【2021年最注目BEV!】すべてが最新のBEV、BMW iX発表。1000万円以上と以下では、航続距離がどれくらい違う?

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■5m×2mの大柄なボディ
ビー・エム・ダブリューは、BMWの電動化モデルに特化したサブブランドであるBMW iの新たなフラッグシップモデルとなる次世代電気自動車「iX(アイエックス)」を、2021年11月4日に都内で発表した。



iXは、BMWが次の時代を見据えて開発したSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)である。そのルーツは、18年にパリ・モーターショーで発表したコンセプトカー「BMWヴィジョンiNEXT」で、当初の予定通り21年中に市販モデルの生産がスタートしている。



全長4955mm、全幅1965mm、全高1695mm、ホイールベース3000mmと大柄なボディを持つiXは、デザインやエンジニアリングなどあらゆる面でサステイナブルであることを目的に開発されたバッテリーEV(BEV)である。プラットフォームは、BMWの第5世代電動ドライブアーキテクチャーのCLAR仕様を採用。ボディは高張力鋼板やアルミニウム、熱可塑性プラスチックにCFRPを組み合わせたもので、軽量化に大きく寄与している。

縦長の大きなキドニーグリルに細長いヘッドライトを組み合わせたフロントマスクが特徴的なiXは、BMWのSAVらしい力強さと未来感にあふれている。インテリアは、メーターパネルとコントロールディスプレイが一体とされ、物理ボタン類を極力省略する事で、ハイテク感を際立たせている。また六角形のステアリングホイールが新しさを表現している。




■航続距離は最大で650km
オプションでファースト・クラス・パッケージを選択すれば、電動シートの調整スイッチやスタート/ストップ/ボタン、iDriveコントローラーなどはクリスタル製となり、ラグジュアリーなイメージも盛り込まれる。後席空間はロングホイールベースにより、上質なラウンジのようにとても広々。リヤシートは40:20:40の3分割可倒式で、3列目はなく、乗車定員は5名となっている。



標準装備のヒート・コンフォート・パッケージは、エアコンや前後シートヒーター、ステアリングヒーターに加え、センターコンソールや前後ドアパネル、ダッシュボード下部の表面も加熱し、冬期でもキャビンをラウンジのような心地良さに保つ。

「OK, BMW」と呼びかけると、会話形式の操作で様々な機能やサービスを使用できる、AI技術を活用したBMWインテリジェント・パーソナル・アシスタントも搭載。呼びかける名前は任意で設定可能だ。またAmazonが提供するクラウドベースの音声サービスであるAlexaにも対応。スマホアプリ「My BMW」を介してiXとAlexaを連携させれば、車内にいながら自宅さながらに様々なサービスや機能が利用可能となる。



バリエーションは、現時点ではiX xDrive40とiX xDrive50の2タイプが用意される。どちらも前後に電気モーターを搭載する電動4WDで、iX xDrive40は、フロントアクスルが最高出力190kW、最大トルク290Nm、リヤアクスルは200kWと340Nmで、システム合計では240kW(326馬力)と630Nmを発揮。リチウムイオンバッテリーの容量は77kWhで、航続距離は450kmとなっている。

一方iX xDrive50は、フロントアクスルは最高出力190kW、最大トルク290NmでiX xDrive40と同じだが、リヤアクスルは230kWと400Nmとよりパワフルで、システム合計では385kW(630PS)と765Nmとなっている。リチウムイオンバッテリーの容量は112kWhで、航続距離は650kmだ。なお、電動パワートレーンは完全新開発である。


■リヤステアリングシステムも装備
充電はAC普通充電が11kW、DC急速充電は150kWまで対応している。フル充電に要する時間は、iX xDrive40の場合、11kWの普通充電では7時間15分、150kWの急速充電なら10分間で100km以上走行できる電力が充電できる。



サスペンションは、フロントがダブルウィッシュボーン、リヤはマルチリンクを採用。iX xDrive50には4輪アダプティブ・エア・サスペンションが標準で備わり、優れた乗り心地と俊敏なハンドリングを両立。+20~-10mmの範囲で車高を任意に調整することも可能だ。

またiX xDrive50は、前後輪統合制御ステアリング・システムであるインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングも搭載。低速域では前輪と逆位相に後輪を最大3.2度、高速域では前輪と同位相に後輪を最大2度操舵することで、優れた取り回し性と安定したコーナリング、高速域での高いスタビリティを実現した。

先進安全運転支援システムは、高性能プロセッサーによる高い解析能力により、精度と正確性が一層高められた最先端の「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」を標準搭載する。

なお、日本仕様はすべて右ハンドルとなる。価格はiX xDrive40が981万円、iX xDrive50は1116万円となっている。


■X3にもBEVが追加
また、今回はiXと同時にX3のバッテリーEV仕様である「iX3」の国内導入も発表された。iX3は210kW(286馬力)と400Nmを発揮する電気モーターを搭載した後輪駆動モデルで、リチウムイオンバッテリーの容量は80kWh、航続距離は460km(WLTP)、充電は11kWのAC普通充電と150kWのDC急速充電に対応している。



iX3の追加により、X3のラインアップにはガソリン、ディーゼル、PHEV、BEVが揃い、選択肢の幅が大きく広がった。

仕様はiX3 Mスポーツのみで、価格は862万円となっている。


<文=竹花寿実 写真=竹花寿実/編集部>



■xDrive 40(4WD・ー) 
主要諸元 (<>内はxDrive 50)
【寸法・重量】
全長:4955mm
全幅:1965mm
全高:1695mm
ホイールベース:3000mm
トレッド:前1665/後1695mm<前1660/後1690mm> 
最低地上高:200mm 
車両重量:2380kg<2530kg>
乗車定員:5人 

【モーター・性能】
種類:交流同期電動機 
最高出力:240kW(326ps)<385kW(523ps)> 
最大トルク:630Nm(64.2kgm)<765Nm(78.0kgm)> 
駆動用バッテリー種類:リチウムイオン 
駆動用バッテリー電力量:76.6kWh<111.5kWh> 
一充電走行可能距離(WLTCモード):450km<650km>  
最小回転半径:6.0m 

【諸装置】
サスペンション:前ダブルウイッシュボーン/後マルチリンク 
ブレーキ:前後Vディスク 
タイヤ:前後255/50R21

【価格】
車両本体価格:981万円<1116万円>(消費税10%込み)