先制点のきっかけを作った山田。試合後には「感謝」の気持ちも述べた。写真:田中研治

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 6月27日の再開初戦、栃木をホームに迎えた山形は1−0で完封勝利と幸先良いリスタートを切った。異例のリモートマッチ(無観客試合)で「だいぶ寂しかった」が、そうした気持ち以上に山形のキャプテン山田の中で膨らんだのは「感謝」だった。

「初めてのリモートマッチで、僕たち選手やクラブ関係者もいろいろ不安要素がありました。どういう形になるんだろうと思いましたが、いろんな人たちの協力のおかげでこの日を迎えられたことが純粋に嬉しかったです。お客さんがいないなかでの試合はだいぶ寂しいかったけど、久々に公式戦ができたのは僕たち選手にとっては楽しい時間でした。その再開初戦で、苦しい試合になりましたけど、なんとか勝利できたのもチームとして大きかったと思います」

 そんな山田が「普段以上の後押しを感じられた」のは、この日のために様々な準備をした方たちの並々ならぬ努力があったからだろう。山田は語る。

「お客さんがたくさんいるなかで試合ができるのはベストですが、この日のためにクラブスタッフの皆さんは選手たちが少しでもモチベーションを高く試合に臨めるよう、短い準備期間のなかでいろいろ考えてくれた。スタンドに顔写真が貼ってあるポスターを用意してくれたり、試合中も応援が流れたりとか、本当にたくさんのことを考えてくれて、準備してくれて。感謝しかありません。裏方といいますか、クラブスタッフ全員、ファン・サポーター、スポンサーの皆様の協力があって今日の試合を迎えられて、普段以上の後押しを感じられた。僕たち選手はピッチで恩返しをするしかありません。その意味で、なんとか1勝できたのは良かった」
 
 コロナ騒動の最中、リモートマッチを成立させるのは簡単なことではない。再開のために尽力したすべての人々への感謝を絶対に忘れてはならない。

 今回のリモートマッチを体感して、試合開催の大変さ、それに携わる人たちの支えを改めて気づいたからこそ、山田も試合後に感謝の気持ちを述べたに違いない。

構成●サッカーダイジェスト編集部