動作に入ったテスラ車が警告を発したため、ドライバーはハンドルを操作して正しい車線を維持しようとしたにもかかわらず、車はそのまま車線を越えて進行し運転席側から他社に衝突したとのこと。通常、ステアリング制御を含むドライバーアシスト機能は常にドライバーのハンドル操作を優先するようになっています。またFSDベータ版のテスターは一般人とはいえ、普段の運転安全性スコアが高いドライバーのボランティアに限定しており、急な警告発生時にすぐに運転を引き継ぐよう心構えをしておく必要があるとあらかじめ忠告されています。

とはいえこのような誤動作がもし本当に発生するのなら、テスターはこの機能がハンドル操作を受け付けず、文字どおり暴走する可能性があることも覚悟しておくべきかもしれません。

公正を期して言えば、NTHSAは調査に入った段階であり、報告内容が誤っているかもしくは証言が虚偽である可能性もまだ考えられ、FSDに問題があると言うには調査の結果を待つ必要があります。

NHTSAは今年8月、Autopilot使用中のテスラ車による緊急車両との衝突事故の増加について調査を開始しており、 9月にはそのような状況でテスラが「公道で」ベータ版のソフトウェアを一般ドライバーにテストさせしていることに対する懸念を表明していました。その後も誤動作の報告が相次いだバージョンを一時配信停止とするなどしています。そして、今回の事故はそのFSDベータ版を使用中のテスラ車が起こした最初の事故報告例とされます。

Source:Reuters