ポルシェ911(991型、992型)が大幅に性能向上…RUFのエンジンコンバージョンキットとは

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RUFといえば、ポルシェ車をベースに独自のコンプリートカーを開発するほか、クラシックポルシェを想起させるもその中身は完全独自のスペシャルマシンを製造するなど、一度は触れてみたいハイパフォーマンスマシンを手掛けるドイツの自動車メーカー。

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そんなRUFの日本インポーターであるRTCは10月20日、ポルシェ製車両向けに提供するエンジンコンバージョンキットの日本国内向けラインアップを拡充すると発表した。新たに導入されるのは、991カレラおよびGTS用「Rc91」シリーズ(いずれも後期モデル)、991ターボおよびターボS用「R91」シリーズ、992カレラS用「Rc92」と992ターボおよびターボS用「R92」シリーズ。それぞれ価格は176万円から。



■RUFコンバージョンキットの特徴とは

このエンジンコンバージョンキット導入により、最高出力と最大トルクが大幅に向上。R91は+225PS/285Nmの745PS/995Nm、R92は+250PS/180Nmで830PS/930Nmに達する。

設計の主目的はピーク値の向上ではなく、軽快なレスポンスと滑らかな出力特性が売り。ボトムエンドから立ち上がる太いトルクと、レブリミットまで緩みなく伸び続ける出力曲線が最大の特徴だ。

気になる耐久性だが、RTCの説明では「キット導入前の車両と同等間隔での定期メンテナンスで維持が可能」とのこと。ストレスフリーな走行性能と高耐久性は、日本の過酷な渋滞路まで対応するという。


■あらゆるシチュエーション適応、高性能と耐久性の両立

RUFコンバージョンキットは、自動車メーカーが厳しい品質基準を設けて製作するエンジンキット。その設計には、「Rt35」、「RtR」などのRUFコンプリートカー開発で培った技術が用いられている。開発工程もコンプリートカー用エンジン製作と同様で、完成までにエンジン単体のベンチテスト、そして実車両に搭載したさまざまな走行条件下で実走行もテストを反復する。各テストで得られたデータとドライバーからのフィードバックを基に、再設計を何度も繰り返しながらRUFの理想とするパフォーマンスと耐久性を獲得したパッケージのみ製品として提供される。


■キットの構成、日本での導入

吸気系との刷新とECUの最適化によるライトパッケージから、排気系やターボチャージャーおよびインタークーラーを刷新するものまでさまざまなラインアップを展開。RUF製インコネル・エキゾーストシステムを導入するキットでは車重も軽量化され、より官能的な排気音を奏でる。またR91においては電子制御面でECUに加えてPDKを制御するGCUにも最適化が施される。

キットの導入は、RTCにて専任メカニックが担当する。

■RUFとは?

1939年、整備工場としてドイツ・ファッフェンハウゼンにて創業。各車ディーラーを兼ねながら、ドイツ初となるフルサイズ観光バスを自社生産。その後、356・911スペシャリストとしてヨーロッパ内で名声を得た後、ドイツ連邦自動車局(KBA)から認可を受けた自動車メーカーと発展した。

1970年代後半以降より、911のホワイトボディを基に、独自のハイエンドスポーツカーの生産を行っており、世界最高速度記録を複数回打ち立てている。電子制御マニュアル変速システム「EKS」(1992年)、EVスポーツカー「eRUF」(2008年)など先駆的な製品の市場投入を継続しており、現在はシャシー、ボディシェル、エンジン、トランスミッションなどすべてのコンポーネントを自社開発・生産。ハンドメイドの生産体制を維持しながら、先端技術を追求したハイエンドスポーツカーを製作している。

また、1970年代後半から現在までポルシェ車両向けのアフターマーケットパーツやエンジンコンバージョンキットも展開している。

■問い合わせ先
株式会社RTC
TEL: 075-956-0930
FAX: 075-952-4448
E-mail:info@ruf-web.co.jp
http://www.ruf-web.co.jp/

〈文=ドライバーWeb編集部〉