韓国は国を挙げて文化輸出に取り組んでおり、日本でもこれまで何度か韓流ブームが起きている。また、2020年には拡大した韓流ブームによって韓国の文化芸術著作権分野の貿易収支が初めて黒字になった、と報じられた。(イメージ写真提供:123RF)

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 韓国は国を挙げて文化輸出に取り組んでおり、日本でもこれまで何度か韓流ブームが起きている。また、2020年には拡大した韓流ブームによって韓国の文化芸術著作権分野の貿易収支が初めて黒字になった、と報じられた。

 中国のQ&Aサイト・知乎はこのほど、日本と韓国の文化輸出を比較し、「世界により大きな影響を与えているのは日韓のどちらか」と問いかけるスレッドが立てられ、中国人ネットユーザーたちが議論を交わしている。

 中国でも過去にJ−POPが人気だった時期があるが、残念ながら現在の中国ではほとんど影響力はなくなっている。スレ主自身の考えとしては、日韓のどちらも戦略的な文化輸出に成功しているが、K−POPが欧州・中東など世界に向けて意識的に発信しているのに対し、「J−POPの主なターゲットは日本国内」であり、「外向けのコンテンツではない」という違いがあると比較している。日本のコンテンツはあくまで日本国内で人気が出たものが海外に広まっていると言いたいようだ。

 韓国の方が文化輸出に力を入れている、というスレ主の考えに対し、多くの中国人ユーザーは異議を唱えていた。あるユーザーは「韓国文化は一定の影響力があるが、2020年の時点でまだ日本の1970年代初頭の水準ぐらいではないか」と主張した。K−POPなどの影響力は確かに大きいものの、「文化全体」の影響力を比較した場合は日本の方が上だと主張している。確かに日本の場合、音楽の影響力では韓国に負けているかもしれないが、和食やラーメンは世界で人気となっているうえ、漫画やアニメ、ゲームは世界中で親しまれている。

 また、ソフトパワーの世界ランキングで、日本がアジア唯一の上位にランクインしたことがあると指摘する人もおり、やはり国のソフトパワーという大きな括りのもとでは日本が韓国を上回っているとの見方が多かった。

 他には、文化輸出を商品の販売額で比較するなら、日本のゲーム機の方がずっと多いとの指摘や、強さの順で言えば「日本、中国、韓国の順」になるとの主張も見られた。文化輸出は中国の課題でもあるが、多くの中国人はお手本にするなら韓国よりも日本の方が良い、と感じているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)