2019年に最も評価されたゲームを表彰するThe Game Awards 2019の中で、MicrosoftはXbox Oneの次の世代のゲーム機を開発するプロジェクトとして進めてきた「Project Scarlett」の正式名称を、「Xbox Series X」とすることを発表しました。

The next generation of Xbox is just called ... Xbox - Polygon

https://www.polygon.com/xbox-scarlett/2019/12/16/21025133/xbox-series-x-name-scarlett

Xbox Series Xはソニーの次世代ゲーム機であるプレイステーション 5(PS5)と同じく、AMDのマイクロアーキテクチャ・Zen 2を採用したプロセッサおよびNAVI世代のGPUを搭載し、最大8Kの解像度や高速なGDDR6メモリを搭載し、Xbox One Xよりも「4倍」も高速なパフォーマンスを実現しているとのこと。Microsoftは発表と同時に以下の映像を公開し、Xbox Series Xの存在を全世界にアピールしています。

Xbox Series X - World Premiere - 4K Trailer - YouTube

そして新たに、「Xbox Series X」という名称は2020年に登場する次世代ゲーム機の名称というわけではなく、次世代ゲーム機の名称としては「Xbox」が用いられることが、Business Insiderの取材により明らかになっています。

Microsoft's next-generation Xbox is actually just named 'Xbox' - Business Insider

https://www.businessinsider.com/microsoft-only-using-xbox-name-going-forward-2019-12



Microsoftの担当者は、「我々の次世代ゲーム機の名称は、単に『Xbox』です。そして、The Game Awards 2019の中では、その名称が『Series X』を通じて実現することを明らかにしました」と語っています。つまり、Xbox Series Xというのはあくまでも次世代ゲーム機の開発プロジェクト全体を指すもので、ゲーム機の名称としては「Xbox」が用いられるということです。

Microsoftのゲーム開発部門を率いるフィル・スペンサー氏も、GameSpotのインタビューの中で「『Series X』という名称ならば、我々が必要な時に記述子を作成し、その名前で他のことを自由に行うことができる」と説明しています。つまり、Xbox Oneシリーズには通常版の「Xbox One」、安価でスリムな「Xbox One S」、ハイスペック版の「Xbox One X」という3つのモデルが存在したように、追加のモデルなどをリリースすることを前提として、ゲーム機の名称をシンプルなものにしたものと考えられます。



また、スペンサー氏によると、Xbox Series Xは発売日にXbox Oneのゲームをプレイ可能になる下位互換性をサポートするとのこと。Xbox部門のパートナーディレクターを務めるジェイソン・ロナルド氏も、「現在Xbox Oneでプレイできるゲームは何千種類ものタイトルが存在します。我々はそれらのゲームがユーザーと一緒に前進できるようにしたいというだけではなく、サービスもプレイヤーと共に前進させたいと考えています。それはユーザーが現在使用しているゲーマースコアや友人リスト、これまでゲームをプレイしてきて挙げてきた成果なども含めてです」と語り、下位互換性によりXbox Oneのゲームがプレイ可能になるというだけでなく、さまざまなステータスも次世代機に引き継がれることを示唆しています。

下位互換性をサポートする際に大きな課題となるのが、「各世代のゲームが各ゲーム機の独自ハードウェア機能に最適化されている」という点。しかし、Xbox Series Xではこれを念頭にシリコン設計が行われているため、強力な下位互換性をサポートすることが可能になっているとのことです。