【川名賢のフランスラリー参戦記 最終回】ラリー後にステージをもう一度訪れる理由とは? 日本との文化の違いに改めて驚いた後日譚

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■イベント後のステージも楽しめる!?
こんにちは、ラリードライバーの川名です。
さていよいよ今回がフランス参戦記の最終回となります。

昨日無事ラリーをフィニッシュしたわけですが、ラリーのあとはチームメンバーとお決まりの打ち上げ! そして翌朝はお決まりの頭痛です(泣)。でも、現地の人たちと交流を深めるためにはこれは欠かせない行事だと思っています。ラリーのときにコミュニケーションがとりやすいかでどうかで、勝敗が大きく左右されますからね。

とにもかくにも、僕は海外でラリーが終わったら、走ったステージを再度見てまわります。自分が走った感覚や、ほかの選手がどんなラインで走っているのかなど、さまざまな情報を得ることができるからです。


●スタート地点のブラックマーク


●ブレーキングとコーナリングのブラックマーク


●インカットはどのくらいしているのかもチェック

こんな感じで生々しいラリーの痕跡を目に焼き付けることができます。ラリーファンの方も、ぜひ観戦後にコースへ行ってみてください。いろいろと発見できて、結構おもしろいと思いますよ!



■うらやましいほど違うラリー文化
さて、ある程度終わったらチームがガレージを構えるアレスに移動、約5時間くらいかな。

そして、翌日はラリー後のテストをチームオーナーのサラザンと一緒に行いました。

サラザン・モータースポーツはサーキット内にガレージがあり、さらにサーキットには峠風のラリーコースまで完備されているんです。日本と文化が違いすぎる……。


●自分のクルマを運転してもらいタイム比較です

さすがに元F1ドライバーにはかないませんでしたが、データ比較してもらい、自分に何が必要なのかを知るとてもいい機会でした。これは本当に勉強になる!



●2週連続のラリーで、チームガレージにはメンテ待ちのクルマがたまってました

それが終わると帰国のためのPCR検査と大忙し。

●チームが手配してくれたクリニックで50ユーロで受けられました

そしてニースまで移動しキャシーの家にホームステイして、翌日の飛行機で帰国となりました。


●出発日の日の出


●フランスではパンをそのままテーブルに置くそうです

みなさん、これまで長らくのご愛読ありがとうございました。少しでもフランスにいる感覚を味わっていただこうと思いましたが、いかがでしたでしょうか。

これでフランス参戦記第1章は完結しますが、次回は10月の『208ラリーカップフランス/Criterium des Cevennes』に参戦予定で準備しています。第2章がお届けできると思いますので、またお会いしましょう!

Merci beaucoup! Au revoir!!



【川名 賢(かわな・すぐる)】
2019年にFIA アジア・パシフィックラリー選手権(APRC)のAPRC3クラスでチャンピオンを獲得した、国際ラリー経験豊かな若手ラリースト。全日本ラリー選手権の王座や、優勝、チャイナ・ラリー選手権での優勝などタイトルは数知れず。ヨーロッパでのラリー参戦は2015年以来となる。プジョーの最新ラリーカー「208 ラリー4」でどこまで欧州勢と戦えるのか、注目だ!