【カローラ クロスのCM見た?】え!? 実車? どうやって撮ってるの? クルマ本体だけでなく、TVCMにも注目したい理由とは

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■クルマはCGではなく実車
カローラシリーズ初のSUVとして、2021年9月14日に発表・発売された新型クロスオーバーSUV「カローラ クロス」。そのTVCMが翌日の15日より放送されているが、もう見てちょっと衝撃を受けた人も多いだろう。このCM、じつは珍しい表現技法が使われている、こだわりのCMだった。

9月15日より放映開始されたカローラ クロスのCMは「個性を駆け抜けて編」と名付けられている。なにがスゴいのか? まずは、その30秒CMを見て欲しい。

【衝撃映像!】実車が光のアートを走る!? カローラ クロスのTVCMがスゴい!

幻想的な光が無数に流れている空間を、カローラ クロスが走り抜けていく。バックで流れている曲も、軽快なPOPでカローラ クロスのイメージにピッタリだ。

この映像を見て、ひとつ気付くことがあるはずだ。昨今のクルマCMによく見られる、コンピューターグラフィクス(CG)のクルマではなく、実車を撮影に使っているのである。このような幻想的なイメージCMでは、CGが使われることがほとんど。しかもちゃんと走っているようにも見える。そこで考える人も多いだろう。「実車を使ってどういう方法で撮っているのか?」それこそが、このCMの注目ポイントだ。



■最新の技術と話題のアーティストがコラボ
この不思議なCMに使われた機材は、「LED WALL」と呼ばれる、平面ではなく曲面で作られたラウンド型の大型LEDディスプレイ。カローラ クロスの実車をこのLEDディスプレイで300°囲み、そこにソニーPCL社のバーチャルプロダクション技術を駆使したアート作品を投影し撮影されているのである。



バーチャルプロダクション技術とは、このLED WALLとIn-Camera VFX(カメラトラッキングとリアルタイムエンジンを使った技術)を組み合わせた撮影方法。バーチャルの背景と、今回の実車のような現実の物体を後処理なく組み合わせられる、最新の撮影技法だ。

そしてこの幻想的な光の映像を生み出したのが、現代アーティストの小林健太氏。小林氏の画風は画像編集ソフトを用いることが特徴で、これまでにも国内だけではなくアメリカで個展を開いたり、イタリアの展覧会へ展示したりと世界的に活躍している。

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光のアートの中を駆け抜けるカローラに合わせて流れる曲も、話題のアーティストが手がけた。「Tokimeki」と名付けられた曲は、現役大学生のアーティストVaundy氏がこのCMのために書き下ろした新曲。軽快に走るカローラ クロスのイメージがうまく表現された曲に仕上がっている。

Vaundy氏はYouTubeに楽曲を投稿し始めた2019年頃から話題になっている、新進気鋭のアーティスト。YouTubeも含めたサブスクリプションの再生回数は9億回を超え、急速に人気が高まっている。



クルマのTVCMは、いつの時代も話題を提供してきたコンテンツだった。しかし、最近はCGを使ったCMが増えたせいもあるのか、あまりニュースになることもなかった。カローラ クロスはそんな停滞気味だったクルマCMに、強いインパクトを残してくれる作品に仕上がっている。実車をガッツリと撮影しながら、最新の映像技術が駆使された珍しいスタイル。ぜひTVで見た際には、その映像のキレイさに注目したい。


<文=ドライバーWeb編集部・青山>