R5の際立つ速さに現場は困惑気味!? 百花繚乱!多彩なラリーカーで彩られたラリー丹後【JRC第5戦 ラリー丹後2021】

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2021年5月22~23日、JRC(全日本ラリー選手権)第5戦「NISSINラリー丹後2021」(以下 ラリー丹後)が開催された。今年のJRCは初戦「RALLY of TSUMAGOI」が中止、第4戦「久万高原ラリー」が延期となっているため実質3戦目となる。総走行距離は293.01km。SS12本の合計120.66kmのラリーを制したのは、シュコダ ファビア R5を駆る福永修・齊田美早子組だった。前戦の「ツール・ド・九州 2021 in 唐津」に続く今季2勝目。2位に勝田範彦・木村裕介のトヨタ GRヤリス、3位には柳澤宏至・保井隆宏のシュコダ・ファビアR5が続いた。なお、京都府北部の丹後半島を舞台とするラリー丹後は、内陸の林道と日本海沿いを走るロードセクションを併せ持つ美しいロケーションで競われるターマックラリーだが、今大会は無観客での開催となった。

【画像ギャラリー】京丹後の美しい景観と、JRCのラリーカーたち

ラリーはデイ1と2で天候が変わる状況で、デイ1は小雨の混じる不安定な天候、デイ2は晴天でドライコンディションとなった。最上位クラスのJN-1では、優勝した福永のファビアが、全10本中7本のSSでトップタイムをマークする圧倒的な速さを見せた。2位の勝田は、オープニングのSS1と続くSS2で連続ベストタイムこそ出したが、それ以降は追撃も及ばず。結果的には、2日間合計で30秒以上の差が開いてしまった。

奴田原文雄・東 俊吾組のGRヤリスは、デイ1の最終サービスにてトランスミッションを交換。作業時間がサービスに充てられている時間をオーバーしてしまったため40秒のペナルティを受け、最後までこのロスが響き総合4位でラリーを終えた。スバル勢は、新城ラリーでの負傷から復帰した鎌田卓麻・松本優一組のWRX-STIが5位。新井敏弘・田中直哉組はSS4でコースオフしリタイア。新井大輝・小坂典嵩組はエントリーしていたものの、新井大輝のWRCクロアチアでの負傷により欠場した。



●JN-1 2位 No.7 勝田範彦・木村裕介組 「GR YARIS GR4 Rally」



JN-2クラスは、12本中11本のSSでクラス最速の走りを見せた、トヨタ GT86 CS-R3のヘイッキ・コバライネン・北川紗衣組が制した。トヨタ86とスバルBRZが競うJN-3クラスは竹内源樹・木村悟士組のスバルBRZ、スズキ スイフトが主流のJN-4クラスは須藤浩志・新井正和組がクラス優勝を遂げた。なおJN-3にハイエースでエントリーしていたCAST RACINGの2台は、車検不合格となり出場は認められなかった。


●JN-2 1位 No.15 Heikki Kovalainen・北川紗衣組 「AICELLOラックDL速心GT86R3」


JN-5クラスは内藤学武・小藤桂一組のトヨタヤリスがトップ。このクラスの絶対王者、天野智之・井上裕紀子組は今大会よりGRヤリスRSにマシンをスイッチ。ニューマシンのデビュー戦を2位で終えた。JN-6クラスは新城と唐津に続き、吉原將大・佐野元秀組のトヨタヤリスが勝利。開幕3連勝を果たしている。



●JN-6 1位 No.47 吉原將大・佐野元秀組 「KYB DL アップガレージ Yaris」。クラスを超えGRヤリス、ヤリスは非常に多い


3戦を終えた時点では、WRCなどのFIAイベントにも数多く参戦するR5のシュコダの速さが際立ち、それを「Born from WRC」を謳い登場したGRヤリスが追う展開。ラリー専用のR5車両とナンバー付きGRヤリスが同一クラスで戦う現状にさまざまな意見はあるものの、ファンにとって車種のバリエーションが増えること自体は歓迎だろう。次戦は6月12~13日に群馬県で行われる「MONTRE2021」。すでに無観客での開催が決定しているが、早くコロナ禍を抜け出し、多くのファンがラリーを間近に楽しめる日が来てほしいものだ。