どんなフィールドにも、新型フォレスターで心と気持ちを解き放て。

写真拡大

3年目にして大幅改良を実施したフォレスター。スバルデザインの新章「BOLDER」を体現するフェイスリフトに目が行くが、走りの楽しさや快適性、安全・安心性能など、じつに細かくしっかり造り込んできた!
 
【画像】見た目だけじゃない。新型フォレスターの詳細を写真でチェック

2018年に登場した5代目のフォレスター。スバルグローバルプラットフォーム(SGP)採用によって動的質感を飛躍的に進化させ、躍動感や塊感を表現する「Dynamic × Solid」デザインにより、走る楽しさや冒険心をくすぐるSUVに仕立てた。同時にクルマがドライバーを見守る「ドライバーモニタリングシステム」や、スバルの電動化技術「e-BOXER」を投入するなど、新たな価値を盛り込んだ。
 
スバルでお約束の“年改”を経て“アプライドD”となる今回は大幅改良を実施。2021年6月に先行公開された写真で見た目の変化に目を奪われた人も多いと思うが、じつは細かい所まで多くの改良が施されている。
 

BOLDERの「FIELD」感
 
とはいえ、見た目の“変化しろ”は気になるところ。フォレスターのフェイスリフトは、新型レヴォーグの登場により、スバルのデザインアプローチが前進したことが大きい。
 
フォレスターの新たな顔も、スバルが提供する「安心と愉しさ」を伝えるデザインコンセプト「Dynamic × Solid」を進化させた「BOLDER(ボールダー)」を採用。これは「お客様に提供する価値や、クルマそれぞれが持つ個性を、より大胆に際立たせる」という思いを込め展開するもので、「SPORTS」、「JOURNEY」、「FIELD」という3つの非日常の世界観で構成。
 
フォレスターには、自然の中で心と身体を解き放つ気持ちよさを表す「FIELD」の世界観を強化したデザインを与えているという。
 

立体感と面の広さを強調
 
具体的には、ヘキサゴングリルを大型化したほか、ブラックカラーのグリル枠を採用。また、ヘッドライトに内蔵するターンランプをLED式として小型化。さらにフロントバンパーは15mm延ばされ、立体感を強調しながら“面”で見せる構成とした。これらによって、SUVらしいたくましさを際立たせている。ちなみにアプローチアングルが21.4度(スポーツは21.3度)と、従来型よりも拡大。悪路走破性も高めた。
 
LEDフォグランプ&カバーは、フロントグリルに合わせた横方向への広がりと、サイドに連続する“流れ”を感じるデザインとしている。TouringとAdvanceはメッキ加飾で、さらなる上質感を演出。
 
アクティブ感を持たせたX-BREAKは、タフさを強調する専用仕立て。レッドオレンジ加飾がアイキャッチとなるのは従来型同様だが、ブラック加飾部には、見た目だけでなくキズが目立ちにくい幾何学テクスチャーが施されるほか、丸形6連LEDフォグランプを専用で装備する。
 
このほか、ルーフレール(X-BREAKに標準、他グレードはオプション)には、これまで一部グレードのみに設定していた、フロントとリヤのレッグに直接ロープやベルトが結び付けられるループホールを全グレードに拡大展開。利便性を高めた。
 
外板色は、アウトドアでのアクティビティに映えるグリーン系2色とブロンズカラー1色を加え、全10色を用意。X-BREAKはオレンジ加飾が映える4色(ホワイト/ブラック/シルバー/グレー)の設定だ。
 
 
インテリアはキャラクター分けが鮮明に
 
インテリアは、基本造形を踏襲しながら、グレードのキャラクターに合わせて質感・実用性を向上。
 
X-BREAKはブラック基調で、従来から採用するレッドオレンジ加飾を、ドライバーが運転操作に使用するパーツへと集約し、よりアクティブ感を刺激する仕立てとした。また、ブレイズガンメタリック加飾を施すことで質感を高めた。
 
シート表皮は汚れが拭き取りやすく防水性も備えたポリウレタン素材へと変更。ヘキサゴンディンプルを施すことで滑りを抑えるなど機能性を向上。ドアトリムなどにも同素材を採用し、機能性・統一感を図った。
 
TouringとAdvanceは、シート表皮やドアトリム&ドアアームレストに撥水ファブリッ×合成皮革を新たに採用した。
 
Advanceにオプション設定の本革内装は、従来型と同様にブラックとブラウンの2色を用意。シート表皮は新たにナッパレザーを採用して質感を高めた。ブラウン内装はブラウンとブラックの2トーンとしてモダンなイメージを演出する。
 
SPORTは従来型と変わらず、ウルトラスエード×本革のコンビシートで上質感とスポーティさを兼備。


荷室の使い勝手も向上。荷室上部のバックドア際にカーゴアッパーフックを全車に追加。カラビナやロープなどを通せる形状を採用。日常からアウトドアユースまでさまざまなシーンで荷室空間の使い勝手を高めている。

 
安心・安全は最新仕様に
 
安全・快適性の要となるアイサイトは、新型レヴォーグで採用した新世代型を全車に搭載する。画角を大幅に拡大した新型ステレオカメラを搭載するほか、画像認識ソフトや制御ソフトの性能を向上。
 
これにより、緊急時プリクラッシュステアリングや青信号お知らせ機能など新機能の追加や、全車速追従機能付きクルーズコントロールやアイサイト・ツーリングアシスト、車線逸脱抑制/車線中央維持などの機能について性能向上が図られている。

例えば、事故頻度の高い交差点での衝突回避をサポートするプリクラッシュブレーキの作動領域を拡大したほか、検知範囲の拡大により従来よりも急なカーブでの追従や近距離での割り込み車両の検知が可能となった。ステアリング制御の性能向上も図られ、より安全で自然な制御に進化した。
 
ただし、前側方レーダーや電動ブレーキブースターが非搭載のため、新型レヴォーグで採用する一部機能が未採用だったり、制御に違いがある。また残念ながらアイサイトXは非対応だ。
 
ヘッドライトには、これまでのロータリーシェード式から、新たにアレイ式を採用。12分割と細かく遮光できるようになり、ハイビームの照射範囲を拡大させて夜間の視認性を向上させている。

また、アイサイトセイフティプラス装着車のスマートリヤビューミラーは、高画素化したカメラの採用で見やすさを向上。ディスプレイサイズが9.6インチとなり、表示画角も拡大。視認性を高めた。
 
このほか、ドライバーモニタリングシステムに、エアコンの設定温度をジェスチャーで調整できる機能をスバルとして初採用。走行中に検出範囲内に手をかざしてジェスチャーを行うと、「パー」で設定温度を上げる、「グー」で下げる、をそれぞれ調整ダイヤル4操作分行える。視線移動を抑え、スイッチに触れずに操作できるので、より安全な運転ができるというわけだ。


走りへの期待も高まる
 
走りの性能も進化。全グレードにフロントコイルスプリングやダンパーのチューニングを実施。さらに、サスペンションがよりしなやかに動くように改良。これによりボディの揺れの収まりやショックの吸収性を向上させ、より快適な乗り心地を実現。コーナリング時のロールが抑えられ、操舵の応答性も高めている。
 
これまでX-BREAKのみに採用していた「eアクティブシフトコントロール」を全e-BOXER搭載車に拡大展開。SIドライブのSモード時では、ワインディングロードなどでスポーティな走りが楽しめる。
 
悪路走破性を高める機能も使い勝手を向上。これまでXモードは4km/h以上になると解除されていたが、速度が下がると再び選択したXモードに復帰するようになった。
 
ヒルディセントコントロールは制御変更によりコントロール性を高め、狙った車速に合わせやすくなった。
 

[バリエーション&価格]
〈4WD・1.8L水平対向4ターボエンジン・8速CVT〉
SPORT:330万円
 
〈4WD・2L水平対向4エンジン+モーター・7速CVT〉
Advance:317万9000円
X-BREAK:308万円
Touring:293万7000円
 
[主要諸元]
〈SPORT〉
■寸法・重量
・全高:4640mm
・全幅:1815mm
・全高:1715mm
・ホイールベース:2670mm
・トレッド:前1565mm/後1570mm
・最低地上高:220mm
・車両重量:1570kg
 
■エンジン・性能
・型式・種類:CB18型・水平対向4DOHCターボ
・総排気量:1795cc
・最高出力:130kW(177ps)/5200~5600rpm
・最大トルク:300Nm(30.6kgm)/1600~3600rpm
・使用燃料・タンク容量:レギュラー・63L
・WLTCモード燃費:13.6km/L
・最小回転半径:5.4m
・乗車定員:5人
 
■諸装置
・サスペンション:前ストラット/後ダブルウイッシュボーン
・ブレーキ:前後Vディスク
・タイヤサイズ:225/55R18(オールシーズン)
 
 
 
〈Advance・X-BREAK・Touring〉
■寸法・重量
・全高:4640mm
・全幅:1815mm
・全高:1715mm(Advance・Touring)、1730mm(X-BREAK)
・ホイールベース:2670mm
・トレッド:前1565mm/後1570mm
・最低地上高:220mm
・車両重量:
Advance…1640kg
X-BREAK…1630kg
Touring…1620kg
 
■エンジン・モーター・性能
・エンジン型式・種類:FB20型・水平対向4DOHC
・総排気量:1995cc
・エンジン最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
・エンジン最大トルク:188Nm(19.2kgm)/4000rpm
・使用燃料・タンク容量:レギュラー・48L
・モーター型式・種類:MA1型・交流同期電動機
・モーター最高出力:10kW(13.6ps)
・モーター最大トルク:65Nm(6.6kgm)
・バッテリー種類:リチウムイオン電池
・WLTCモード燃費:14.0km/L
・最小回転半径:5.4m
・乗車定員:5人
 
■諸装置
・サスペンション:前ストラット/後ダブルウイッシュボーン
・ブレーキ:前後Vディスク
・タイヤサイズ:
Advance…225/55R18(サマー)
X-BREAK…225/60R17(オールシーズン)
Touring…225/60R17(サマー)
 
 
〈文=ドライバーWeb編集部・兒嶋 写真=山内潤也〉