中国メディアは、日本とスイスの2カ国が高級時計で有名な理由を分析する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 日本の匠の精神はすっかり中国でイメージが定着しているが、何かに打ち込む職人気質はスイスでも見られるという。中国メディアの今日頭条は6日、日本とスイスの2カ国が高級時計で有名な理由を分析する記事を掲載した。

 記事は、日本とスイスには共通点があると分析。それはどちらも「引きこもり」の傾向があることだ。ここのところ中国では新型コロナウイルスの流行で外出が控えられている。記事の中国人筆者は、引きこもり生活をしたことで、「日本とスイスは引きこもりしやすい環境にあり、だからこそ匠の精神が生まれたのだ」と気が付いたとしている。

 記事の中国人筆者の分析によると、これは気候と関係があるという。スイスの場合、冬になると雪に閉ざされ、家にこもることが多くなる。これは「何かに打ち込むのに適した環境」というわけだ。例えば、スイスのヴァレ・ドゥ・ジューは世界的に有名な時計ブランドの本社が集まっている地域だ。オーディマピゲ、ジャガ−ルクルト、ブレゲ、クロードメランといった企業だが、ここはジュラ山脈の南端に位置している谷で、交通が不便で気候が厳しく雪も深く、「ここに住むのはまさに隠居」と紹介している。

 では、日本はどうだろう。日本も同様で、高級時計の産地には秋田や長野など雪の深い山地が多く、「だから集中して技術を磨ける」のではないかと論じた。長野県諏訪地域は「東洋のスイス」と呼ばれたこともある場所である。記事は、今では工場があればどこででも時計が作れるが、高級品は「芸術品」なので模倣はできないとしている。

 しかし、この理屈からいうと中国東北部も冬は長期間雪に埋もれて外出できず、家に引きこもる環境のはずだ。しかし、中国から高級腕時計が生まれないというのは、やはり別のところにも理由があるのではないだろうか。とはいえ、新型コロナウイルスゆえに自宅にこもっている今は、多くの人が暇を持て余しており、記事が勧めるように何かに打ち込む良い機会ではあるのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)