米司法省は2021年10月26日、ダークネット上で国際的なオピオイドの違法取引に関わったとされる150人を逮捕したことを発表した。

司法省により編制された、ダークネット上でのオピオイドの違法取引を監視・取り締まりする作戦部隊(J-CODE, Joint Criminal Opioid and Darknet Enforcement)とユーロポールの共同で遂行された今回の作戦では、違法取引に関わったとされる密売人150人の逮捕の他、武器や薬物に加え、3160万ドル(約36億円)の現金と仮想通貨が押収された。

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「オペレーション・ダークハンター(Operation DarkHunTor)」と呼称される今回の作戦では、オーストラリア、ブルガリア、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、スイス、イギリス、アメリカの9カ国に渡って行われていた違法取引に10カ月間の秘密捜査が行われた模様。その間、合計約234キログラムのエクスタシー、フェンタニル、オキシコドン、ヒドロコドン、メタンフェタミン錠剤などの違法薬物が押収された。オペレーション・ダークハンターは3大陸間に渡り、数十もの国際法執行機関を巻き込み、現在も各種取り調べが継続されている。

逮捕された者たちの国籍別内訳は、アメリカから65人、ブルガリアから1人、フランスから3人、ドイツから47人、イタリアから4人、オランダから4人、スイスから2人、イギリスから24人と発表されている。

米麻薬取締局のアン・ミルグラム長官は声明で、「現在、危険薬物の密売人がオンライン上に跋扈し、ダークネットを用いたフェンタニルやメタンフェタミンなどの取引件数が増加するという危機的状況が国際的に発生しています。これらの密売人は、アメリカ中を危険な違法薬物で溢れさせ、オーバードーズを身近にし、暴力を誘発し、アメリカのあらゆる健康と安全を脅かす存在です。本日、麻薬取締局が皆さんに伝えたいメッセージは極めてクリアなものです。ダークネット上の違法薬物を取引するネットワークは、今日以降、一切逃げ隠れすることはできません。麻薬取締局、米国際機関、そして世界中の信頼すべきパートナーたちが協力し合い、このようなネットワークを完全に解体します」と発表した。

ユーロポールから作戦の指揮官を務めたジャン=フィリップ・ルクーフェ氏は「今回の様な作戦のポイントは、犯罪者たちにこの作戦の存在を大いに知らしめることにあります。法執行機関は犯罪者らの正体を暴き、彼らに違法行為の責任を取らせるための手段と国際的なコネクションを持っています」と発表している。

From:150 Alleged Opioid Traffickers Arrested in Darknet Sting