【CLプレビュー】シティとマドリーの優勝候補同士によるリスボン行きを懸けた運命の第2戦《マンチェスター・シティvsレアル・マドリー》

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チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16の2ndレグ、マンチェスター・シティvsレアル・マドリーが日本時間7日28:00にシティ・オブ・マンチェスター・スタジアムでキックオフされる。優勝候補同士によるリスボン行きを懸けた運命の第2戦だ。

今年2月26日に行われたサンティアゴ・ベルナベウでの1stレグは、MFイスコのゴールでマドリーが後半序盤に先制も、追いすがるシティが78分にFWガブリエウ・ジェズス、直後の83分にMFデ・ブライネのPKによるゴールが決まって逆転に成功。その後、DFセルヒオ・ラモスが一発退場となったホームチームの反撃をしのぎ切って2-1のスコアで先勝した。

新型コロナウイルスの影響でその初戦後、約4カ月間の活動中断を余儀なくされたシティは、アーセナル相手の痛恨の敗戦でFAカップ連覇を逃したものの、プレミアリーグでは優勝をさらわれたリバプール相手に4-0の大勝を飾るなど、好調を維持。5連勝という上々の形で今季のリーグ戦を締めくくった。また、1stレグ開催時にはFFP違反によって2年間のUEFA主催試合出場停止処分が科されていたが、先月にCASによる処分撤回の決定が下され、来季以降のCL出場が認められるという最高の知らせが舞い込んだ。すでに新シーズンに向けて積極補強に動いている中、心身共に良い状態で悲願のCL制覇に向けた道を突き進む。

一方、ホームでの初戦を落としたマドリーだが、再開後のラ・リーガでは10勝1分けという圧巻の強さをみせ、宿敵バルセロナから3シーズンぶりに覇権を奪還。この中断期間にFWアセンシオやMFアザールら主力の戦列復帰が相次ぎ、対戦相手のシティ以上に盤石の状態で今回の一戦に臨めるはずだ。

なお、新型コロナウイルスの影響で中立地開催の可能性もあったこのカードだが、最終的にはホーム&アウェイの公平性を重視し、シティホームでの無観客開催が認められた。ただ、大幅なレギュレーション変更に伴い、準々決勝以降はポルトガルのリスボンでの一発勝負のトーナメント形式に変更されており、この試合の勝者がリスボン行きの切符を掴むことになる。そして、準々決勝の対戦相手は同日行われるユベントスvsリヨンの勝者となる。

勝ち上がりの条件はシティが引き分け以上で文句なし。さらに、アウェイゴール2つを奪っており、0-1の敗戦でも突破が決まる。対するマドリーは2点差以上を付けての勝利か、3点以上を奪っての1点差の勝利が必須だ。マドリーが2-1で勝利した場合のみ、延長戦に突入する。

◆マンチェスター・シティ◆

【4-3-3】


マンチェスター・シティ予想スタメン

(C)CWS Brains,LTD.


GK:エデルソン

DF:ウォーカー、フェルナンジーニョ、ラポルテ、カンセロ

MF:デ・ブライネ、ロドリ、ギュンドアン

FW:マフレズ、ガブリエウ・ジェズス、スターリング

負傷者:FWアグエロ

出場停止者:DFメンディ

累積警告によりメンディが起用できない。負傷者に関してはヒザを手術したアグエロが欠場となる。

スタメンの注目ポイントはメンディが不在となる左サイドバックの人選。ジンチェンコの起用も考えられるが、カンセロの起用が有力視されている。また、攻守両面で質と量を計算してくれるベルナルド・シウバが右ウイング、あるいはインサイドMFに配置される可能性も考えられる。なお、前回対戦ではベルナルド・シウバを最前線、デ・ブライネをトップ下に置く[4-4-1-1]の奇策に出たが、今回は本来の[4-3-3]で臨むはずだ。

◆レアル・マドリー◆

【4-3-3】


レアル・マドリー予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.


GK:クルトワ

DF:カルバハル、ミリトン、ヴァラン、F・メンディ

MF:モドリッチ、カゼミロ、クロース

FW:アセンシオ、ベンゼマ、アザール

負傷者:DFマルセロ、FWマリアーノ

出場停止者:DFセルヒオ・ラモス

1stレグで退場したセルヒオ・ラモスが出場停止となる。また、事前の検査で新型コロナウイルス陽性反応が確認されたマリアーノ、自らプレーを拒否したベイルも招集外となっている。その一方で、軽傷を抱えるマルセロはメンバー入りを果たしている。

欠場するカピタンの代役はミリトンが務め、ヴァランが左センターバックにスライドする形となる。中盤に関してはバルベルデ起用の可能性もあるが、百戦錬磨の3選手の起用が濃厚だ。両ウイングの人選に関してはイングランド初凱旋のアザール、アセンシオのコンビを予想するが、左にヴィニシウス、右にロドリゴ、あるいはイスコの前線起用の可能性も十分にありそうだ。

★注目選手

◆マンチェスター・シティ:MFケビン・デ・ブライネ

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シティの注目プレーヤーはシチズンズの絶対的司令塔だ。今シーズン、2位に甘んじたプレミアリーグにおいて個人として圧巻の輝きを放ったデ・ブライネは、キャリアハイの13ゴールに加え、ティエリ・アンリ以来の1シーズン20アシストという偉大な記録を残した。

今季のCLでは5試合1ゴール2アシストと活躍は限定的も、マドリーとの前回対戦では1ゴール1アシストの活躍でチームを逆転勝利に導いている。前回対戦に比べて相手が前がかりな戦いを見せてくれる中、ゲームを落ち着かせる仕事、カウンターの起点となる仕事がまず一番に求められる。また、今季のラ・リーガでサモラ賞を獲得した同胞GKクルトワを相手に、リーグ再開以降磨きがかかるプレースキックでゴールをこじ開けたい。

◆レアル・マドリー:FWカリム・ベンゼマ

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マドリーの注目プレーヤーはエルブランコのエースストライカーだ。今季のラ・リーガでは両翼の相棒が頻繁に変わる中、チーム最多の36試合に出場し、いずれも最多の21ゴール8アシストと、まさにエースの仕事で3季ぶりのリーグ制覇に導いた元フランス代表FW。

今季のCLではグループステージのガラタサライ戦、パリ・サンジェルマン戦で2試合連続マルチゴールを記録も、7戦4ゴールとやや調子に波がある印象だ。前回対戦でもイスコとヴィニシウスの両翼が存在感を放った一方、やや存在感を欠く一戦となっており、逆転突破に向けて最低2点以上が必要な状況の中ではラ・リーガ同様にエースとしての仕事が求められる。