カミラ・ワリエワ【写真:Getty Images】

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転倒も…金メダリスト・ヤグディン氏はワリエワの挑戦する精神を評価

 フィギュアスケートのロシアカップファイナル、女子シングルを制したのはカミラ・ワリエワ。北京五輪の金メダル候補としても注目を集める14歳に対して、母国の識者が続々と称賛を送っている。

 ワリエワはフリーで転倒があったものの、ショートプログラム(SP)でのリードを守り切った。合計238.00点で、4回転2本を決めるなど、圧巻の演技を披露したマイア・フロミフの追撃を2.04点凌いで表彰台の頂点に立った。

 ロシアメディア「championat.com」ではソルトレイクシティ五輪金メダリストのアレクセイ・ヤグディン氏がロシアカップファイナルを総括。ワリエワのフリーについて、高く評価している。

「ワリエワの滑りは失敗ではありません。これは未来へ向けた練習です。私たちは皆、彼女が(昨年末の)ロシア選手権でどのように滑ったかを見ました。私たちは彼女がチャンネルワントロフィーでどのように滑ったかを見ました。そこではフリーで、とてもクリーンな滑りでした」

 フリーでは3本の4回転に挑戦したが2本は転倒。それでも超高難度のプログラムに挑む姿勢に拍手を送っている。

「カミーラは3つの4回転ジャンプと3回転アクセルを跳ぼうと試みました。もし彼女がまったくボロボロに崩れたのなら、それは失敗したとなります、が、彼女は4回転サルコーにトライして激しく転倒した後でさえ、4回転トウループを跳びました。もしオリンピックチャンピオンになりたいなら、他の道はないということです」

ズーリン氏「ワリエワにフロミフの滑りは決して影響を与えませんでした」

 またロシアのスポーツ紙「スポルトエクスプレス」では1994年リレハンメル五輪のアイスダンスで銀メダルを獲得し、引退後はコーチや振付師として活躍しているアレクサンドル・ズーリン氏が女子フリーを振り返っているが、その中でワリエワについてこう語っているという。

「ワリエワにフロミフの滑りは決して影響を与えませんでした」とし、さらに「アスリートは準備して自分のことだけを見ます。4回転サルコーを今まで一度もプログラムにいれていなかったことが彼女に影響を与えました、そして彼女がそのジャンプで転倒した時、それは彼女のいつもの調子を乱しました。しかしこれは当たり前の現象で、スケーターが、今まで一度もやらなかったエレメンツをプログラムに入れる時、彼らは簡単に転倒することもあり得ます」と続けている。

 母国の識者はワリエワの新たな頂に挑む姿勢を高く評価している。(THE ANSWER編集部)