【川名賢のフランスラリー参戦記 08】エントリー台数は200超え! ラリースタートから気が抜けない場面が続出

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■メーカーのサポート体制もバッチリ!
皆さんこんにちは。ラリードライバーの川名です。

今回はいよいよラリー・モンブランのスタートの模様をお伝えしていきたいと思います。

まずはLeg1です。

フランスのラリーは木曜日に車検をしたらそのままパルクフェルメにクルマが入り、翌朝そこでエンジンを掛けてラリースタートとなります。

全日本ラリーの場合は車検をした後にクルマをサービスパークに戻す流れが主流ですが、ヨーロッパでは戻さないこの方法が主流なのかな? という感じです。

なので、朝イチお立ち台からのスタート。



●朝のパルクフェルメにて

朝イチのサービスの風景。

208ラリーカップは専用のテントとホスピタリティが用意され、選手はスペアパーツとメカニックがいれば、208カップのスペースでサービスができるようになっています。

これ、スゴく便利なのでぜひ日本でもやってほしいです。トヨタさん、お願いします!



●ズラリと208が並びます

そしていざSSへ!




■簡単にリタイアに追い込まれる難ステージ
Leg1はステージ8本(SSトータル95km/リエゾン191km)をはしるアイテナリー。

フランスの道は日本に似ている箇所もありますが、全体的にはまったく路面状況やスピード域が違い、徐々にペースを上げていかないと簡単にリタイアしてしまうので、肝に銘じてスタートしました。



2車線のヒルクライムで1速、2速、3速を使ってひたすらヘアピンを駆け上がったかと思えば、山の尾根を走る5速でレブに当たるほどのハイスピードセクション、ジャンクションを折り返したら10kmにも及ぶ下りの1車線で路面がバンピー(路面のうねりが激しく跳ね上がるような道のこと)なセクションなど、表情豊かなステージが僕を迎えてくれます。



特にヨーロッパの道はバンピーな路面が多いので、ブレーキングでクルマが跳ねてコースオフしてしまうことが非常に多く、ペースノートのタイミングが合わないと全然アクセルが踏めなくなってしまうんですね。

なので、今回乗るクルマでラリーを走るのが初めての僕は、どの車速域でどのくらいクルマが跳ねるのかをまず確認したり、それに合わせてタイヤのグリップを確認したり、ペースノートのタイミングもキャシーと相談しなければいけませんでした。速く走る前にやることがたくさんあるので、それをステップ・バイ・ステップでこなしていく感じです。

Leg1はとにかく自分にインフォメーションを入れることを重視して無事走り切りました。

それでもこんな風にコースアウトしそうになる場面もありますからね(笑)



Leg1は最後のステージでクラス9位、総合69位がベストリザルトでした。ちなみにクラス全体の台数が15台、ラリー全体の台数は206台とハンパない数がエントリーしています。


●終わる頃にはすっかり真っ暗です

Leg2は徐々にペースアップしていきますよ!!




【川名 賢(かわな・すぐる)】
2019年にFIA アジア・パシフィックラリー選手権(APRC)のAPRC3クラスでチャンピオンを獲得した、国際ラリー経験豊かな若手ラリースト。全日本ラリー選手権の王座や、優勝、チャイナ・ラリー選手権での優勝などタイトルは数知れず。ヨーロッパでのラリー参戦は2015年以来となる。プジョーの最新ラリーカーでどこまで欧州勢と戦えるのか、注目だ!